【コラム】インカレが終わりポカンとしている時間はもったいない
11月1〜5日まで、福岡小戸で開催された「第88回 全日本学生ヨット選手権」が終わりました。全日本インカレは日本最大規模の大会であり、第88回という長い歴史からも分かるように毎年多くのセーラーを送り出しています。いまもむかしも大学ヨットが日本のセーリングに及ぼす影響は大きなものです。(BHM編集部)
今年は日本列島を覆った高気圧の影響で11月とは思えないほど気温があがり、大会期間中の海上は風が弱いことが予想されていました。実際に全レースが微風戦となり、長時間の風待ち、途中でレースがキャンセルされるなど、選手は気持ちの面で疲れる神経戦となりました。
この不安定な状況で成績を残した早稲田大は見事としか言いようがありません。総合4連覇という偉業の背景には、信じられないほどの練習量が隠されています。結果とともに、その努力と目標に向かって突き進んだチーム力に敬意を払いたいと思います。選手のみなさん、本当におめでとうございます。
全日本インカレ、そして地域大会を機にヨット部を引退したみなさんは、少なからず悔しい思いをしたことでしょう。「たられば」を考えることもあると思います。あのレースで逆のコースを選んでいたら。あのスタートでメインシートを1秒早く引けていたら。あの時のタックが決まっていたら。。。その後悔を含んだ気持ちはしばらく続くはずです。
で、ここからが大切なところです。ここから先の話しは、バルクヘッドマガジン編集長の個人的な考えになります。なので、気楽に読んでください。
1〜3年生は世代交代となり、すでに次年度の活動に入っていることと思います。そして、ヨット部を引退したみなさんは、十中八九、これは間違いないことなのですが、普段の行動が変わってきます。セーリング漬けだった生活から離れ、ポカンとした(無駄な)時間が増えることでしょう。インカレに熱中した人ほど、その時間が多くなるはずです。
これからどうやってヨットと関わっていったら良いかと考えるかもしれません。後輩を指導に行くのも良いし、OBOGとして部の運営に関わっていくのも良いと思います。しかし、セーリングする頻度はヨット部時代に比べて格段に少なくなっていきます。
いまは、海から離れる自分なんて考えられないでしょう? でも、先輩を見れば想像できるのではないでしょうか。ヨットに乗り続けている先輩がいれば、海から離れてしまう先輩もいます。不思議なものでヨットに乗るような流れにいると、ずっと乗り続けることができるし、その流れから離れしまうと乗る機会がなくなってしまいます。
だからみなさんには、ぜひヨットに乗るという流れに乗っていてほしいと思っています。そのためにはどうしたら良いのか? それは以前にも書きましたが、人の誘いに乗ること。新しいことに挑戦しようという気持ちを持ち続けること、かもしれません。
ヨット部を引退して「つまんないな」と感じたら行動に移してみましょう。ハーバーに行けば、なにかしらチャンスが転がっています。OBを頼ってもいいでしょう。「あの先輩、たまに来るとむかし話ばかりするよな」なんて、後輩から言われないようにしてください。むかし話なんていつでもできます。それよりも、次の舞台を見つけ、あたらしい知識を身につけ、あたらしいセーリングに出合ってほしいと思います。
バルクヘッドマガジン編集長は、インカレを日本最大規模の大会と書きましたが、日本が誇る優れたヨットレースだとは思っていません。インカレはヨットレースではなく、インカレという特別な競技だと考えています(それが面白さの1つではあるんですが)。だからヨット部を卒業したみなさんには、インカレ以外の違ったセーリングの世界があることを知ってほしい。
ヨット部を引退したみなさん、次の舞台でぜひお会いしましょう。その時は、自分が見つけたあたらしいセーリングのことを聞かせてください。みなさんと、どこかの海で会えることを楽しみにしています。
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