ヨット部監督・コーチによる「テーザーミッドサマー」参戦記
8月24、25日、静岡県浜名湖三ヶ日青年の家で「テーザーミッドサマーレガッタ」が開催され、関東、関西の遠征組を含めて15艇が参加しました。夏のハイクアウトコンディションから風待ち、軽風を満喫しました。優勝は伊藤・村岸組(江の島)です。おめでとうございます。(レポート/日本テーザー協会、写真/大谷耕一)
夏の日差しのもと、両日とも風待ちの後に風があがり、1日目は4レース、2日目は3レースを実施しました。初日は南西3mの軽風からスタート。第1レースのトップは植田・植田組(芦屋)、2位は田中・田中組(稲毛)、3位には関口・上松組(江の島)が入りました。その後の6レースは伊藤・村岸組(江の島)のオールトップでした。
今回のレポートは、初参戦で総合3位となった、村田俊彦・石川雅浩組が担当します。
◎テーザーに乗って再確認したヨットレースの楽しさ。そして家族に感謝!
私たちは、名古屋工業大学ヨット部の監督(石川)、コーチ(村田)で結成したペアです。テーザーのレースへ飛び込み参戦となりましたが、勝手に抱いていた印象(陸ではアットホームな雰囲気とレースは真剣に取り組んでいるクラス)の通りのとても素敵なクラスでした。(レポート/村田・石川組)
私たちの参戦理由は大きく2つありました。
・指導者の私たちが実際にヨットレースに参加することで、選手目線での指導ができるスキルを維持すること。
・大好きなヨットレースを家族にも理解してもらうこと。
この2つの目標を達成するため、2026年のワールドで入賞を目指して競技力の向上と、家族と楽しむ遠征をコンセプトに活動を開始しました。
まず、大会初日は、少しの風待ちを経て、オンデッキからハイクアウトコンディションで4レース行われました。第1レースは、南から風が入りオンデッキコンディションでした。
今レガッタの特長だったのが、レース海面がハーバーからとても近く、出艇後すぐにレースが行える点でした。
レース公示にも、D旗掲揚後20分でスタートする旨の記載がありましたが、みなさん普段のレースのイメージが残っているのか、帆走練習で本部船から離れてしまい、スタートに間に合わない艇が半数ほどいる中、スタートが行われました(以降の6レースは、遅れる艇もなく、テンポ良くレースが進行されました)。
私たちは、スタートに遅れることもなく、無難なスタートを決めて、1マークを3位で回航しますが、1マークから2マークに向かうアビームのレグで、テーザー特有のむずかしさを痛感しました。
普段乗っているヨットと異なり、乗艇位置でスピードが大きく変わります。また、スピードが加速したら見かけの風が前にまわるので、セールをしっかり引き込む必要がありました。前後移動や、セールトリムがマッチせず、私たちの艇はアビームレグでズルズル順位を落としていきました。
第1レースは、植田・植田組が混戦を制してトップフィニッシュしました。参考までに私たちの初日の第1マークの回航順位は、3位、5位、1位、1位です。※着順と比較すると最大9位、アビームレグで順位を落としています。
他艇種からテーザーに参戦するセーラーのまず第一の壁は、アビームでの走らせ方ではないかと感じました。
2レース目以降は、風が徐々に上がってきて、3レース目、4レース目には、フルハイクコンディションで、初日の計4レースを終えました。2レース目から4レース目までの3レースは今レガッタの優勝の伊藤・村岸組がオールトップを快走しました。
ここからが、テーザークラスの素敵なところです。着艇後、面識のなかった選手が私たちに声を掛けてくれ、悩みを聞いてくれて、真摯にアドバイスを送ってくださいました。セッティングや乗り方など、たくさんのことを教えてもらい、翌日に備えることができました。
2日目は初日より、風の吹き出しが遅く、11時ごろから計3レース実施されました。初日同様に風待ちの間は、様々なメンバーからたくさんのアドバイスを頂き、レースに備え、家族は、釣り等で、湖畔を楽しんでもらいながらレースまでの時間を過ごしました。
レースは、南風がしっかり入ってからのスタートとなり、3レースを通してハイクアウトコンディションでレースを楽しむことができました。
私たちは、みなさんに教えて頂いたことをトライアンドエラーで繰り返し、結果的に、第1マークの順位と着順ともに2位、2位、3位でまとめることができました。
この日も、初日トップの伊藤・村岸組がオールトップの快走を見せ、カットレースを除く全てのレースを1位でまとめて優勝しました。
最終成績は、総合優勝(兼M優勝)の伊藤・村岸組、初日からスコアをまとめたベテラン田中・田中組の準優勝(兼GM優勝)、皆さまのお力を借りながらキャッチアップした村田・石川組の3位入賞、SGM優勝は戸室・山本組(江の島)で幕を閉じました。
上記のレポートのとおり、皆さまのおかげで大変楽しい大人の夏休みを過ごさせて頂きました。スムースなレース運営をしてくださった運営の皆さま、温かく迎え入れてくれたテーザー乗りの皆さま、遠征に帯同して快く送り出してくれた家族に大変感謝しています。
テーザーはとても魅力的なクラスなので、ぜひいろいろなセーラーが参加する機会があればと感じました。
参戦を希望される選手の方は、協会ホームページもしくは、リザルトのテーザー乗りの皆さんにご連絡してみてください。あたたかく迎え入れてもらえるはずです!
次回は、福島県猪苗代湖でテーザーオータムレガッタ(JTA公式レース第5戦)が9月21、22日に開催されます。2026年のテーザーワールドが沖縄に決定し、ますますの盛り上がりが期待されます。
さらには、2027年関西マスターズゲームのセーリング競技でもテーザーが採用されています。みなさん、ぜひテーザーレースへの参加をお待ちしています。
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