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シンガポール「オリンピックeスポーツ」で日本選手が活躍!

 6月23日、シンガポールでeスポーツの祭典「オリンピックeスポーツシリーズ」決勝が開催されました。この大会は夏季・冬季オリンピックと同じく、IOC(国際オリンピック委員会)が主催するeスポーツイベントで、セーリング、野球、アーチェリー、サイクリング、テコンドー、テニス、モータースポーツ、チェスなどが公式種目になっています。(BHM編集部)

23日に開催されたセーリングに日本から2選手が出場。第3レースでは日本ワンツーを決めました。レースの様子はオリンピックチャンネルでライブ中継され、現在もアーカイブ(欄外リンク)で観戦できます

 今年3月からはじまったセーリング(予選)には約4万人が参加、1万8000以上のレースがおこなわれました。決勝に進んだのは予選8大会の勝者に加え、世界ランキングトップ男女、シンガポール地元枠の11選手が出場。日本からは予選を勝ちぬいた古川悠航〈FUNe YUKO〉、木暮俊貴〈FUNe KG-R〉が出場しました。

 23日の試合ではメイン会場(サンテックシンガポールコンベンション & エキシビションセンター)に設置されたステージでおこなわれ、全世界にYOUTUBEでライブ中継されました。決勝の種目はILCA、49er、J/70、ナクラ17で、7レースおこなわれた後に上位5選手によるメダルレースで競われました。

 古川悠航〈FUNe_Yuko〉は第2、第3レースで連続トップ、木暮俊貴〈FUNe_KG-R〉は第5レースでトップを取るも予選突破ならず。古川は総合6位、木暮は総合7位で大会を終えました。優勝はフランスのTIM CARPENTIER〈UOL Pepito〉です。

 また、シンガポールの会場では、インショアレースと同時開催されていたオフショア(世界一周レース。シンガポール〜シンガポール)の表彰式もおこなわれました。

 IOCによるeスポーツイベントは2021年に開催された「オリンピック・バーチャルシリーズ」に続いて2回目の開催となります。近年、大きく成長している日本はメダルを逃す結果になりました。しかし、はじめてライブレースに出場し、日本の存在を世界へアピールすることになった実りのある大会になりました。次回開催を楽しみにしたいと思います。

オリンピックeスポーツシリーズ 最終成績

『どんな状況でもレースを楽しむ気持ちで戦うことができた』
 ─── レポート/木暮俊貴

 僕にとっては初のライブファイナル、初の海外、と初めてのことだらけでしたが、本番前日まではそこまで緊張せずに過ごせていました。

 20日のリハーサルレースでは、参加したプレイヤーの中で一番調子がよかったくらいです。デバイスによって環境の違いがあったらしいものの、今回のメンバーを相手にしても戦えることが分かったので、本番はいつもどおりにレースをするだけと考えていました。

 しかし当日、心の奥で緊張していたせいか、寝る時に部屋が冷えていたからか、前日に歩きすぎたからなのか分かりませんが、朝から体調がそこまでよくありませんでした。

 午前中にイベント会場でeスポーツ体験をしばらくした後、さらに体調が悪化。ホテルの自室でゆっくり過ごすべきでしたが、会場の雰囲気や他種目の決勝の様子を見たかったんです。VRI(バーチャルレガッタ)の練習もきついような状態でした。

 直前のやや長い待機時間中、無理して気持ちを作ろうとしても、体調不良のせいで弱気な自分からなかなか抜け出せませんでした。ですが舞台裏まで来たときは、不思議と体調はいくらか回復し、開会式のときに感じた熱い気持ちもほぼほぼ復活しました。

 第1レースでスタート前にミスし、10位でフィニッシュしたときは、おもいっきり体調のせいにしました。やっぱりこの微妙な体調じゃダメかー、と思いつつ、ここから優勝争いに絡んだら盛り上がるなと笑っていました。

 続く第2レースは、途中まで悪くなかったですが、2上で2位に浮上しかけたときに3位艇を意識しすぎるあまり、マークタッチ&未回航をしてしまいました。あまりのとんでもミスに笑いました。今日はついてないだけだと考え、3位を目標に以降のレースを走りました。

 何回か良いレースもできましたが、やはり第1レースと第2レースの大量失点が響き、結果的にメダルレースにすら進出することができませんでした。

 もちろん悔しいですし、反省点も多いですが、重要な目標のひとつである「どんな状況でもレースを楽しむ」が達成できたのはよかったです。

 レース中、時には険しい顔や浮かない顔をしていたかもしれませんが、心には常に余裕がありました。人の目やカメラのことは気にせず、笑えることを探して積極的に笑顔を浮かべるようにしました。

 観客の方々が僕の(不気味な(?)笑顔を見て「eセーリング(セーリング)って楽しそう」と少しでも思ってくれていたら幸いです。

 特定の誰かに向けて言うわけではありませんが、今回のオリンピックeスポーツシリーズは、いろいろな予定をむりやり休んだり放棄したりしてでも参加する価値がある大会だと思いました。

 とにかく濃密で、刺激的な経験ができる、最高なイベントでした。何らかのイベントのライブファイナルへの出場権を獲得するチャンスが回ってきたら、あらゆる手を尽くしてそれをつかみ取ることをおすすめします。

 僕の世界一への旅はまだまだ続くようです。想像以上に長い旅になってきました。次の目標は、世界選手権2023のグランドファイナル進出と優勝。初心にかえって学びなおすつもりで、またたくさん練習します。

古川悠航選手と木暮俊貴選手。古川選手は横浜国立大ヨット部3年、木暮選手は東京都立大ヨット部卒業生で、ふたりとも大学ヨット部出身です(写真提供・木暮俊貴)
オリンピックeスポーツシリーズ決勝戦出場選手たち(写真提供・古川悠航)
優勝トロフィーを手にするTIM CARPENTIER〈UOL Pepito〉選手と(写真提供・古川悠航)

『想像のはるか上をいく規模だったオリンピックeスポーツシリーズ』
 ─── レポート/古川悠航

 今回はじめてeスポーツのオリンピックが現地開催されました。IOC主催ということもあり、旅費、宿泊費等は主催者側全負担、超大型の会場、スタッフの人数や演出のクオリティ等、想像よりはるか上を行く大会規模でした。

 私にとって、VRIのライブ大会は初めてだったので、ゲームの中でしか知らないファイナリストたちはどのような人たちなのだろうか。会うのが非常に楽しみであると同時に、英語もろくに話せない自分が上手くやっていけるだろうかという不安も少なからずありました。

 でも、他の選手たちは本当に優しく、今まで切磋琢磨してきたトッププレイヤーたちと実際に対面して仲良くなることができて本当にうれしく感動しました。

 ファイナリストの実力は、間違いなくハイレベルですが大きな差はないと私は考えていて、1つ1つのミスが命取りになる、そんなレースになると思っていました。

 自分は何回か大きなミスをしてしまい、大幅に順位を落としてしまったのが敗因だと思います。ですが、序盤2回のトップフィニッシュで応援してくれた日本の方々を沸かせられたのはとてもうれしかったです。

 現地の事情になりますが、スマートフォンのラグが酷く、パソコンやタブレットと機種によって差がついてしまっていたのが本当に残念な点です。

 スマートフォンを使っていたのは11人の中で4人いて、そのせいなのかは分かりませんが、誰もメダルレースに残ることはできませんでした。自分もラグによって何度も大きなミスをしてしまったので、次回は機種によって差が出るという点を改善して公平なレースを作って欲しいです。

 この大会を通してVRIをプレイする人が1人でも増えれば僕にとっては本当にうれしいことです。次回必ず、リベンジしたいと思います。

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