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中国の戦略的かつ圧倒的な力技に完敗。アジアセーリング5日目

 12月18日、タイ・パタヤ「アジアセーリングチャンピオンシップ」5日目。フリートレース最終日となる大会5日目は、前日にレースできなかったクラスを優先してスタート時刻を早めておこなわれました。(BHM編集部)

タイで開催されているアジアセーリングチャンピオンシップ5日目。ナクラ17のスタートで見える国旗は中国ばかり

 最終日メダルレースを前に驚くべきことがおこっています。49er、49erFXは中国が2位に20点以上差をつけて優勝を確実に。さらに470、ILCA6、ナクラ17では中国同志の優勝争いとなり、6種目中5種目で中国が優勝=パリ五輪出場国枠を獲得しようかという勢いです。

 この背景には同国による49er、49erFX、ナクラ17の急成長があります。もともと中国はアジアで唯一セーリング競技で金メダルを獲得した強国で、これまでウインドサーフィン女子とシングルハンド女子で五輪の頂点をつかんでいます。

 中国はすでに今年8月の「セーリング・ワールド・チャンピオンシップ」でiQFOiL男女、フォーミュラカイト男女の4種目でパリ五輪の出場権利を獲得しているので、中国はILCA7以外の全種目で出場権利を獲得することになりそうです。

 編集部がさまざまな話を集めたところ、49er級は中国国内だけで4、50艇が活動していると言われています。また、本大会ナクラ17で参加12艇に対して中国艇が9艇いることから分かるように中国の戦略的かつ圧倒的な“力技” にアジア諸国は手も足も出ないという状況になっています。

 明日19日最終日はメダルレースがおこなわれ、49erFXの田中美紗樹/永松瀬羅が2位、山崎アンナ/高野芹奈が4位、松苗幸希/畑山絵里が8位、ILCA7の瀬川和正が6位、鈴木義弘が9位で出場します。

 パリ五輪出場国枠の掛かる優勝には及びませんが、1つでも順位をあげ、来年度の世界選手権、そして最終ラストチャンスレガッタ(4月フランスで開催される五輪出場国枠最終選考大会)へつながる戦いを期待したいと思います。

備考※ILCA6、7はパリ五輪国枠選考方法が他種目と異なります。本大会の結果でILCA6、7の上位2カ国までに権利が与えられますが、来年1月の世界選手権が優先度の高い選考大会になるため、もし世界選手権でアジア国が権利を獲得した場合、順位が繰り下がる可能性があることを付け加えておきます。

Wakako Racingによるレース5日目 ハイライト映像

◎アジアセーリングチャンピオンシップ 大会5日目成績
ILCA7 参加46艇 9R終了時
1 HKG Nicholas Halliday 22.0p
2 THA Arthit Mikhail Romanyk 27.0p
3 MAS Khairulnizam Mohd Afendy 36.0p
6 瀬川和正 48.0p
9 鈴木義弘 83.0p
17 黒田浩渡
33 竹内修祐

ILCA6 参加33艇 9R終了時
1 CHN Min Gu 24.0p
2 CHN Dongshuang Zhang 40.0p
3 THA Sophia Montgomery 42.0p
12 冨部柚三子
20 三浦帆香
21 山本佑莉
27 柿元麻衣

49er 参加21艇 12R終了時
1 CHN Zaiding Wen / Tian Liu 35.0p
2 IND Prince Noble / Manu Francis 57.0p
3 CHN Mingliang Ding 58.0p
11 古谷信玄/高柳 彬

49erFX 参加8艇 12R終了時
1 CHN Xiaoyu Hu / Mengyuan Shan 23.0p
2 田中美紗樹/永松瀬羅 38.0p
3 SIN Kimberly Lim / Cecilia Low 39.0p
4 山崎アンナ/高野芹奈 41.0p
8 松苗幸希/畑山絵里 66.0p

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