関東の医療系学生が集結!関東医科歯科学生ヨットレース2024
8月7、8日、「第52回関東医科歯科学生ヨットレース」(通称:医科歯科大会)本戦が江の島ヨットハーバーで開催されました。この大会は、8月2〜4日に行われた第67回東日本医科学生総合体育大会ヨット競技(通称:東医体)に続いて行われますが、大学ごとの出艇数制限がないことや、医学科以外の医療系学生も参加できるという点で東医体とは異なります。初めてレースに参加する学生や、このレースで引退する学生もいて、医療系学生による夏の暑さにも負けない熱い戦いが繰り広げられました。(レポート/佐藤理紀 大会実行委員長、写真/羽田 誠)
大会両日とも風がない予報でしたが、予報が外れ、軽風のコンディションの中で予定された最大レース数の6レースを行うことができました。
第1レースでは、序盤から激しい首位争いが展開されました。筑波大学の齊藤・國井組、日本医科大学の下村・中島組、島田・山崎組、東北大学の青木・皆川組の4艇が競り合いましたが、筑波大学の齊藤・國井組がランニングで圧倒的な速さを見せ、トップホーンを鳴らしました。
熾烈な2位争いを制したのは、日本医科大学の下村・中島組。団体戦でも、東医体で優勝した日本医科大学が首位に立ちました。団体戦2位には3位と5位でフィニッシュした東北大学が続き、3位の筑波大学が追いかける展開となりました。
続く第2レースでは、東医体個人戦で優勝した日本医科大学の島田・小向ペアがその実力を発揮しました。スタートからリードを保ち、首位で上マークを回航。その後も筑波大学の齊藤・國井組が食らいつきましたが、一歩及ばず、日本医科大学の島田・小向ペアが1位でフィニッシュしました。
団体戦では筑波大学と千葉大学が東北大学を抜き、2位・3位に浮上しましたが、依然として日本医科大学が首位を維持しています。
第3レースでは、これまでと異なる展開となりました。一上から好調だったのは、慶應義塾大学の渡辺・徳江組です。そのまま首位を維持しましたが、残念ながらスタートが決まっておらずBFDとなってしました。
このレースでは他にも2艇がBFDとなる波乱の展開でした。そんな中で日本医科大学の島田・佐藤組と筑波大学の齊藤・國井組が首位争いを繰り広げるかと思われましたが、2上で横浜市立大学の野一色・鈴木組が追い上げ、2位に浮上。
このレースを制したのは筑波大学の齊藤・國井組で、横浜市立大学の野一色・鈴木組が2位でフィニッシュしました。団体戦では大きな順位変動はなく、1位は日本医科大学、2位は筑波大学のまま、初日の最終レースを迎えました。
この日最終レースとなった第4レースでは、慶應義塾大学が好調な走りを見せました。1上では渡辺・徳江組がトップ、阿部・高橋組が3位で回航しました。
慶應義塾大学がそのまま守り切るかと思われましたが、2下で日本医科大学の島田・佐藤組が追い上げ、首位でフィニッシュを果たしました。2位には慶應義塾大学の渡辺・徳江組が入りました。
第3レースでBFDとなりながらも首位を維持した実力を発揮しました。団体戦では日本医科大学が依然首位を維持していますが、2位と4位でフィニッシュした慶應義塾大学が2位に浮上しました。
◎チーム力の勝利。東医体に続き日本医科大が好レースを繰り広げる
2日目は朝から風が弱くAPが掲揚され、選手たちは陸上で待機となりました。最終予告時刻の14時が迫る中、なんとか12時30分に風が上がり、レースを行うことができました。医科歯科大会では5レース以上行うとカットレースが適応されるため、ここから大きな順位変動が予想されました。
第5レースは時間の関係で、ショートコースでの実施となりました。前日も好調だった慶應義塾大学の渡辺・徳江組が1上を1位で回航し、安定した走りを見せました。その後ろを日本医科大学の島田・小向組が追いかける展開となります。
さらに、1上を3位で回航した筑波大学の櫻井・伊藤組が加わり、この3艇による激しい首位争いが2下まで続きました。このレースを制したのは日本医科大学の島田・小向組、続く2位は筑波大学の櫻井・伊藤組となりました。
ここでカットレースが適応され、順位に変動が見られました。団体戦1位は依然として日本医科大学で、その後に筑波大学、慶應義塾大学が続きます。団体戦2位と3位の差はわずか3ポイントとなり、緊迫した状況で最終レースに突入します。
第6レースは、時間との戦いとなりました。最終予告時刻の14時ちょうどに予告信号が発せられ、選手たちは一丸となってレースに臨み、UFDなどもなく最終レースがスタートしました。
このレースも、これまでとは異なる展開が繰り広げられました。混戦の中、1上を1位で回航したのは日本医科大学の土屋・川村組。続く2位は日本医科大学の島田・山崎組と、このレースでも日本医科大学がレースの主導権を握りました。3位回航は東北大学の青木・皆川組。その後も順位が入れ替わりがあり、波乱の展開は2下まで続きました。
最終的に安定した走りを見せたのは、日本医科大学の土屋・川村組で、そのままトップホーンを鳴らします。2下のランニングで追い上げた東北大学の青木・皆川組が2位でフィニッシュしました。
最終6レースをもって、今年度の医科歯科大会は終了しました。団体優勝は日本医科大学。団体戦では上位2艇の合計点が競われますが、1レースがカットされたとしても日本医科大学は25ポイントという圧倒的な強さを見せました。
東医体でも個人優勝した島田・山崎・小向・佐藤組は3回のトップフィニッシュを果たし、どのレースにおいても安定した走りを見せました。
島田・山崎・小向・佐藤組がトップでないときも、下村・中川・中島・金子組、土屋・川村・玄・齊藤組がしっかりとカバーし、個人の力だけでなく、チーム全体の強さがこの結果につながったのでしょうか。
個人優勝は、日本医科大学の島田・山崎・小向・佐藤組。カットレースを行っても11ポイントと、誰が見ても納得する強さを示しました。島田選手はまだ三年生ながら、東医体、医科歯科大会ともに個人優勝を果たしており、今後のさらなる活躍が期待されます。
医科歯科大会はかつて新人戦の意味合いが強かったものの、医学科以外の選手が東医体に代わって出場するケースや、東医体で上位に入った低学年の選手がさらにその実力を発揮する場として、年々その性格が変化しています。
この大会で引退という選手もいますが、多くの選手が次年度の東医体に向けて力を磨きます。このような環境の中で切磋琢磨し、次年度の東医体でより素晴らしいレースが見られることを期待しています。
私たちも選手たちの想いに応えるべく、全力でレース運営を行います。現在の医学部ヨット競技には、お互いを高め合う雰囲気があり、今後もこの流れが続き、全体のレベル向上につながることを切に願っています。