日本大が全日本インカレ総合優勝!ついに早稲田大の牙城を崩す
11月3日、江の島ヨットハーバーで「第90回全日本学生ヨット選手権」の最終日を迎えました。3日目を終えた時点で総合首位の早稲田大と2位の日本大の差はわずかに2.3点。勝負の行方は最後まで分からない大接戦になりました。勝負の分かれ目となったのは470級の第8レースです。日本大は3艇合計着順15点と完璧な走りを見せました。このレースが決め手となり、総合優勝を獲得。14年前、日本一の称号を手にした江の島で日本大の時計が再び動き出しました。(レポート/藤原葉菜 BHM編集部)

最終日は北風に恵まれ、両クラスともに2レースを実施しました。総合優勝をかけた勝負の分かれ目は、470級の第8レースです。
日本大が1-2-12と勢いにのる一方で、早稲田大の3番艇がスピンのトラブルでまさかのリタイア。この73点が重く響き、日本大が再逆転に成功します。スナイプ級では最終日の2レースとも早稲田大がリードしますが、日本大も負けじと食らいつき、総合得点の点差は縮まりませんでした。
最終レース終了後、サポートメンバーから得点計算を終えた日本大から歓声が沸き上がりました。ついに日本大が早稲田大の連覇を阻止し、14年ぶりに悲願の総合優勝をつかみました。
序盤は日本大が首位に立ち、3日目に早稲田大が逆転。最終日に日本大が再度逆転するという名勝負で90回目の全日本インカレは幕を閉じました。来年の舞台は西宮です。来年はどんな風が吹くでしょうか? 次は西宮で会いましょう!







◎池田海人・日本大主将、470級クラスリーダー
「4年間で初めて見た優勝の景色はこんなにいいものだったんだと感じました。僕の代で優勝できて、本当にうれしいです。3日目に逆転されたことで、挑戦者として日本大らしく臨みました。470チームは安定した順位を取れて上出来です。初日はスナイプチームにDPIがつき、全員で取り返すことを心がけました。この1年間は練習量、そして人間力にこだわりました。早稲田大と互角に戦えるチームをつくれたこと、そして僕についてきてくれた部員が誇りです」
◎日本大監督・松本健司
「14年前も江の島で優勝し、当時はコーチでした。総合優勝まの道のりは長かったですね。初日はできすぎでしたし、中盤に逆転されたときも、全日本インカレは甘くない、と想定内の展開でした。でも、『勝てるから大丈夫』と自信はありました。今年の強さはやはり、日本一の練習量です。池田主将がリーダーシップを発揮して、部員がついてきてくれました。また、レベルが一段高い社会人のセーラーと練習できたことも結果につながりました」
◎日本大コーチ・西宮敬宏
「選手たちが喜んでいる姿を見て、涙が出てきました。14年前に江の島で優勝したとき、自分は3年生でした。自分たちの代から優勝ができない呪縛が始まったと思っていました。勝てて最高です。誰にも負けない体力づくりをしたからこそ、最終日にパフォーマンスを出す余裕があったと思います。来年、再来年も勝てる環境は揃っているので、がんばっていきたいです」
◎日本大コーチ・矢野伸一郎
「最高にうれしいです。学生たちも最高の表情をしていました。最終日は『普段通りにやれば絶対に結果はついてくるから、自信を持ってやりなさい』と声をかけました。この4日間で1年間やってきたことが、全部出し切れたように感じています。来年に向けて、また1からスタートしていきたいです」

◎桔川翔太郎・早稲田大スナイプ級リーダー
「総合優勝を目標としていたので、悔しい気持ちもありつつ、スナイプチームは本領を発揮できました。初日から2、3番艇が少し苦戦しましたが、徐々にいい流れをつくることができました。昨年、実力者の服部陸太が引退し不安はありましたが、下級生の努力で強くなり、自分も成長できました。最後まで着いてきてくれた後輩に感謝です」





- 第90回全日本学生ヨット選手権(公式) https://kantogakuren.org/all-japan-championship2025
- バルクヘッドマガジン全日本インカレフォトギャラリー https://junhirai.photoshelter.com/gallery-collection/2005-2024/C0000GYOJC_wIQ3s