【パラオ】パラオではじめてヨットレースが開催されました!
9月29日、パラオで初めての国内レース「第1回 パラオカップ」が開催されました。場所は、日本・パラオ友好の橋の袂です。パラオの独立記念日だけでなく、日本・パラオ国交30周年を祝うこの場にヨットレースを通して立ち会えたことは、とても光栄でした。(レポート・写真提供/仙田悠人)
7月初めにパラオ共和国の人事・文化・環境開発大臣の鶴の一声で急始動したこのレースは、わずか2カ月強の準備期間を経て無事に開催できました。
セーリングと伝統的なアウトリガーがパラオに与える未来、そしてその魅力を独立記念日委員会やパラオの皆さんに伝えることから始まりました。
時には交渉の中で心が折れそうなこともあり、「なぜパラオのために活動しているのか」とネガティブに思うこともありました。
けれど、兄弟や息子のように思う自慢の生徒や伝統的アウトリガーのカッコよさや勇士を伝えたいという揺るがぬ動機が幾度もぼくを震いたたせました。
レース当日に彼らが海を駆ける姿を見ると、そのすべてが報われた気がしました。ぼくの原動力も報酬も彼らの笑顔だったのです。
9月29日(日曜日)
レース当日、午前4時は無風で、少しあきらめかけましたが、奇跡のように8時半のスタート時には軽い風が吹き始め、無事にレースを開催することができました。子供たちが毎週末にゴミ拾いをしていたおかげです。「良い行いは良い風を呼ぶ」と子供たちの教訓ができた瞬間でした!笑
レース委員長は、日本パラオセーリングクラブ(以下、JPYSC)新田肇理事長に務めていただきました。ありがとうございました!
OPは微風域で初心者クラスで2レース、中級者クラスで3レースを行い、子供たちの成長がひしひしと感じられるレースとなりました。観客の方々も、驚くほど上達した子供たちをほめてくださいました。
アウトリガークラスも午前9時にスタート。途中で風が止んだかと思うと、スコールと共に風が再び現れ、アウトリガーが風を受けて躍動する姿はまさに圧巻。マストを差し替えながら、木の葉のようにタックをして滑らかに風上へ向かう姿は、自然と人が織り成す調和の美しさを感じました。
今回のパラオカップは、ただの草レースでは終わらず、次のステップへと権威付けたレースになったと思います。PSA(パラオセーリング連盟)は独立記念日開会式の野球大会や記念日全体の閉会式のために首都マルキョクでセーラーは一人ずつ名前を呼んでいただきました。
今後は博物館との連携を通じて、伝統的なアウトリガー文化をさらに広めていく予定です。このイベントを通して国内外に関係人口が広げることができたと感じています。
企画から運営までを初めて独立して任せて頂いたこのイベントがケガなく終えられたことをとてもうれしく思っています。ぼく自身のスキルアップにもつながったリッチな経験でした。
今回は特に保護者の皆さんに助けて頂いていることをより一層実感したレース運営でした。パラオ人だけのミーティングに一人で出席したり、なかなか上手くいかないところも多々ありました。一人でできることの限界と、PSAという最強の布陣で動く強さを再確認しました。
支援しに行っているというよりも、助けに行ってもらっているような感じがしている日々です。いつもありがとうございます!!
1年も経たないパラオでの活動ですが、毎日が濃密で、まるで体感では3年も滞在しているかのような感覚です。残りの任期、まだまだできることは山ほどあります。「まだはもう、もうはまだ」…その言葉を胸に、これからも全力で帆走り続けます!
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◎パラオへ贈るレーザー級(ILCA)を探しています
いま、パラオ共和国で活動するジュニアセーラーが、初のオリンピック出場へ向けて挑戦をはじめました。でも、パラオには出場を目標としているレーザー級(ILCA)がありません。もし、みなさんが、使っていないレーザー級や、関連する艤装品をお持ちであれば、それをパラオの子供たちに使ってもらえないかと考えています。艇をご提供いただける方、また眠っているレーザー級をご存知の方がいましたら、日本パラオ青少年セーリングクラブへご連絡いただけないでしょうか。(BHM編集部)
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◎連絡先
一般社団法人
日本パラオ青少年セーリングクラブ(JPYSC)
神奈川県横浜市金沢区白帆一番地
URL:https://jpysc.org/e-mail:info@jpysc.org
- バルクヘッドマガジン【連載】パラオセーリングhttps://x.gd/8JMOh
- 日本パラオ青少年セーリングクラブhttps://jpysc.org/jpysc/