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日本医科大が二連覇を飾る。江の島・東医体2025レポート

 8月6日〜10日、江の島ヨットハーバーで「第68回東日本医科学生総合体育大会ヨット競技」が開催されました。東日本医科学生総合体育大会(通称・東医体)は、東日本の医学部に所属する医学生が、各運動部の競技で競い合う総合体育大会です。(レポート/佐藤理紀・横浜市立大6年)

二連覇を達成した日本医科大。慶應大と僅差の戦いが続き、最終レースで決着をつけるという劇的なドラマを演じました

 規模は23競技・38大学に及び、国民体育大会、西日本の医学生の体育大会である西医体に次いで、日本で3番目に大きい体育大会に数えられます。多くの競技は8月上旬に行われ、ヨット競技は近年、江の島での開催が続いています。

 ヨット競技は470級のみで実施し、プレレース、女子戦(最大3レース)、本戦(最大10レース)が行われます。団体成績は各校3艇のうち、各レースで上位2艇の合計点で争うのが特長です。

 医学部は部活動が盛んな環境にあり、東医体は5年生の引退レースでもあるため、毎年多くのOB・OGの先生方が会場に集まり、学生たちの最後の晴れ舞台を見守ってくださいます。

 今大会は、総じて安定した南風に恵まれました。プレレースは4m/s程度と、選手・運営双方の準備に適したコンディションで1レースを実施できました。

 翌日の女子戦は、強風予報の影響で出艇段階から辞退が出た一方、実際の海上では弱風と風向の大きな変化により、2レースのみの実施となりました。

 午後には南風が安定し、医学部の大会としてはやや厳しめのコンディションで白熱した攻防が展開され、日本医科大の4810艇(土屋 涼/佐藤 怜)が2レースを制し、女子戦優勝を飾りました。

東医体本戦の開催地は江の島。風は南の微風から軽風で合計8レースおこなわれました

◎日本医科大が逃げ切り二連覇を達成!

 本戦は軽中風中心のコンディションで進行し、オスカー旗が掲揚される時間もしばしばある中で、2日間で計8レースを実施しました。

 本戦1日目は朝から4m/s程度の安定した南風が吹き、予定されていた4レースをスムーズに行うことができました。暫定1位の日本医科大を慶應義塾大が僅差で追う展開となりました。

 本戦2日目は朝の風が弱く、陸上で風待ちをし、11時過ぎからのレース開催となりました。OBの先生方の漁船が見守る中、途中風が弱まりそうになる場面もありましたが、前日同様のコンディションで4レースを行うことができました。

 最終日は雨と荒天のためノーレースとなり、前日までの成績が最終結果となりました。個人戦では本戦初日からリードしていた慶應義塾大の4840艇(渡辺武/大野芸春)が優勝し、団体戦では日本医科大が逃げ切る形で大会二連覇を果たしました。大きなトラブルはなく、各校が鍛えてきた技術と判断力を十分に発揮できるシリーズでした。

 大会予備日の8月11日夜には、実施できなかった最終日のレースを惜しむように、オンラインのセーリングゲーム「Virtual Regatta」を用いたバーチャル東医体も行われ、学生同士の交流の場として盛り上がりを見せました。

 コロナ禍を経て入学した学年のみとなった今大会ですが、ブランクはもはや感じさせず、年々競技レベルが向上していることを実感します。学業と両立させながら、将来は医療の現場で共に働く仲間と切磋琢磨できるのが、医学部ヨット競技の大きな意義です。医学生セーラーたちの挑戦は、これからも続きます。

団体戦優勝は逃しましたが、個人戦で優勝を果たした4840艇(渡辺武/大野芸春)。慶應大は部員不足のため2艇のみの出場となりました
日本医科大の強さはチーム一丸となる総合力。メンバー交代をフル活用するだけなく、レース出場する3艇とは別に予備の4艇目も海上待機するなどリスクマネジメント戦略にも優れていました。写真は下村有眞/金子祥輝(日本医科大)
表彰式で掲示された手書きの成績表
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