後藤浩紀、10回目の優勝を飾る! 葉山モス全日本選手権2023
11月23日から26日、葉山港を舞台に「JSAF sailing series presented by ENEOS 第56回全日本モスクラス選手権(全日本モス)」を開催。最大25ノットの北風、フラットウォーターの中、合計7レースを実施し、後藤浩紀が通算10回目の優勝を飾った。(レポート/行則啓太 日本モスクラス協会会長)
例年、全日本モスは浜名湖で固定開催されていたが、日本で最もモス人口の多い葉山の海で今年は開催されることとなった。開催にあたっては、林 俊彦レース委員長をはじめ、多くの方にご協力いただいたこと感謝申し上げます。
大会は、初日の23日にトライアルレースと開会式、24日からレースを実施する計画で準備されていた。初日の23日は午後から南西風が吹き上がってくる予報。スタート時間を早めて出艇させたが、スタート予定時刻の13時頃に風速が20ノットを越え始め、波も高くなったためにトライアルレースは延期された。この日、高い波に叩きつけられて体を痛める選手や強い風で船を壊してしまう選手がいるなど大波乱の幕開けとなった。
続く24日は、最大30ノットの南西風と高い波のためにレースはキャンセルされた。この日は選手皆で会議室に集まり、今後のレース日程やクラスルールについて話し合うAGM(年次総会)が行われた。会員数が少ないモスクラスは、皆でワイワイ話しながら意見交換し、自分達で協会を盛り上げるとても素敵なクラスだ。
25日、昨日までの南西風は吹き止み、朝から25ノットの北東風、平水面で極上のフォイリングコンディションとなった。注目は、大会直前に新艇を進水させた後藤浩紀と、今までの船よりグレードアップした中古艇を購入した岡田奎樹だ。
1、2レース目でお互いに1位と2位を1つずつ取り同点。第3レースは、風速が弱くなったためにフォイルを交換しにハーバーに帰った後藤が、スタートに間に合わずあえなくDNSに。この日は風速がさらに低下し、4レース目をスタートさせるもレースはキャンセルされた。
最終日の26日、朝からの雨で霧がかかっていたため2時間ほど陸上待機したのち、12ノットから18ノット程の北東の風で4レースを実施した。
この日は、前日の3レースを艇体トラブルでリタイアした私(行則啓太)と後藤が1位と2位を争うデッドヒートとなった。アップウインドは約18ノット、ダウンウィンドは20ノット以上の速度を出して、0.8nmのコースを15分以内に2周し、フィニッシュはわずか数秒差。
ここまでスリリングなディンギーレースはモスでしか味わえないだろう。最終的には、スコアをまとめた後藤が通算10回目の優勝を飾った。
日本モスクラス協会は、今年のレース成績上位10名を厳選し、12月15日から17日に「第2回名護カップ」を沖縄県名護市で開催する。今年も美しい名護湾で最先端のモスが飛び回るレースを楽しみにしていてください。
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