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【コラム】プリンセスソフィア杯と勝者を讃えるためのセレモニー

 みなさん、こんにちは。バルクヘッドマガジン編集長です。ヨットレースシーズンがはじまり、のろのろしていた編集長はじわじわペースアップしています。今年はなんだか調子が良いようで、先日の蒲郡〜スペイン〜蒲郡の弾丸ツアーも、ちょっとしたトラブルはあったけれど、時差ぼけゼロでスッキリ快適。蒲郡の手ごわい花粉症も乗り越えました。来週から始まるスペイン〜葉山〜フランスもがんばれそうな気がします。次は飛行機に乗り遅れないようにしないと。。。←ちょっとしたトラブル(BHM編集部)

プリンセスソフィア杯は10年以上、バルクヘッドマガジンが取材を続けているヨーロッパ最大規模のセーリングイベントです。いまではスーパースターになったトム・スリングスビー、ピーター・バーリング(写真左1)、ブレア・チューク(写真2)、ネイサン・アウタリッジ、ベン・エインズリー、ジェイルズ・スコット(写真前列右4)、、、アメリカズカップの主役のほとんどが出場したのを覚えています。写真は2015年大会のセレモニーで中央がソフィア王妃です

 来週はスペイン・マヨルカ島パルマで開催される「プリンセスソフィア杯」を取材します。読者のみなさんは、この大会がパリ五輪に出場する470日本代表を決める最終選考であることをよくご存知のことと思います。また、この大会にはラストチャンスレガッタ(パリ五輪国枠/日本代表・最終選考)を控えた多くの日本選手が出場します。大会のレポートはバルクヘッドマガジンでお伝えするほか、小ネタ・裏ネタは、引き続きXとInstagramで紹介します。

 プリンセスソフィア杯はその名の通り、セーリング王室で知られるスペインのソフィア王妃が由来になっています。実際に表彰式に王妃が来場されることもあり、編集長も2回ほど王妃がプレゼンターをつとめるセレモニーを取材したことがあります。このセレモニーがすばらしいのです。

 ヨットレースのセレモニーは国によって特長があります。基本的に欧米の国際大会は、開会式に時間とお金をかけることが多く(国旗を持って行進する、はよくあるシーンですね)、表彰式はあっさりしている印象です。日本とフランスはスピーチが長いのが特長で、偉い方のスピーチ時間が長くて、立たされている選手が貧血で倒れてしまうのは日本だけです。

 プリンセスソフィア杯のセレモニーはおごそかでシンプル。伝統とスポンサーを大切にしながら、選手へのリスペクトを忘れないセレモニーの本質が盛り込まれています。

 プリンセスソフィア杯の表彰セレモニーでスピーチはありません。ソフィア王妃ですらスピーチしません。王妃がスピーチしないのですから他の来賓が話し出すこともありません。さらに日本独特のスピーチ「ジュリーの講評」もありません。

 壇上にまねかれた選手は、王妃からひとことふたこと声をかけられる。その流れが入賞者全員、淡々と進んでいき、最後はMVP選手が発表され(このトロフィーがプリンセスソフィア杯です)、優勝選手全員で記念撮影をおこないセレモニーは終了します。プリンセスソフィア杯の表彰セレモニーに出席するたびに「こういう表彰式っていいな」と感じています。

 日本で同じようなことができるかというと事情が違うのでむずかしい部分はありますが、はぶける無駄は省いて良いと思います。表彰セレモニーはあっさり、と。いちばん大切なことは入賞した選手を讃えることです。プリンセスソフィア杯の表彰セレモニーを取材して感じることで、きっと今年も同じことを思うので書いておきます。

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