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最年少〈Hope〉が逆転優勝を飾る!第11回 大学対抗&U25マッチ

 2月26日、愛知県豊川市・三河みとマリーナで開催された「セイル・オン 第11回JYMA選抜大学対抗&U25マッチレース」最終日。前日ノーレースとなった強風はややおさまったものの、引き続き強い北西風が吹いています。20ノットを越えるガストが入る海面で大学対抗&U25マッチ最終戦がおこなわれました。(BHM編集部)

最終アップウインドで劇的な逆転を決めたHopeチーム。全員が18、19歳という今後が期待される若手チームです

 レース委員会は、強風と選手たちの技量からワンポイントリーフ+ノースピンを指示しました。ハンドリングはしやすくなりますが、突発的なブローが選手を襲います。

 ラウンドロビンは前日から引き続き2フライトを実施。合計10フライトが終了したところ、トップが全勝で3チーム(GRADs/八鍬、Hope/嶋倉、宇田川丸/宇田川)が同点で並ぶ大混戦に。上位3チームによる総当り戦で3、2、1位決定戦がおこなわれました。

 東工大OBOG チームの〈GRADs〉は〈宇田川丸〉、〈Hope〉に連敗を喫して戦線離脱。決勝戦は1勝ずつで並ぶ〈宇田川丸〉vs〈Hope〉の戦いとなりました。

 決勝では〈宇田川丸〉がスタートから有利サイドを保持しながら先行。上マークでは〈Hope〉に大きく差を広げ、逃げ切り体勢かと思われましたが、、、、

 ドラマは2度目のアップウインドで起こりました。後続の〈Hope〉は下マーク回航に右展開。しかし、〈宇田川丸〉は左海面のブローを取りに行き、フェイスを分けてしまいます。

 その間に〈Hope〉は風をゲインして〈宇田川丸〉を追い上げます。さらに〈Hope〉は右展開からのスターボード権利を主張して、前を通る〈宇田川丸〉に抗議。〈宇田川丸〉に対してペナルティを与えることに成功しました。

 〈Hope〉と〈宇田川丸〉はフィニッシュまでマッチレースを繰り広げますが〈宇田川丸〉の攻撃およばず。〈Hope〉が先行してフィニッシュラインを切りました。

 〈Hope〉は、オリンピックを目標に活動する日本セーリング連盟のHOPE育成プログラムに所属する嶋倉照晃(49er)、池田海人(470)、宇田川涼太郎(470)、黒田浩渡(ILCA7)に、高校3年の鈴木海翔(霞ヶ浦高。420)による混成チーム。嶋倉、池田、宇田川は昨年霞ヶ浦高を卒業した同期でもあり(2021年度バルクヘッドマガジン・セーラー・オブ・ザ・イヤー受賞)、全員が18、19歳という本大会で最も年齢の低いチームです。

「強豪を勝ち抜き優勝できたことは本当にうれしいです。勝因は、全員がスキッパー経験があり、ひとりひとりが考えながらレースできたこと。でも、みんなの意見がぶつかりあい判断が遅れる場面もありました。この優勝は、ぼくたちを指導してくれるHOPE育成プログラムのスタッフの方々、J/24の練習で協力してくださった月光チーム、コーチ役をつとめてくれた市川航平さんのおかげです。ありがとうございました!」(嶋倉照晃スキッパー)

三河湾は北西の強風が吹き海面は見ての通りの荒れ模様に。ワンポイントリーフ、ノースピネーカーの戦いになりました

 強風戦、そして劇的な幕切れとなった第11回大学対抗&U25マッチ。伊藝徳雄JYMA(日本ヨットマッチレース協会)会長は、「2012年から12年続き、多くの学生がこの大会を通じてキールボートの世界に入りました。節目となる第15回大会では、過去に参加したことのあるセーラーたちを集めるなど、この大会をさらに盛り上げていきたい」と話しました。

 大学対抗&U25マッチは12年が経ち、選手の顔ぶれは変わっていきますが、初めてキールボートに触れた選手たちの笑顔、たのしさ、セーリングの魅力は変わりません。学生のみなさん、25歳未満のセーラーのみなさん、ぜひ大学対抗&U25マッチへ挑戦を。きっとあたらしいセーリングの世界がひらけます。

最終マッチ。宇田川真乃vs嶋倉照晃
2位宇田川丸。宇田川真乃ヘルム、斉藤太郎、清水詩絵、岩田慧吾、青木維摩
3位GRADs(東工大OB)。八鍬佑樹ヘルム、横山友基、河合雅行、井戸達彦、萩生田汐音
優勝のHope。嶋倉照晃ヘルム、池田海人、宇田川涼太郎、黒田浩渡、鈴木海翔
セイル・オン 第11回JYMA選抜大学対抗&U25マッチレース 最終成績
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