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上位2艇安定、3位以下混戦に。470全日本選手権3日目

 8月23日、神奈川県藤沢市江の島ヨットハーバーで開催されている「ピアソンマリン 全日本470級ヨット選手権大会」。大会3日目は、強い日差しと青空が戻り、安定した海風が吹く暑い1日になりました。(レポート/高宮豪太 バルクヘッドマガジン)

余裕のトップマーク回航を見せる岡田奎樹/吉岡美帆。プレーニングコンディションでは、アップウインド・ダウンウインド共にフリートに対し驚くようなスピード差をみせます

 決勝シリーズ初日となる大会3日目は、南西の風12〜15ノットほどのコンディションで3レース行いました。合計9レースを終えて首位をキープしているのは、本日の3レースを1-3-1位とまとめた岡田奎樹/吉岡美帆(トヨタ自動車東日本/ベネッセホールディングス)です。

 決勝シリーズに入りフリートのレベルが上がっても、一段上のボートスピードでライバルチームを寄せ付けない走りをみせています。

 第8レースにはスタートホーンの瞬間、スタートラインピンエンド側でインシデントを起こし、スタートを失敗します。大幅に遅れますが、レース中盤あたりには上位に順位を上げてくる圧倒的なレース展開をみせました。

 総合2位は吉田 愛/吉田雄悟(ピアソンマリンジャパン)。総合3位には池田海人/伊藤綾香(日本大学/立教大学)が順位を上げてきました。

 吉田/吉田は、今大会を日本に戻ってきたオリンピック選考艇で参加しています。若手セーラーからすれば、海上でのセーリングだけでなく、艇の装備を見せてもらうことにも大きな価値があるはずです。今大会もコンディションによらず、安定したパフォーマンスでベテランらしい走りをみせています。

 決勝シリーズに入りトップの岡田/吉岡はリードを広げましたが、メダルレース出場のかかるチームは近い得点差で戦っています。

 明日24日(大会4日目)は、引き続き上位・下位に分かれて競い合う決勝シリーズとなります。メダル争いだけでなく、最終日のメダルレース出場を目指す選手には重要な1日になります。

岡田奎樹コメント
「2レース目のスタートはエンド側を狙いすぎた結果、失敗してしまいました。ただ、レースの展開としては(逆転できて)面白かったと思います。2位とは点差が広がりませんでしたが、明日も良いレースをしていきたいです」

吉岡美帆コメント
「少し疲れも出てきていますが、レースを楽しみながらセーリングできています。2レース目は失敗もありましたが、順位を大きく落とさないレースができました。良いパフォーマンスを維持できていると思うので、同じようなコンディション予報の明日もがんばります」

吉田雄悟コメント
「五輪代表選考から比べるとピークから落ちている部分があり(当時の自分との)差を感じます。ただ、今持てる実力は出し切るレースができているので満足しています。チャンスがあれば、上位との点差を縮めたいです」

◎2024全日本470選手権 参加91艇 9R終了時 上位成績
1 岡田 奎樹/吉岡 美帆(トヨタ自動車東日本/ベネッセホールディングス)10p
2 吉田 愛/吉田 雄悟(ピアソンマリンジャパン)14p
3 池田 海人/伊藤 綾香(日本大/立教大)37p
4 小泉 凱皇/松尾 虎太郎(鳥取県セーリング連盟/テレビ新広島)38p
5 外薗 潤平/磯崎 哲也(才全会)40p
6 安永 昂生/松山 大祐(早稲田大)42p
7 大石 駿水/福田 桃奈(滋賀県セーリング連盟)45p
8 田仲 恵都/今村 公彦(日本経済大/鹿児島県セーリング連盟)48p
9 石川 和歩/田中丸 武 55p
10 本多 佑基/狩野 弁慶(平成医会)63p

決勝シリーズが始まった大会3日目。連日安定した海風が吹き、コンスタントにレースできています。470全日本は2年連続で江の島で開催されます
吉田愛/吉田雄悟は共に全日本選手権優勝、五輪出場を経験しているレジェンドチームです。第一線での活躍を間近で見られることは、若手選手にすればこの上ない機会。学生選手はレースの話題をきっかけに声をかけてみると良い話が聞けるかもしれません
総合6位につける安永昂生/松山大祐(早稲田大学)。部として全日本インカレ5連覇を目指す早稲田大学。今大会は来月初旬の全日本学生ヨット個人選手権に向け、チームで課題を持ってレースに臨んでいるとのこと
出艇前にトップ3が着用するビブスを渡す、ビブスセレモニーが行われます。470クラスでは世界選手権でも必ず行われる重要なイベントです
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