Loading

女性だけのヨットレースって楽しい!伊藤園ウィメンズカップ

 11月12日、葉山マリーナで「伊藤園ウィメンズカップ2022」が開催されました。今年で4回目となる本大会は、いまの日本でほとんどなくなってしまった、女性だけがエントリーできるキールボートレースです。(BHM編集部)

葉山で開催された女性だけのキールボートレース「伊藤園ウィメンズカップ2022」。写真は優勝を決めた〈Kanaloa〉

 これまで国内では、J/24女子や女子マッチレースなど女子に限定したキールボートレースが開催されてきました。しかし、いつの頃からか女子大会が少なくなり、やがてなくなり…。

 そんななか女子セーラーの活躍を憂うメンバーが居酒屋に集まり「女子だけのレースがあってもいいよね?」から始まったのがこのウィメンズカップです。

 第1回大会は2018年に開催されました。参加者はディンギー、クルーザー経験を問わず。口コミや友達つながりでチームが結成され、募集開始後、すぐにエントリーが締め切られるほどの人気キールボートレースに成長しています。

 使用するボートは国内マッチレースで採用さているYAMAHA30S。これまで葉山マリーナに6艇在籍してましたが、昨年、2艇が売却されたため4艇に。そのため本大会では昨年から2チーム枠が減って4チームの戦いとなりました。

 大会当日は快晴、北東の軽風コンディション。船に慣れていない選手にとってはうってつけの海面です。しかし、自分が得意な船ならビシッと決められるスタートが出られなかったり、上マークをまわってもなかなかスピンがあげられなかったり終始ドタバタ。でも、それ以上に選手たちは普段とは違った女性だけのセーリングを楽しんでいました。

 第4回伊藤園ウィメンズカップは「相手が女子とはいえ、やるからには負けられねぇ」(姉・山下美香さん)と、勝負にどん欲な山下姉妹率いる〈Kanaloa〉が優勝を飾りました。

 本大会の発案者のひとりで、大会を運営する永山桃子さんは、「ディンギーを卒業するとなかなかヨットに乗る機会がなくなってしまいます。全国の女性セーラーが気軽に参加できるように。そして、たくさんの若い女性セーラーが入ってこられる場所になれば」と話してくれました。

 ジェンダーフリーの世の中ですが、セーリング界全体を見渡すと、女性セーラーは圧倒的に少ないのが現実です。このウィメンズカップのように女性セーラーが楽しそうにセーリングする様子を見ていたら、こんなゆるい雰囲気のたのしいヨットレースがもっとあっていいな、と思いました。来年はぜひ、みなさんもご参加ください。女性限定ですけれども。

ウィメンズカップ当日は快晴。風は4メートル前後でマッチレースさながら白熱の接近戦もみられました。本大会は伊藤園がサポートしてくれています
総合4位〈宇田川丸〉。宇田川真乃、松山 暁、清水詩絵、元川知歩、梅岡真由、楢崎彩賀。学連出身メンバーが集まりました
オリンピック選手2名を擁する〈Smile〉は総合3位。深沢絵里、蛭田香名子、新谷つむぎ、角田きあら、松岡嶺実、宮川恵子、小菅寧子
総合2位。ウン年前の学連女子メンバーが久しぶりに集まった〈VICKY〉。堀川郁子、小埜友美、志田ひろこ、山田州子、筒井光香、日根野麻里亜
優勝の〈Kanaloa〉。藤井麗、高原奈穂、都筑 緑、大坪苗子、山下美香、下重智華子、魚住由希子
チーフアンパイアの前田康子さん(と今津浩平さん)。本大会では運営も女性が主要ポジションを担当しています
真剣にレースしていてもカメラが近づいてくると思わず笑顔になってしまいます
とてもはじめてキールボートレースに出場するとは思えないポーズが決まった小菅寧子さん(2008年北京五輪ウインドサーフィン日本代表)。参加の理由は「おもしろそうだから」とのこと
逗子レガッタのレース委員長でも知られる松石万希子さんがレース委員長を担当。女性ならではの程よいバランスでレースを仕切りました
第4回伊藤園ウィメンズカップ2022成績表
CATEGORY:  INSHOREKEELBOATNEWS