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日本4チームが五輪代表を掛けて戦う。470世界選手権開幕直前

 2月24〜3月3日までスペイン・マヨルカ島パルマ・デ・マヨルカで「2024年470世界選手権」が開催されます。この大会はパリ五輪前、最後となる世界選手権で五輪本番のメダルを占う重要なレガッタです。また、日本は五輪代表選考の第一次選考(国内選考)を兼ねています。エントリー63艇。日本から4チームが出場します。(BHM編集部)

スペイン・マヨルカ島ではじまる470世界選手権。パリ五輪日本代表第一次選考にもなっていてます。日本チームはすでに現地で事前練習と最終調整に入っています

◎470ワールド出場日本チーム(エントリーリスト順)
磯崎哲也/関友里恵(ヤマハ発動機)
高山大智/盛田冬華(ヤマハ発動機)
吉田 愛/吉田雄悟(Q’Sfix/ピアソンマリンジャパン)
岡田奎樹/吉岡美帆(トヨタ自動車東日本/ベネッセホールディングス)

 2023年の世界選手権で、日本が金メダル、銅メダルを獲得する大進撃を見せたことはみなさんの記憶にあたらしいことでしょう。岡田奎樹/吉岡美帆はメダルレース前に金メダルを決める横綱相撲を見せ、磯崎哲也/関友里恵はメダルレースで逆転銅メダルを獲得するドラマをみせました。

 今回の世界選手権では日本のメダル獲得、そして代表選考のポイントが注目されます。ここで日本代表選考のポイント方式について復習します。470級の代表選考も他種目と考え方は同じです。日本セーリング連盟により指定された第一次選考、第二次選考の合計ポイント(低得点)で競われます。※指定される選考大会は種目により異なります。


【470級日本代表選考】
第一次選考(2/24〜3/3)
スペイン470世界選手権https://2024worlds.470.org/

第二次選考(3/29〜4/6)
プリンセスソフィア杯https://www.trofeoprincesasofia.org/

◎選考会における得点計算方法
 各選考会の総合成績にボーナスポイントを調整したものを各選手の得点とする。複数の大会が選考会に指定される場合、各大会の総合成績の足し上げとボーナスポイントを調整したものを最終得点とし、最も点数の低い者を日本代表とする。最終得点が同点となった場合は、本大会に日程が最も近い大会において上位の選手を代表とする。
◎ボーナスポイント
 総合成績が1位、2位、3位となった場合、それぞれ総合成績から8点、7点、6点のマイナス調整を行う。
※日本セーリング連盟発表・代表選考についてより抜粋。詳細は欄外リンク参照

2023年8月オランダ・ハーグで開催された「セーリング・ワールド・チャンピオンシップ」(セーリング世界選手権)で金・銅メダルを獲得した日本470(写真左から関友里恵、吉岡美帆、岡田奎樹、磯崎哲也)

◎バルクヘッドマガジンが注目するボーナス得点とボートの仕上がり

 バルクヘッドマガジン編集部が注目しているのは、世界選手権の行方はもちろん、日本チームの戦いです。世界の頂点を極めた日本470は当然ながらハイレベルな戦いとなるでしょう。成績による得点に加えて、メダル獲得時に得られるボーナス得点が選考の鍵となることは言うまでもありません。

 二次選考に指定されているプリンセスソフィア杯は、日本チームが多くの結果を残したバツグンに相性の良い大会です。2023年には岡田/吉岡、東京五輪前の2018年には吉田 愛/吉岡美帆、2017年は磯崎哲也/高柳 彬が優勝しました。

 もうひとつ注目しているのは、各チームが用意しているボート(新艇)の仕上がり具合です。昨年、金メダルを獲得した岡田/吉岡はレース前の計測最終日ギリギリまで新艇(まったく水に浸かっていない完全未使用艇)と、乗り慣れたボートのどちらかを使用するかで悩み、新艇でワールドに挑んで結果を出したという経緯があります。

 本大会でも各チームは新艇、もしくは最高の状態のボートを選んで出場してくるでしょう。軽風域までのコンディションでは、ボート性能で前に出てくる場面は少なくありません。世界選手権ではボートの仕上がり具合も注目ポイントといえます。

開催地はマヨルカ島パルマの市街地から車で1時間ほど離れたアレナル・ヨットクラブです(写真)

※2024年2月時点でパリ五輪の出場国権利を獲得しているのは男女ミックス2人乗り470だけです。そのほかの種目は4月18日からフランス・イエールで始まる「ラストチャンスレガッタ」(470以外の第二次選考に指定)の上位に入り、出場国権利を獲得しなければなりません。ラストチャンスレガッタで権利を獲得できなかった場合、該当クラスはオリンピックに出場できません。

◎2024パリ五輪種目
開催地:フランス・マルセイユ
大会期間:7月28〜8月9日
種目:
男子1人乗りディンギー/ILCA 7 (41カ国)
女子1人乗りディンギー/ILCA 6 (41カ国)
男女ミックス2人乗りディンギー/470 (19カ国)
男子スキフ/49er (20カ国)
女子スキフ/49erFX (20カ国)
男子カイトボード/フィーミュラカイト (20カ国)
女子カイトボード/フィーミュラカイト (20カ国)
男子ウインドサーフィン/iQFOiL (24カ国)
女子ウインドサーフィン/iQFOiL (24カ国)
男女ミックスマルチハル/ナクラ17 (19カ国)

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