日本フォイリング界に新王者誕生! 2022浜名湖モス全日本
10月8〜10日の3日間、静岡県浜名湖にある三ヶ日青年の家で「第55回全日本モス級選手権」が開催され、全国から19名の選手が集りました。なんと言っても、今回は後藤選手の10連覇の掛かる大会で、若手が連覇を阻止できるかが注目される大会となりました。(レポート/高橋洸志)
【初日】
残念ながら風が吹かずノーレースとなりました。ただ例年よりも1日多い3日間の開催ということと、翌日にいい風が吹く予報だったので、選手も運営も安心して初日を終えました。
【2日目】
予報通り4m/sの東風の中、10時15分に第1レースがスタート。陸近くで、シフトの多い難しいコンディションの中で飛び出したのは、最近急成長を遂げた行則選手です。
「ノースセールに転職してから、毎日セールのことを考えている」と、本人のコメント通り、バシッと決まったセールシェイプで、圧倒的なスピードで飛ぶ抜けフィニッシュ。
次に続く後藤選手は、フィニッシュ直前で、不安定な風に翻弄され、髙橋、小泉選手に続く4位と痛い出だしとなりました。
風は予報通り徐々に強まり、2レース目には10m/sに。半分以上の艇がトラブルで帰着する中、後藤選手と行則選手の一騎打ちに。2レース目は王者の意地で後藤選手が1位でフィニッシュ。3レース目は行則選手が食らいつき1位でフィニッシュ。
ここで、リタイア艇の収集が追いつかなくなり、最大瞬間風速も13m/sになったため、一旦APH旗で帰着。
運営、選手全員で集まり、残りの時間でレースを実施するか話し合うことに。結局、モス特有の!?の借り物競争方式で、破損状況や、体力的に出艇が厳しい人が、出艇したい人に、フォイルやステーを貸して、第4、5レースを行うことになりました(こういう家族のような温かさ、柔軟さがあるのもモス協会ならではのいいところです)。
4、5レース目も、後藤選手と行則選手で1本ずつ1位を分け合う展開に。
初日を終えて、2艇の点差はわずか1点差で、行則選手が辛うじて1位を守り切りました。
2人の戦いに注目が集まりましたが、他にも新旧対決が繰り広げられていました。モス協会副会長の大西選手は、1レース目を8位と躓きましたが、その後は3、3、3、4位と安定した走りを見せつけました。
それを追う若手選手として、前回艇をレンタルして初出場し、今回自艇初出場した49erオリンピアンの小泉選手、そして今年全日本初出場の浜名湖の新星である上村選手は、リタイア艇が続出する中でシングルを取り続け、若手らしい粘り強い走りを見せつけました。
【最終日】
朝から前線が通過し、昼まで陸上待機となりました。13時に不安定な西風の中、なんとかスタート。ここで抜け出したのが、初日ステー破損で、2レースのリタイアを余儀なくされた470級オリンピアンの岡田選手。ブローを見分け、ほとんどの着水することなく1位でフィニッシュ。
優勝の掛かる、行則選手と後藤選手は、レグごとに目まぐるしく順位が変動し、行則選手が4位でフィニッシュ。後藤選手が6位でフィニッシュ。この時点で行則選手の優勝がほぼ決まりました。最終レースも行則選手が新王者の貫禄の走りでトップフィニッシュ。見事優勝を手にしました。
行則選手は、来年よりモス協会の会長を後藤選手より引き継ぎます。後藤会長、長い間お疲れ様でした。そして、行則新会長のもと、モスの魅力をもっと若手にも広げていってもらいたいです。
最後に、浜名湖の皆様、3日間と長い間、運営にご協力頂きありがとうございました。毎年、この少人数のために全日本を開催させていただき、本当に感謝しております。また来年も浜名湖で全日本ということでお世話になりますが、よろしくお願い致します。