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【コラム】オランダ・ハーグで「世界最強の日本」を誇らしく思う

 こんにちは、バルクヘッドマガジン編集長です。オランダ・ハーグに滞在して10日間が過ぎました。セーリング・ワールド・チャンピオンシップ(セーリング世界選手権)も終盤です。普段なら疲れて、気持ちも身体もドヨンとする頃ですが、このレガッタは違います。昨日の出来事で疲れが吹き飛んでしまいました。(BHM編集部)

セーリング・ワールド・チャンピオンシップ(470世界選手権)で金、銅メダルを獲得した日本チーム。表彰式が終わり、壇上から下りてきた磯崎哲也が「そういえば、金メダルだけ取ってないな」とポツリ。来年2月の世界選手権は激しくハイレベルな戦い/日本代表選考になりそうです

 日本470が世界選手権で金・銅メダルを獲得しました。当日の編集長は撮影のため海や陸で走りまわっていて、ライブ中継やトラッキングを見ることはできず、実際にレースの詳細を知ったのは宿に着いた夜9時になってしまいました。いまさら言うのもなんですけど、ドラマティックな2上でしたね! あれは何で? 潮なの? なんて、数時間遅れで興奮していたのでした(笑)

 みなさんはライブ中継で観戦してくれたでしょうか? 実際に、海でヨットレースを見るよりも、ライブ中継やトラッキングで観戦する方が内容がわかりやすいことが多いものです。特に順位を確認するのは至難の業で、昨日の磯崎・関のように複数艇の得点計算が必要な場合、撮影しながら頭の中で計算するのはとてもむずかしい。

 なので、フィニッシュ後に選手の喜び方で順位を知るのはよくあることで、実は昨日も???な状態でした。メダルレースでは撮影制限があるので、後半戦はフィニッシュ付近で待機していることが多く、まさか2上マークを2位で回航しているとは思いませんでした。そんな感じなので、フィニッシュ後、選手が喜ぶ姿を見てメダル獲得を確信した次第です。あー、びっくりした。

 そのあとは、日本チームの大喜びするシーンを追いかけて撮影していました。海から陸に戻ってからもテレビカメラが全部撮影していて、船を片付ける時間もなく、ウエットセレモニーが始まりました。それからカートに乗ってメインステージへ移動。選手たちは着替える時間もなく、ウエットスーツのまま表彰を受けることになりました。

 編集長も海外選手やカメラマンの友人、関係者から祝福されて、とても誇らしい気持ちになりました。「日本おめでとう」「日本やったな」。いままでヨットレースを撮影していていちばん撮影しがいのある瞬間です。宿に戻るとほっとした気持ちになりました。いつもひとりで海外に行き、有象無象のフォトグラファーにまじって撮影しています。そして、いつのまにか、編集長はその中で古株になってしまいました。でも、メダルをとった時ほど、長くやっていてよかった、と思うことはありません。

 日本にはマルセイユで金メダルを取ってほしい。このように書くと「メダルはどんな色でもいいじゃない。がんばれば」という人がいます。でも、子供の頃から夢を追いかけ、努力する選手を見てきた編集長には、2位でもいいよ、なんて言えません。1位になることを目標にしている選手たちにはズレた視点だと思うからです。

 パリ五輪の出場国枠を勝ち取った日本470は、これから日本代表選考の戦いが始まります。470級の選考大会となるのは、2024年2月後半にはじまる「470世界選手権」(スペイン・マヨルカ島)と4月の「ラストチャンスレガッタ」(フランス・イエール)です。世界最高のハイレベルな日本代表選考を楽しみにしています。

ハーグに揚がった日の丸はデジタル・スクリーンでした。ちなみに壇上でスペインチームがまとっている国旗は会場に掲げてある(全出場国の)国旗群から拝借したもの。翌日「表彰式で国旗を勝手に使ったチームは、元通りにしておくこと!」とアナウンスされていました
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