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【パリ五輪】20年ぶりの表彰台へ。岡田/吉岡が銀メダルを獲得

 8月8日、パリ五輪では470級のメダルレースがおこなわれ、岡田奎樹/吉岡美帆が銀メダルを獲得しました。日本のメダル獲得は2004年アテネ五輪(関一人/轟 賢二郎)以来20年ぶり、銀メダルは1996年アトランタ五輪(重 由美子/木下アリーシア)以来28年ぶりの獲得です。(BHM編集部)

パリ五輪470最終日。岡田/吉岡はメダルレースで逆転銀メダルを獲得。日本が20年ぶりにオリンピックの表彰台へあがりました

 日本セーリングの歴史が大きく変わった瞬間でした。岡田/吉岡はフィニッシュラインを切ると後方を一瞬見て、大きくガッツポーズ。そして天を仰ぎ、マルセイユ沖に岡田の雄叫びが響き渡りました。

 上位のスペインと4点差、トップのオーストリアと11点差で迎えた決勝メダルレース。スタート前、戦いの口火を切ったのはスペインでした。スペインはオーストリアとシグナルボート(本部船)のまわりでマッチしはじめ、スペインがオーストリアを抑える形でスタートしました。

 一方、日本は風下スタートから邪魔のいない位置で左海面を伸ばします。1上マークを2位で回航した日本は、後方で争うオーストリア、スペインをよそに、総合順位でトップに立ちました。

 この流れは日本にとって好都合な展開でした。しかし、日本の先行に気がついたオーストリアはじわじわ順位をあげてくることに成功。2上マークを6位、2下マークを7位で回航したオーストリアは1位に返り咲き金メダル。3位でフィニッシュした日本はスペインを逆転して銀メダルを獲得しました。

 メダルレースでキーになったのは序盤に攻撃を仕掛けたスペインでした。スペインは1上マーク9位から浮上できず9位でフィニッシュ。4位だったスウェーデンに銅メダルをも奪われる結果になってしまいました。

 スペインはパリ五輪の本命でした。東京五輪後におこなわれた3回の世界選手権で、2位、2位、1位を取ったスペインがメダルを逃すと誰が予想できたでしょうか。オリンピックという特別な舞台の恐ろしさを感じずにはいられません。

 岡田奎樹/吉岡美帆は、彼らにできる最大限の力を発揮できたと思います。思い切りの良いスタート。シフトをつかんでトップグループで上マークを回航。オーストリア、スウェーデンを意識しながらのレース展開。これ以上のない日本らしい戦い方を見せてくれました。

 岡田選手、吉岡選手、銀メダル獲得おめでとうございます。ふたりの活躍が日本のセーリングを活気づけ、ひとつ上の舞台へあげてくれることを願ってやみません。特に若い世代のセーラーは大いに刺激を受けたことでしょう。そして心からありがとう!

岡田奎樹コメント
「きょうはちょっとつかれました。メダルレースは自分のしたいレースをする、風をちゃんと見極めてレースをすることを考えていました。これまでオリンピックで8レースして、自分が選んだコースは確実に当たっているので自分を信じて走りました。
 レース途中で金メダルの可能性があることも分かっていました。でもオーストリアは上げてくるだろうと思っていたので、それは仕方ない。スペインは9位だったのでスウェーデンを意識していました。少し惜しかったなぁということはあるけれど、それでもメダルを取れないより全然うれしいし、やっぱり取れたことに満足しています。
 (吉岡選手には)すごくハードで難しいことを要求してきたと思います。3年間こつこつと時間をかけてやってきたことは簡単ではないし、すばらしいと思います。吉岡さんのように身長が高くて、気合いがある選手とはそう簡単に巡りあえません。4年に一度しかないオリンピックで(巡りあわせの)チャンスを逃さずメダルを取れたのはすごいことだなと思います」

吉岡美帆コメント
「メダルを取った実感はなかったんですが、応援してくれる人に会ってうれしくなってきました。3回目でのオリンピックで絶対に結果を出したいと思っていて全力を尽くしてがんばりました。狙っていた金は取れなかったけれど、実力は十分に出せて、実力通りの成績は出せたと思います。
 フランスをはじめヨーロッパを見ると、セーリングの人気はすごいなと思います。私たちが銀メダルを取ったことで、セーリングの素晴らしさをもっともっと知ってもらえたらいいなと思います。
(岡田選手に対して)男子ペアから男女ペアの新種目になったことで、もっとこうしたい、もっとアグレッシブにいきたいというもどかしさがあったと思う。私は特別ヨットのセンスがあったわけではありません。私を引っ張って、信じ続けてくれて、ありがとうと言いたいです」 

◎パリ五輪成績
470 参加19艇 最終成績
1 AUT Lara Vadlau / Lukas Maehr
2 岡田奎樹/吉岡美帆
3 SWE Anton Dahlberg / Lovisa Karlsson

ナクラ17 参加19艇 最終成績
1 ITA Ruggero Tita / Caterina Banti
2 ARG Mateo Majdalani / Eugenia Bosco
3 NZL Micah Wilkinson / Erica Dawson
17 飯束潮吹/西田カピーリア桜良

49erFX 参加20艇 最終成績
1 NED Odile Van Aanholt / Annette Duetz
2 SWE Vilma Bobeck / Rebecca Netzler
3 FRA Sarah Steyaert / Charline Picon
17 田中美紗樹/永松瀬羅

iQFOiL男子 参加24艇 最終成績
1 ISR Tom Reuveny
2 AUS Grae Morris
3 NED Luuc van Opzeeland
18 富澤 慎

iQFOiL女子 参加24艇 最終成績
1 ITA Marta Maggetti
2 ISR Sharon Kantor
3 GBR Emma Wilson

49er 参加20艇 最終成績
1 ESP Diego Botin le Chever / Florian Trittel Paul
2 NZL Isaac McHardie / William McKenzie
3 USA Ian Barrows / Hans Henken

ILCA7 参加43艇 最終成績
1 AUS Matt Wearn
2 CYP Pavlos Kontides
3 PER Stefano Peschiera

ILCA6 参加43艇 最終成績
1 NED Marit Bouwmeester
2 DEN Anne-Marie Rindom
3 NOR Line Flem Hoest

Formula kite女子 参加20艇 最終成績
1 GBR Eleanor Aldridge
2 FRA Lauriane Nolot
3 NED Annelous Lammerts

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