【パラオ】パラオセーリング連盟に助っ人大学生あらわる!
2月、岡山大学から今年4年生になる伊波 悠くんがパラオ活動の応援に来てくれました!(レポート・写真提供/仙田悠人)
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◎どうして呼んだの?
これまでのパラオセーリング連盟(以下、PSAとする)活動で幾度となく「もうひとりコーチがいたらなあ」と思うことがありました。
パラオ生活1年を経て、自分の活動基盤がある程度固まり始めた頃に、日本の大学生セーラーをお呼びしようと心に決めました。PSAにとってはもちろんのこと、来てくれる大学生にとっても人生の起点になれるようなWin-winな経験になるのでは、と考えたのです。
そこで、以前から交流があった大学に2025年1月の初めごろからパラオでのミニ協力隊体験ということで声をかけてみました。
すると、今回の伊波君から返事が! ぼくのなんとも怪しい誘いにのって、幼少期以来の国外へ勇気を出して一週間パラオに来てくれることに! 彼の一生の財産になるように、PSAのコーチ2人という最大瞬間風速を余すとこなくゲインできるように準備を始めました。
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◎衣食住、観光はどうしてた?
伊波くんはぼくの部屋に泊まり、食事はともに自炊して生活をしてもらいました。われわれ隊員はJICA(青年海外協力隊)に車の使用が許可されていないので、オフィスまで片道40分を歩きます。彼は普段自転車の生活だそうで、筋肉痛で足が痛いと言っていました。でもそれが、協力隊体験です。
1週間のうち1日はフリーの時間を設けました。まれに見る大雨に見舞われ、世界遺産の海へツアーで行くことは叶いませんでした。しかし、博物館や水族館に伝統的なアウトリガーハウス等にいってパラオを楽しんでくれたように思います。
また、他の隊員さんの活動も拝見させて頂きました。そのひとつに、老人センターで運動を教えている方の活動中に、戦時中の日本語教育を受け今でも日本語を流暢に話せる方とお話もしました。
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◎小学校に訪問してきた!
彼の滞在中、小学校2校へ「ヨットとは?」というプレゼンをしに行きました。異国の小学校で英語のプレゼンをするのはもちろん初めて。彼はとても緊張していました。
しかし、プレゼンになると大きな声で自信を持って出身の沖縄やヨットレースについて話してくれました。多くの子ども達は、PSAに入りたいとチラシを持って帰ってくれました。アクティビティとしてハイビスカスの樹皮からロープを作り、これも子ども達は楽しそうに編んでくれました。
◎セーリング練習を考えてみよう!
日曜日は彼にセーリング練習を考えてもらいました。違う頭脳に、新しい角度からの練習を取り入れてもらうことで子ども達の技術向上が狙いです。
練習ではTouch the lineというスタートの練習を組んでもらいました。初めての練習方法で理解するのに時間はかかりましたが、子ども達は新鮮な気持ちで練習をしてくれていたようです。セーラーのスタート技術貢献に一役買って頂きました。
また、伝統的なアウトリガーの操船体験しました。その昔、世界で一番速い船だったという情報があるほどの艇速に、伊波は一ヨットマンとしてご満悦な様子でした!
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◎伊波くんが帰ってから…
たったの1週間でしたが、彼が帰った後の部屋はいつもより広く感じました(泣)。彼のおかげでぼく自身も勇気をもらい、PSAにも大きく貢献してくれました。
彼は人生の進路に悩んでいた様子でしたが、今回の経験がこれからの人生の原点になってくれることを祈ります。インカレもがんばれ!ありがとう!
【伊波 悠、パラオ活動体験記】
「短い滞在期間でしたが、パラオの子ども達のセンスは目を見張るものがありました。素晴らしいコーチがいますので、後は経験が有れば必ずワールドワイドな選手になると思います。
また、パラオの伝統的なアウトリガーカヌーに乗せて頂いた事もあり、セーリングの原初的な楽しさを思い出す事ができました。
日本のレース重視のセーリングも良いですが、それ以外の、初めてヨットに乗った時の感覚を追体験する事ができました。パラオの子ども達はそれを忘れずにヨットに乗っています。とても素晴らしい事だと感じました」(伊波 悠/岡山大)
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- 連載【パラオ】バックナンバー https://x.gd/n5p3T
- 日本パラオ青少年セーリングクラブ https://jpysc.org/