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強風の熱海を制したのは〈MIWA〉。全日本ミドルボート選手権

 9月21〜23日、静岡県熱海市スパ・マリーナ熱海で「全日本ミドルボート選手権」が開催されました。相模湾で開催されるのは2019年シーボニア大会以来2回目、熱海では初めての開催です。参加25艇。マレーシアの〈Mata Hari〉(Vincent Chan オーナー)を含め盛大に開催されました。(BHM編集部)

大荒れとなった熱海全日本ミドル第1レース。陸風ながら35ノットのガストが入り、ブローチング、トラブル艇が相次ぎました

 日本のクルーザーレースが急成長した1980年代にジャパンカップ(日本外洋ヨット選手権)の開催地として知られる熱海ですが、その後、大きな選手権大会は開催されていません。その理由のひとつは水深で、沖は100メートル以上あるため、マークの設置・コース設定のむずかしさがありました。

 しかし水深問題は、昨年より日本セーリング連盟(JSAF)が導入した自走式マーク「マークセットボット」により解決。また、スパマリーナ熱海の協力により、相模湾ではむずかしいとされていた、全艇が同一マリーナに係留する大会が実現しました。

 満を持して始まった全日本ミドルですが、予想外だったのは風コンディションです。大会初日、2日目は、台風14号(のち熱帯低気圧)の影響で30ノットを超える強風となり、初日こそ風が落ち着いた瞬間を狙って1レース実施できたものの、さらに風の勢いが増した2日目は中止に。最終日は風速は14ノット前後に落ちましたが、北東から北、さらに北東へ振れる不安定な風で2レースおこなわれ、合計3レースで決着となりました。

 レースは、初日の強風コンディションでトップを取った〈MIWA〉(Sydney36CR)が、最終日の2レースを耐え抜いて総合優勝、クラスA優勝を飾りました。

「優勝できてうれしいです。チームの優勝は2013年以来、2回目になります。得意の強風でしっかり走れたのがよかった。勝因はメンバー集めとトラブルを最小限におさえられたことです」(MIWA チーム)

 近年の全日本ミドルでは珍しく、強風シリーズとなった本大会。強風の初日、そして風が振れまわる最終日によくレースできた、という印象が残ります。来年の全日本ミドルボート選手権は関西水域で予定されています。

相模湾で開催された全日本ミドルボート選手権は、日本有数の温泉観光地の熱海で開催されました
陸上本部は海から近い温泉旅館に設けられました。写真は艇長会議の様子
全日本ミドル参加艇全艇がスパ・マリーナ熱海のさん橋に係留しました
マレーシアから来日した〈Mata Hari〉チーム。マレーシアのクルーザーレース「ランカウイレガッタ」で交友のある〈Charchan〉木原オーナーが誘い、来日が実現しました
HPクラスはK36 SAMURAI とGP33の4艇の戦いに。GP33〈Century Fast GP〉が1点差で〈Papillon〉から逃げ切り勝利です
日本全国の大会で見かけるようになった自走式マークのマークセットボット。本大会ではスタートライン(2個)、上マーク、予備マークとして使用しました
総合優勝、IRC Aクラス優勝の〈MIWA〉(Sydney36CR/久保田 浩オーナー/外洋駿河湾)
HPクラス優勝〈Century Fast GP〉(GP33NM/蝦名久美オーナー/油壺ヨットクラブ)
IRC Bクラス優勝の〈ADONIS〉(First35/大野稔久オーナー/葉山マリーナヨットクラブ)
最終日最終レースには天気が回復して強い日差しのなかでおこなわれました
2度目の総合優勝を獲得したMIWAチーム
スパ・マリーナ熱海のデッキでおこなわれた表彰セレモニー。ミドルボートらしい選手同士が交流できる温かみのあるセレモニーでした
2024全日本ミドルボート選手権 最終成績

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