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DMG MORI セーリングアカデミー、ロール・ギャレーが大西洋横断を達成!

 9月にフランスをスタートした大西洋横断ヨットレース「ミニトランザット」が、約2カ月を経て最終局面を迎えました。現地時間11月13日、DMG MORI セーリングアカデミーの研修生、ロール・ギャレーがカリブ海グアドループ島へフィニッシュ。合計4050マイルを走り切り、ついに大西洋横断を達成しました。(BHM編集部)

DMG MORI セーリングアカデミーのロール・ギャレーが大西洋横断を達成。第1レグでは4位でフィニッシュ。好成績から表彰台も狙えましたが、第2レグでバウスプリットのトラブルなどがあり20/29艇中となりました

 第2レグの前半でバウスプリットにトラブルを抱えたロールは、ダウンウインドのスピードがあがらず苦しい展開を強いられました。トップフィニッシュしたFederico Waksman(ウルグアイ)から遅れること3日。ロールがフィニッシュした時の風は12ノット前後、カリブ海に輝く星空の下、笑顔でフィニッシュラインを切りました。

「フィニッシュした時はとても良い気分でした。でも第2レグは厳しかった。バウスプリットが壊れ、それほど風が強くない時にスピネーカーを破いてしまった。このセールが使えなくなったのは痛手でした。それでも、フィニッシュできたことにとても満足しています。ミニトランザットはファンタスティックで素晴らしい経験になりました」(ロール・ギャレー)

 ハーバーにロールが着艇すると、夜にもかかわらず多くの仲間が駆けつけてきました。大西洋横断ミニトランザットをともに戦った仲間たちが祝福してくれます。困難をともに乗り越えた選手だけが分かり合えるつながりがあるのでしょう。

 バルクヘッドマガジンがミニトランザットをスタートからフィニッシュまで取材して、この大会は「青春群像」だと感じました。ヨットレースの勝ち負けでは語れない(いや、勝ち負けはそれほど重要ではないのかもしれません)、大きな壁を乗り越えたという達成感。そして活動の背景には準備のため2年以上を一緒に過ごした仲間との一体感があります。

 2年に一度開催されるミニトランザットは、欧州では外洋ヨットレースの登竜門として知られる人気のヨットレースです。日本人はこれまで2名が完走。1999年に岩名地 正さん、2019年に鈴木晶友さんが完走したことで、日本でも多くの方がこの大会を知るようになりました。

 また、2022年からミニトランザットの活動が始動したDMG MORI セーリングアカデミーでは、三瓶笙暉古、ロール・ギャレーの2名が挑戦しました(三瓶選手は第1レグの途中、ディスマストのアクシデントでリタイアしました)。

 外洋シングルハンドヨットレースは、日本ではなじみの薄いものです。挑戦や冒険といったセーリングの本質的な魅力は、まだまだ伝わっていないのかもしれません。これからDMG MORI セーリングアカデミーをはじめ、ミニトランザットに興味を示した次世代のセーラーが登場してくるでしょう。2025年に開催されるミニトランザットでも日本選手の活躍を楽しみにしたいと思います。

カリブ海に浮かぶグアドループはフランスの海外県です。自然があふれ、海岸線は美しいビーチが点在するリゾートです
ミニトランザットのトップ艇に合わせてグアドループ・マリーナに地元の名産などが展示されるテントが立ち並び、大会会場が盛り上がってきました。奥のステージでは毎晩ライブコンサートが開かれています
マリーナ周辺はリゾートマンションがずらり。また、マリーナのまわりはレストラン街になっていて地元住民が集まり、真夜中までカリブ音楽が鳴り響いています
11月13日、ロール・ギャレーがフィニッシュ。第2レグ(2700マイル)の記録は16日11時間19分24秒です。総合順位は14位/29艇中
フィニッシュの桟橋には多くの仲間や家族がロールを迎えました。ロールがひとりひとりと抱き合いながら、目に涙を溜めていたのが印象的でした
プロトタイプ優勝(第2レグ、総合優勝)はウルグアイのFederico Waksmanでした。優勝した初の南米人であり、7人目の非フランス人です。ちなみにこの優勝艇とDMG艇はまったく同じデザインです
シリーズ優勝のLuca Rosetti。イタリア人で2人目となる快挙です。ご存知の方もいると思いますが、ルカ選手は〈MILAI〉のメンバーであり、鈴木晶友さんとコンビを組んで世界一周GLOBE40に出場しました
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