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高校生も参戦!春の強風、清水三保モススプリングレガッタ2025

 3月29、30日に静岡県清水市三保で「モス級スプリングレガッタ」が開催されました。参加艇数は、モス11艇にスキータ1艇とワスプ1艇を含めた13艇による大会でした。(レポート/後藤大志 横浜市立南高3年)

清水港ヨット協会小型艇艇庫を拠点に開催されたモススプリングレガッタ。大会2日目は最大20ノットまであがり、波も入って走行不能となるモスも見られました

 レース初日は風に恵まれず、海上での風待ちから始まります。ようやく吹いてきた風でなんとか1レース行いましたが、ベテランを含めた参加者のうち1人もフォイリングを保ってフィニッシュできない、難しいコンディションでした。

 結局2レース目は行えず、選手の意識は大会より夜に開催されるレセプションに移っていたように思えます。レセプション会場では腹を割った話も多く、モス乗りの和やかな雰囲気を感じ取れました。

 2日目も午前中は風待ちとなりましたが、初日とは打って変わって南西から20ノットオーバーの強烈なプレッシャーが入ってきます。

 清水といえば湾内のフラットウォーターが特長ですが、今大会は外海でのレースだったため、風以上に波に翻弄されました。増していく艇速に興奮する一方で、故障する船もどんどん増えていきます。そんな中、艇速の遅いスキータとワスプが残っていたのは、なんとも皮肉な光景に感じました。

 2日目は強風のため波乱となりましたが、海面のすぐそばに浜があったおかげで、ケガ人や遭難者が出なかったのが幸いでした。

 まだ高校生の自分が参加するには年齢の壁があると考えていましたが、年上のベテランのセーラーとの触れ合いや、何よりフォイリング艇の楽しさ、難しさを体験できてとても良かったです。

 この先もワスプで腕を磨き、いつかはモスでベテランの皆さんと一緒に走りたいと思っています。

拠点は富士山+ヨットでおなじみ清水ヨット協会艇庫前。沖からの風は三保の松原に遮られて穏やかなゲレンデです
ワスプで出場した後藤大志(筆者)。全国的に知られるフォイリング一家の長男で、高校生ですが小学生の頃からフォイリング歴あり。今回はモスを破って5位に入りました。表彰式では「次はモスで参戦してみたい」とコメント
ニュージーランド世界選手権帰りで日本を牽引する行則啓太がスプリングレガッタ優勝です
世界選手権で話題となったステンレス(SUS630)製バーティカル。ちょうど写真のラインがついた部分が分かれ目で、上部はカーボン、下部がステンレスで接合されています。ステンレス部分は固く、細く、抵抗がないためスピードが数ノットアップする魔法のようなバーティカルで、ほとんどのトップセーラーが使用しているようです。日本では行則選手だけが使用しています。
同点2位となった後藤浩紀。OPからSailGP(現在J SPORTSで解説しています)まで活動は多岐にわたります
トラブルがあるとビーチにあがって修理して、また出艇。海岸が近いからできる三保のメリットです
スキータで出場した杉山武靖。息子の航一朗はモスで出場しているフォイリング親子です
日本モス協会副会長をつとめる岡田奎樹。モスは五輪艇種と違ってプライベートで楽しんでいます。今回はニュージーランドから送らてきたばかりのビーカーV2で出場。船の特長がつかめず、てこずっている走りが印象でした。「思ったように走れず、にが甘いデビューになりました。今年はモスワールド(7月ガルダ)に出場します」(岡田)
モススプリングレガッタ出場選手、スタッフ一同。ただいま状態のいい中古モスが複数出ています。興味のある方は、日本モス協会、または近くにいるモス乗りへお問い合わせください
モススプリングレガッタ2025成績
モススプリングレガッタ2025 ハイライト映像
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