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〈TRINITY〉が再び王者へ! メルジェス20全日本選手権

 11月15日〜17日、神奈川県葉山マリーナをベースに「ジャパン・メルジェスウィーク2024」(第11回全日本メルジェス20クラス選手権)が開催されました。今年は例年に比べると少ない6チームのエントリーでしたが、JSAF セーリングシリーズのひとつとして開催され、この時期らしい北~北東の風に恵まれ、予定されていた全9レースおこなわれました。(レポート/小澤秀孝 St.Paul’s)

葉山沖で開催された全日本メルジェス20クラス選手権。初日はキールボートシーンで活躍する〈Gaia〉(右)がトップ。2日目に〈Trinity〉が逆転しました

 初日は20~40度、8~11ノットのコンディションで3レースおこなわれました。トップと最終艇の差が3レースともに1~2分程度でワンデザインならではのデードヒットとなる中、〈Gaia〉(茂木慎一オーナー)が2回、〈Trinity〉(加藤高裕オーナー)が1回のトップを飾ります。

 2日目は15~20度、10~18ノットの絶好のコンディションで4レース実施。〈Trinity〉が圧巻の4連続トップを飾り首位が入れ替わりました。〈Gaia〉も4連続2位と崩しません。コリンシアン(アマチュア)ディビジョンの〈Inspire〉(廣中龍蔵オーナー/日本メルジェス協会会長)も安定して上位に食い込んでいきます。ジェネカートラブルによりダウンウィンドで順位を落としてしまった〈Contious〉(大澤光正オーナー)は初参戦となるヘルムスマンの佐藤帆海選手が実力を発揮し7レース以降はトップ2艇を脅かしました。

 2日目終了後に参加メンバーによる懇親会が開催されました。各チームの自己紹介、オリンピアンの松永哲也さん、外薗潤平さんによるアドバイス、ジュリーの方々からのレース講評などもあり、全員が懇親を深めました。

 最終日は25~35度、6~8ノットの軽風で2レースおこなわれ、〈Trinity〉がスタート失敗で苦戦する場面もありましたが、着実な追い上げを見せて2連続トップで優勝を飾りました。昨年は惜しくも準優勝でしたが、見事に復活優勝を遂げました。

優勝の〈Trinity〉(加藤高裕オーナー/ヘルム)。3連覇後、昨年は2位に。今年再び優勝を飾りました

 今回のコリンシアン(アマチュア)ディビジョンは〈Inspire〉、〈Sign of Hope〉(上甲哲也オーナー)と〈St.Paul’s〉(小澤秀孝オーナー)の3艇。終始安定して上位艇を脅かした〈Inspire〉が昨年に続き2連覇となりました。

第11回全日本メルジェス20クラス選手権 成績

 今大会ではセーリング機器のVakaros Atlas2(VA2)を使ったレースマネジメントシステムRaceSenceを採用しました。参加艇にVA2を取り付けることにより自動的にカウントダウンが開始、スタートラインまでの距離を自動表示、自動OCSの通知、延期などの通知をはじめ、コンパス・艇速・ヒール角度・トリム角度の表示もありレースのスムースな進行とレース艇にとっての利便性のアップが実現できました。

Vakaros Atlas2(ヴァカロス・アトラス2)によるレースマネジメントシステム。今年のJ/24世界選手権でも採用されていました
Vakaros Atlas2の端末。GPSにより位置情報を集め、スタートカウントダウン、スタートラインまでの距離、OCS、レース延期の通知などが出場艇に通知されます

 メルジェス20クラスはアマチュア(Sailor Classification グループ1)ドライブがクラスルールで規定されており、プロセーラーは舵を持つことができません。

 オーナードライブで世界水準のエキサイティングなスピード感のあるレースを堪能できます。また、シンプルな艤装とハイクアウトの制限などのユニークなルールにより、愛好者の年齢層が幅広いのも特長です。下の表は、今大会のメンバー表です。様々な年齢やバックグラウンドのセーラーが同じ土俵で戦っています。メルジェス20はレースを楽しみたいセーラーには最適のクラスです。

メルジェス全日本選手権2024メンバー表
メルジェス全日本選手権2024参加選手、運営スタッフ一同。今大会の実施にあたり、多大なるご理解とご協力をいただきました皆様に御礼申し上げます
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