松苗・齊藤組優勝!学連卒業生も出場、テーザー全日本レポート
11月26、27日、江の島ヨットハーバーで「第37回テーザー全日本選手権」が開催されました。全33艇が出場。大会初日は南東6〜10ノットの軽風のコンディションで1レース、2日目は16ノットまであがる北東風で4レースをおこない、全5レース実施しました。(レポート/日本テーザー協会)
初日、朝から強い雨が降り、雷雨注意報もあり陸上待機が続き、予報通り風は吹かず安定しない状態が午後まで続きましたが、13時過ぎに南よりの風が入りだし、1レース目は風向160度、風速7ノット前後で始まりました。第1レースのトップはパリ五輪を目指す松苗幸希/齊藤由莉(葉山F)、2位は紙聡/紙さおり(葉山F)、3位は山村太郎/稲川竜也(稲毛F)となり、初日は1レースで終了となりました。
2日目は素晴らしい秋晴れ、コンディションも風速10~16ノット、風向60度の風で熱いレースが繰り広げられました。第2レースのトップは小林 正季/仁杉衣里(江ノ島)、 第3レースもトップは、松苗/齊藤、第4レースは伊藤 一石/村岸 恭明(江ノ島)。
この時点で、暫定順位は1位松苗/齊藤、2位紙/紙、3位田中/田中でポイント差8の混戦で、最終レースのトップは山村/稲川となり、田中/田中は痛恨の9位。 5レース成立したことで1カットが発生、総合優勝は、松苗/齊藤、2位紙/紙、3位山村/稲川となりました。
今大会の入賞は、スーパーグランドマスタークラスは戸室宣房/山本武(江ノ島F、総合19位)、グランドマスタークラス田中郁也/田中紀子(稲毛F、総合5位)、マスタークラスは紙/紙(葉山F、総合2位)、総合での入賞は3位山村/稲川、4位伊藤/村岸、6位石川光輝/西代周(大阪北港F)となりました。
今大会は久しぶりに参加艇33艇と賑やかになりました。長く楽しんでいるテーザーのメンバーに加えて、今年大学を卒業される学生チームも参加したことや、日本から唯一参戦した関口/上松チームから今年の夏に開催されたワールド報告会や、次回日本開催のワールド談義など、和気あいあいの中にも、みんなが勝ちに対する意欲の高いセーラーであるテーザーフリート仲間に変わりありませんでした。今後も親しみやすいディンギーとしての発展に期待できるような大会となりました。
次のレガッタは12月11日、蒲郡・海陽ヨットハーバーで行われる「テーザーウインターレガッタ」です。開催延期したワールドマスターズゲームも2027年5月に待っています。皆さんの参戦をお待ちしています!
◎優勝 齊藤由莉選手コメント
本大会関係者の方々、素晴らしいレースをありがとうございました。私は49erFX級クルーの齊藤由莉と申します。直近、松苗幸希さんと共に2024年のパリオリンピックを見据えた活動をしています。
このような貴重な機会、謹んで自己紹介をさせていただきます!出身は北海道ですが茨城県の霞ヶ浦高校への進学がきっかけで本格的にヨットにのめり込み、420級、470級のクルーとして日々肌を焦がしていました。
ところが高校卒業時にバランスロボのように育ってしまった自分自身に気がつき進路選択に迷いが生じました。当時松苗さんをはじめとする多くの方々のサポートを受けて大学進学後は、49erFX、Y23やマッチレース等求めるスキル獲得のための活動幅を広げることができました。いつもお世話になっている方々、本当にありがとうございます!
(前置きが長くなりました)という訳で、今回テーザー全日本に参加させていただいた目的は正にタクティクスとストラテジーの実践経験を積むことでした。
49erFXでの経験をいかしたボートバランスやハンドリング、そして最強の2988ボートと共に比較的ボートスピードがある中でのレース展開は駆け出しの私が学びを得るに最高の機会でした。レース中は自艇の状況(ポジションとボートスピード)を話し続ける、チェックすべき艇を場面毎に見分ける、この2つにフォーカスしていました。
ここ3カ月、国体に始まり全日本ミニトン、メルジェスウィークと集中的にタクティクスとストラテジーの勉強をしていました。その集大成として出場した今レガッタで自チームの選択が生み出した“良い画”を何度も見ることができたのが何よりの収穫です。
最後に、私が感じたテーザー級の魅力をお話しします。30年間テーザーに乗っている方や今大会が初挑戦の方、テーザーご夫婦など世代やコミュニティを超えて楽しく真剣にレースができることです。パーティーも大変楽しませていただきました。皆さんにまたお会いできるのを楽しみにしています!
◎学生チーム JPN 2605 岩倉 遼河/西岡 龍
私達のペアは全日本インカレ終了後、テーザーを所有しているOGの方から船を貸していただけるという話をいただき、全日本テーザーに出ることになりました。ペアで練習できたのが、2回ほどでしたが、テーザー級はシビアなバランスが求められる一方トップスピードが速く、自分たちが乗っていたスナイプとはまた違う魅力が感じられました。
今回は風の振れが大きいレースもあり、そういったレースでは全日本インカレが開催された琵琶湖での経験を活かすことができて前の方を走ることができたので引退後に自分の成長を実感できる機会を与えてくださった方々に感謝しています。
今回のレースは自分達と同じようにヨット部を引退した大学4年生のペアが複数いてそういったところと競い合うのはとても楽しかったのでまたこういう機会があればぜひ参加したいなと思います。
最後に、1日目のレセプションやハーバーで声をかけてくださり新人で右も左も分からない私達に色テーザーについて教えてくださった今回のレースの関係者の方々に感謝申しあげます。今後もよろしくお願いします!
◎学生チーム JPN 2806 中濱 光祐/田中 亮
神大ヨット部を引退して、初めて出たレースが今回の全日本テーザー選手権でした。今まで乗っていた470とは船の形状も重量も全く違っていて翻弄されながらも楽しめたレガッタでした。
レースでは、若手からベテランまで幅広い年代が出場していました。伊藤さんから話では聞いていましたが、想像以上に皆さん艇速が速く、驚きました!
そのなかでも何回か上位を走ることができたので、通用する部分はありました。
1日目のレース後は、出場選手で集まってレセプションを行いました。普段、話さない年代の方たちとお話ができていい時間を過ごすことができました。
今回2日間レースをやってみてテーザーは年代を超えて交流ができる艇種だと感じました。
この2日間楽しい時間を過ごすことが出来ました。また機会があればレースに参加させて頂きたいと思います! ありがとうございました!
◎学生チーム JPN 2709 河内 航人/花崎 龍矢
私たちのペアはついこの前引退した学連の同期で、伊藤さんに宮下さんを紹介していただき、宮下さんの船をお借りして今回出場しました。
現役時では、大学内の人とばかり乗っていたので、他の大学の同期と乗るのは大変新鮮でした。
私たちのペアは、テーザー入門者であったため、セーリングやコース引きについて、ベテラン選手を観察したりして、正解を探しながら、なんとか上位陣に食らいつこうと乗っていました。
結局、思うようには走れず悔しかったですが、今まで乗っていた船との感覚の違いに翻弄されつつも、それ自体が新しい経験で、楽しみながら乗ることができました。
また、現役時代の縛りのないヨット生活を体感したり、ベテランの方々のお話を聞いたりする中で、大きく視野が広がり、大変貴重な機会となりました。
最後になりましたが、今回のレースを運営してくださった関係者の皆様、新人の私たちを温かい目で迎え入れてくださった皆様、ありがとうございました。