未来のオリンピックセーラーを育てるJSAF HOPE育成プログラム
みなさん、未来の五輪選手を育てる「HOPE育成プログラム」をご存知でしょうか。1年を通じておこなわれるこのプログラムは、日本セーリング連盟オリンピック強化委員会によるプロジェクトです。オリンピックを目標に掲げるユースセーラーが集まり、合宿形式でセーリング技術やヨットレースに必要な知識を徹底的に学びます。バルクヘッドマガジン編集長が、その特訓現場を取材しました。(BHM編集部)
だれがオリンピック代表に選ばれるのか? その答えを知っている人はだれもいません。しかし、日本代表になる選手は、強い意志を持って日々練習している選手であることは間違いありません。結果が出るまで時間の掛かることだし、続けていくための精神力も必要です。軽い気持ちではできないことです。
4年周期で開催される夏季オリンピックは、2024年パリ五輪、2028年ロサンゼルス五輪、2032年ブリスベン五輪まで決まっています。それ以降も基本的には4年毎に繰り返される開催年は変更されることはありません。
例えばいま15歳の選手は、パリ五輪で17歳、ロス五輪で21歳、ブリスベン五輪で25歳になっています。オリンピックイヤーになったとき、そしてオリンピック当日に選手の能力をどのように高めるのかが、日本のみならず世界各国の課題です。
2021年にスタートしたHOPE育成プログラムは13〜23歳までの選手が対象です(2022年度の参加要件)。2022年度は21名が在籍し、和歌山ナショナルトレーニングセンター、沖縄座間味島を拠点に、月に一度一週間前後の強化合宿がおこなわれています。
講師にはオリンピック強化委員会のコーチをはじめ、各ジャンルのエキスパートが務めます。その内容は多岐におよび、技術や理論、戦術などを学ぶ実践トレーニングだけでなく、陸上でルール、気象、セール、種目別の身体能力向上を目的にしたフィジカル、レースでの感情を整理するメンタル、食事・栄養、英会話などなど。また、トップ選手の資質や行動規範を学ぶインテグリティ講習などが組み込まれています。
日本セーリング連盟・オリンピック強化委員会の「早い年齢から段階的に世界で活躍する選手を育てる」という試みは過去になかったもので、これは短期で答えが出るものではなく、先の、またその先のオリンピックを目指した長期計画です。
9月後半、和歌山でひたむきにトレーニングするHOPE選手の様子をお伝えします。
- HOPE育成プログラム(JSAFウエブサイト内)https://jsaf-osc.jp/hope/
- HOPE育成プログラムの概要(PDF)https://jsaf-osc.jp/data/2022_NF_HOPE_training_program-2.pdf