最終レースで起きた名勝負。蒲郡全日本インカレ個人戦最終日
9月4日、「2022年度全日本学生ヨット個人選手権」最終日は風が安定するのを待ってスタート。予定通り1レースおこなわれ、既報の通り470級は池田海人/山本信之介(日本大)、スナイプ級は服部陸太/根本優樹(早稲田大)が優勝を飾りました。(BHM編集部)
同点対決が注目された470級はスタート〜ファーストレグで勝負が付きました。倉橋直暉/高田 澪(早稲田大)が即タックで右海面に向かうのと反対に池田/山本は左海面を伸ばしてからの中盤で勝負。風は大きく左に振れてシフトを取った左集団が次々に上マークを回航していきます。
池田/山本は4位で上マークを回航。出遅れた倉橋/高田は36位と低迷します。追い上げる倉橋/高田をよそに池田/山本は逃げ切り、全日本インカレ個人戦初出場初優勝を決めました。1年生コンビによる個人戦制覇は2006年の市野直毅/佐藤 翔(関西学院大)以来、史上2チーム目となる快挙です。
また、ゼネリコを繰り返し470がフィニッシュする頃にスタートしたスナイプ級の最終レースは、黒色旗掲揚(リコール=失格)で波乱がおこりました。リコールした17艇が読み上げられ、なんとここで前日首位の磯村麟之介/田口大悟(慶応大)が戦線離脱。
風速がさらに上がるなか、上位は数ポイント差で優勝を争う西尾将輝/川内俊亮(同志社大)、服部陸太/根本優樹(早稲田大)、内貴航路朗/秋田一樹(同志社大)による激戦となりました。
トップフィニッシュしたのは内貴/秋田。4位に服部/根本、5位に西尾/川内が入り、最終レースを終えて3チームが同点で並ぶという前代未聞の結果となりました。成績は3チームによるタイブレイクにより服部陸太/根本優樹の優勝が確定しました。
470級成績 参加54艇
1 池田海人/山本信之介(日本大)22p
2 小柳倫太郎/福田拓斗(日本大)33p
3 倉橋直暉/高田 澪/松山大祐(早稲田大)35p
4 飯田 澪/金子俊輔(早稲田大)39p
5 中山由菜/久保田賢人(日本大)56p
6 大石駿水/西山 怜(同志社大)70p
スナイプ級成績 参加54艇
1 服部陸太/根本優樹(早稲田大)49p
2 内貴航路朗/秋田一樹/佐々木一馬(同志社大)49p
3 西尾将輝/川内俊亮(同志社大)49p
4 白石誉輝/青柳建佑(早稲田大)55p
5 西内海斗/須藤千春(同志社大)59p
6 磯村麟之介/田口大悟(慶応大)61p
本年度の全日本インカレ個人戦は全8レースがおこなわれ、さらに最終レースで勝負が決まるという、これ以上にない魅力的なヨットレースとなりました。
それと同時に本年度の学生勢力図は、470級は日本大、早稲田大、スナイプ級は早稲田大と同志社大が現時点で一歩抜き出ている、という図式が見られました。この流れのまま全日本インカレ団体戦に突入するのでしょうか?
全日本インカレまで残り2カ月。これから多くの水域では予選がおこなわれます。各大学は全日本までの間にどのような調整をしてくるのか? 全日本学生ヨット選手権は11月3〜6日まで琵琶湖・柳が崎ヨットハーバーで開催されます。