新時代到来!黒田浩渡、冨部柚三子優勝、ILCA6/7全日本選手権
11月22〜24日、静岡県浜名湖で「2024 ILCA6/7 全日本選手権」が開催されました。ILCA6に62艇、ILCA7に31艇が出場。オプティミスト級からステップアップしたばかりの中学生から75歳以上のレジェンドクラスまで、大会会場となった三ヶ日青年の家はILCA熱に包まれました。(BHM編集部)
浜名湖は北西風がよく吹きました。大会初日は15ノット強で3レース、2日目は20ノットを超える強風で2レース実施。平水面の湖には白波が立ち、アウトサイドのレース海面では強烈なブローが入り沈艇が続出しました。
ILCA7は初日に東京五輪代表のベテラン、南里研二(唐津)が1-1-2位で飛び出しますが、2日目にロス五輪を狙う黒田浩渡(21歳・津)が3連続1位で首位に。その差は1点。優勝争いは最終日に持ち越されます。
またILCA6はパリ五輪キャンペーンで欧州中心で活動してきた冨部柚三子(三国)が強風域でも男子に競り勝ちトップ。加原弦季(中3・江の島)、ウェカ・バヌバン(高1・タイ)といった若手選手が後に続きます。
逆転の可能性を秘めた大会最終日。前日までの強風は過ぎ去り、風のない湖上は鏡のようです。選手たちは湖上で風が吹くだすのを待ちますが北西から南、さらに北西に戻るという風の振れでレースを開始できません。
12時を過ぎてようやく安定した風が入りILCA7がスタート。しかし、1上マークを回航したところで再び風がまわってしまいノーレース・タイムリミットとなりました。成績は前日までの結果となり、ILCA7は黒田浩渡が初優勝、ILCA6は冨部柚三子が三連覇を飾りました。
「うれしい気落ちとホッとした気持ちです。今回は初日の入りがよくなくて反省しています。2日目に風が吹き上がった時のフィジカルは良くなっているし、この1年で総合的に成長しています。やっと全日本が取れました!」(ILCA7 黒田浩渡)
「今年は、国スポと全日本の優勝を目標にしていたので、どちらも優勝できてうれしいです。不安だったのは、五輪キャンペーンが終わり体重が6、7キロ減ったこと。ピーク時のボートスピードより劣っていたと思う。ただ軽くなった分、ハイクアウトの持久力があがっていて、2上のコースで余裕を持って冷静に走ることができたのが良かったです」(ILCA6 冨部柚三子)
また、本大会でひときわ目立っていたのが次世代の活躍です。日本へ留学しているウェカ・バヌバンは、2022年のオプティミスト級世界選手権金メダリストで、2023ILCA4ユース世界選手権優勝、2023年アジア大会金メダル、2024年ユースワールド銅メダルという輝かしい経歴を持つサラブレッドです。
このウェカ・バヌバン選手に競り勝った加原弦季(2024年国スポ優勝)の走りの安定感には目を見張るものがありました。男子では同じく中学3年の豊澄隆成(広島)、高校生の遠藤海之流(江の島)、また女子では、ハムリンたりあ(江の島)、豊澄麻希(広島)、舩澤奈菜(境港)といった高校生が成長しています。
黒田浩渡の初優勝と冨部柚三子の三連覇。そして強風下、元気の良い中・高校生の活躍が見られたILCA全日本選手権。2025年大会は三重県・津で開催されます。