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日本から3選手出場!大西洋横断ミニトランザット・スタートプレビュー

 バルクヘッドマガジンは日本を離れ、フランス西部の港町レ・サーブル・ドロンヌへやってきました。9月21日、大西洋横断ヨットレース「ミニトランザット」がスタートします。この大会に日本から國米 創、中山寛樹、高原奈穂の3名が出場します。(BHM編集部)

21日にスタートする大西洋横断ミニトランザット。日本からは過去最高となる3選手が出場、高原選手は初の日本人女性となります

 ミニトランザットはフランスからフランス領カナリア諸島を経由して、カリブ海のグアドループまで4050マイルを走る一人乗り外洋ヨットレースです。

 2年に一度開催されるこの大会は、フランスの若手セーラーが憧れる外洋ヨットレースで、今回は2年以上の予選を突破した90艇/13カ国がスタートラインに並びます。

 ミニトランザットで採用される船は、全長6.5mの小さなクルーザーヨットです。この小さなヨットで、たった一人で大西洋を横断するのですから、セーラーにとって大きな挑戦であり、信じられない冒険が待っています。

 これまで日本人は、岩名地 正(1999年)、鈴木晶友(2019年)、三瓶笙暉古(2023年・リタイア)が、ミニトランザットに挑戦しました。そして、2025年大会には上記の3選手が出場し、その歴史に名前を刻むことになります。

 國米 創、中山寛樹、高原奈穂の3名はスタートを直前に控え、準備に余念がありません。第1レグのスタートは9月21日15:30(日本時間22:30)。バルクヘッドマガジンでは現地の様子を紹介します。

DMG MORI セーリングアカデミーに所属する國米 創(30歳。岡山県出身)。2017年ユースアメリカズカップ日本チーム、キールボート活動、東京五輪フィン級キャンペーンを経て白石康次郎の門を叩き、外洋ヨットレースの世界へ。本番までの2年間、バルクヘッドマガジンの記事でお伝えしたようにトラブルもありましたが、不屈の前向き精神で初の大西洋横断に挑戦します
高原奈穂(26歳。兵庫県出身)。幼少からヨットに親しむ。慶應大クルージングクラブから会社員生活と並行して外洋ヨットレースの世界へ。2024年からミニトランザット出場のために拠点をフランスへ移す。外洋ダブルス日本選手権三連覇、外洋ダブルス世界選手権出場、22024年Calvados Cup course3 3位、2025年Lorient Mini 3位
中山寛樹(42歳。富山県出身)。30歳から登山を始め、2019年ネパールの未踏峰「Hongu Sura Peak」(6,764m)の初登頂に成功。登山活動と並行して2021年からセーリングを始め、2023年のDMG MORI セーリングアカデミー研修生公募をきっかけにミニトランザットを目指す。ボートは2021年製のシリーズ艇(マキシ)を2年間のレンタルで挑戦しています
ミニトランザット2025のコース
第1レグ
日程:2025年9月21日スタート
スタート:レ・サーブル・ドロンヌ(仏)
フィニッシュ:カナリア諸島 サンタ・クルス・デ・ラ・パルマ
距離:1350マイル
第2レグ
日程:2025年10月25日スタート
スタート:カナリア諸島 サンタ・クルス・デ・ラ・パルマ
フィニッシュ:カリブ海グアドループ・サンフランソワ
距離:2700マイル
レ・サーブル・ドロンヌは言わずと知れたヴァンデ・グローブのスタート地です。ヴァンデとまではいきませんが、ミニトランザットでもビレッジがオープンして誰で無料で入場できます。9月の現地は日中はTシャツでいられますが、朝晩は極端に冷えダウンを着込むこともあります
ビレッジの壁には90名の出場選手のポートレートが貼られています。内訳は男性76名、女性14名で、そのうち82名が初参加です。出場するセーラーの年齢は20歳から60歳までにわたります
さん橋には90艇のミニがずらり。さん橋にとめられない船は横抱きで係留されています。 9月13日のビレッジオープン以来、ひっきりなしに見学者が訪れています
中山寛樹選手の船内。登山家だけに劣悪な環境での寝食はお手の物。スコウ型のマキシではバウスペースが広く、ここがベッドルームになっています(レース中はコンディションによって場所移動します)。あまり費用を掛けられないミニセーラーはスタートまで船内泊するのが一般的でしたが、最近は船内泊する選手は少なくなってきたそうです
スキッパー・ブリーフィングの様子。ミニトランザットが他の外洋ヨットレースと違うのは、選手の安全を優先したレース運営が行われる点です。特に荒天時のスタートは延期されることが多く、数日の延期はよくあることで、過去には第1レグを中止してカナリア諸島まで各自回航して第2レグからスタートしたこともありました
スタートは現地時間21日午後3時30分。スタートの様子はライブ中継されるほか、トラッキングで位置情報を確認できます。また、同じ気象条件で行われるeセーリング(ヴァーチャルレガッタ・オフショア)にも参加できます
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