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新旧対決!雨の江の島で開催、49er・49erFX全日本選手権

 10月25日、26日、江の島ヨットハーバーで「第24回全日本49erクラス選手権」「第10回全日本49erFXクラス選手権」が開催されました。オリンピックの花形種目でもあるナイナークラスは、スキフのカテゴリーに入るハイスピードボートです。男子種目の49erは2000年シドニー五輪から。女子種目の49erFXはリオ五輪から採用されています。(BHM編集部)

江の島で開催された49er・
49erFX全日本選手権。レース2日間は雨ながらも北風のフラット海面という好条件で8レースおこなれました。写真は49er級優勝の嶋倉照晃/上園田心太浪

 全日本のエントリーは49er級5艇、FX級5艇。日本では五輪を目標に活動するチームや五輪選手が中心で、本大会でも運営、選手ともに華やかなメンバーが集まりました。

 49er級には10月初旬にイタリアで開催された世界選手権から戻ったばかりの嶋倉照晃/上園田心太浪。今年から新チームを結成して2028年ロス五輪を目指す松尾虎太郎/小泉維吹が出場。FX級にはパリ五輪代表の田中美紗樹/永松瀬羅、ジュニアからシニアへ移行する大学生コンビ、市橋愛生/後藤凛子らが出場。また、パリ五輪470級銀メダリストで、現在ナクラ17級で活動する岡田奎樹は、盛田冬華とともにFX級に出場しました。

 もうひとつの注目は、高校生セーラーの挑戦です。日本セーリング連盟のHOPE育成プログラムで活動する後藤大志、高村拓豊、後藤一太が出場。乗り慣れていない船に奮闘しながらも果敢に挑戦する姿が印象的でした。

 レースは2日間とも雨が降る中、北風のフラット海面で8レースおこなわれ、現在五輪活動中のチームが上位を占める結果となりました。49er級優勝は嶋倉/上園田、FX級は田中/永松が優勝しました。

「優勝はできたけれど、自分たちが課題としてきたことができずに、満足できる内容ではなかった。いまは多くのレースに出場して経験を積むことが必要です。この冬は座間味合宿、海外遠征に出て経験を積んで、アジア大会の予選となるプリンセスソフィア杯に出場します。アジア大会に出場して金メダルを狙います」(嶋倉照晃)

「この大会は「絶対に勝ちたい」と思って挑みました。世界選手権がちょっと散々だったので、勝つイメージを取り戻したくて。結果としては目標を達成できましたが、内容的にはまだまだ課題が多いです。世界選手権のときに出た問題も、まだ完全には解決できていません。冬の間にしっかり改善して、次のアジア大会の予選につなげたいと思っています」(田中美紗樹)

 両チームともに満足の結果を出せなかった世界選手権直後ということもあり、厳しいコメントが並びました。この冬のトレーニングで課題を克服し、さらなる飛躍を期待します。

49er5艇、FX5艇が出場した全日本選手権。レース運営陣も豪華で中村健次さん、佐々木共之さん、齋藤愛子さんら五輪選手が裏方として大会を支えました
ナクラ17級でロス五輪を目指す岡田奎樹/盛田冬華。この夏までは浜名湖で基礎トレーニングを行い、2026年から海外遠征でナクラ17のレースへ飛び込みます
49er級FX優勝の田中美紗樹/永松瀬羅。全レースでトップフィニッシュを決めることを目標に全日本へ挑みました
高校生コンビの後藤大志/高村拓豊。JSAFホープ合宿ではFXに乗りますが、49er級はほぼ初めて。今後の活躍に期待です
パリ五輪ナクラ17級日本代表の西田カピーリア桜良(関西大)は深沢絵里と出場しました。西田はセーリングからは離れていて1年ぶりのレース出場でした
リオ五輪49er級代表の高橋賢次も年に一度の恒例行事に出場。クルーは今年ディンギーからキールボートまで果敢に挑戦している山田海統です
東京五輪49er級代表の小泉維吹は、幼なじみでもある松尾虎太郎とチームを結成。鳥取県境港を拠点に活動を開始しました。今後注目のチームです
今年も少数精鋭で開催された49er・49erFX全日本選手権。クラス協会では随時、新しい挑戦者を募集しています
第24回全日本49erクラス選手権、第10回全日本49erFXクラス選手権 成績
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