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英プリマスJ/24世界選手権3位獲得!〈GEKKO〉レポート

 9月9日から13日までの5日間、イギリス・プリマスで「J/24世界選手権」が開催されました。参加艇数は12カ国50艇、日本からは〈GEKKO〉1艇がエントリーしました。(レポート/GEKKO)

英プリマスで開催された「J/24世界選手権」に出場した〈GEKKO〉。言わずと知れた油壺で活動するキールボートチームです。昨年に続いて3位入賞を獲得しました

 今年の世界選手権はロンドンから南西に約400km離れたかつての要塞都市プリマスが舞台です。我々にとっては2015年ヨーロピアン選手権で3位となって以来10年ぶり、縁起のいい場所です。

 ヨーロッパ、アメリカ勢が自艇持込であるのに対し、我々はハンガリーのボートをチャーター。早い段階からオーナーとコンタクトを取り事前準備を万全に施しました。計測も実質1日半で完了し、作業を開始して2日後からセーリングを開始できました。

 レースまでの4日間は毎日セーリングし、海面調査を行いました。プリマスのロケーションはフランス海峡に面した南西方向に湾口が開けていて、湾には川が流れ込みます。フランス海峡からの大きな潮の流れが湾内をぐるりと回り、その流れの速さはレースの行方に大きな影響を及ぼします。さらに潮止まりの時間が短いため、潮流を把握することがキーポイントとなりました。

メンバーは市川航平(ヘルム)、小島広久、宮本貴文、石山雄大、松山宏彰、松岡嶺実

 迎えたレース初日、予想通りの強風でジブコンディションです。序盤から3位で展開するも最後に抜かれ5位フィニッシュ。2日目も2レース行いましたが総合順位は5位のまま。アイルランド、イタリア、アメリカの2艇が上位を占め、我々は今ひとつ流れに乗れません。そこで3日目を迎えるにあたり役割分担の再確認とポジションの流動化を図ることでコミュニケーションの向上を図りました。この日も2レース行い2位と7位、ようやくエンジンがかかってきました。

 4日目は、さらなるスピードアップを目指しセッティングを変更。これがハマり、ボートスピードが一気に加速しました。スタート前の走り合わせで確信し、自信を持ってスタートしました。

 レースは当初のプラン通りに展開し、レース序盤から大きなリードを保ち安定したスピードで後続を離すことに成功。本レガッタ初のトップフィニッシュとなりました。続くレースは目論見が外れて逆方向が伸びる苦しい展開となりましたが、なんとか10位フィニッシュ。総合順位はイタリアを抜き4位に浮上。上位との得点差も少しずつ詰まりました。

 最終日前夜のミーティングで、自力優勝が不可能な状況下、現実的なターゲットを表彰台に定めます。最も可能性があるのは2位のアメリカがカットレースを抱えているため、彼らに大きな失点をもたらし逆転する事。最初のレースでトップを取りプレッシャーをかけ、最終レースで序盤から抑え込んで逆転するプランを立てました。

 そして迎えた最終日。安定したスピードを武器に最初のレースで後続を10艇身以上離し、ダントツで2度目のトップフィニッシュを果たします。

 スタートリミットぎりぎりで始まった最終レースは、スタート前からアメリカ艇をマークし、3分前から風下側につきスタートラインの第一線から引きずり下ろしました。

 ポートでスタートラインを切り、第二線スタートとなった状況から下側にいるアメリカ艇に向かってベアして抑え込みます。そのまま約70分間相手を抑え込むことに成功。この瞬間3位入賞が決まりました。

 J/24を使ったマッチレースなら誰にも負けない自信があります。最終レースは、チームレースやマッチレースで培ったスキルを存分に発揮することになりました。

 優勝はアイルランド。9レース中トップが5回と驚異的なスコアメイクでした。準優勝は最終レースまで3位にいたワールド常連のアメリカ、強風シリーズとなったため上位艇はスコアを崩さず隙がありませんでした。

 レース期間中は毎日20~30ノットの強風が吹き続け、9レース中7レースがジブ、残りの2レースもジェノアマックス。波高は4メートルとかなりのハードコンディションでしたが、多くの方々から熱い励ましのメッセージをいただき、それを支えに戦い抜くことができました。

世界一を目指す〈GEKKO〉の挑戦はまだまだ続きます

 目標としていた世界一にはまたもや届かず、2年連続の3位入賞となりましたが、昨年以上に手ごたえのあるレガッタとなりました。まるで亀のごとくですが少しずつ頂を上っていると感じています。

 今後も皆さんのご期待に応えられるよう、頂点を目指しチャレンジしていきますので、引き続き応援をよろしくお願いします。

◎J24 World Championship 2025 参加50艇 9R終了時 上位成績
1 Headcase IRL Cillian Dickson 18.0p
2 Bangor Packet USA Tony Parker 25.0p
3 Gekko JPN Kohei Ichikawa 45.0p
4 WarCanoe USA Michael Goldfarb 62.0p
5 Majic GBR James Torr 73.0p
6 La Superba ITA Ignazio Bonanno 77.0p

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