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総合優勝艇〈KLC HORIZON 6〉パールレース参戦記【準備編】

 三重県五ヶ所湾から利島を経由して江の島まで180マイルを競う「パールレース」は、日本でもっとも人気のある外洋ヨットレースです。今年、この大会でIRC総合優勝を果たした〈KLC HORIZON6〉(邨瀬愛彦オーナー)は、これまで太平洋横断やオーストラリア・シドニーホバートレースなど数々の戦歴を残したベンガルチームが母体。スキッパーをつとめた荒川海彦選手による大会レポートを準備編、レース編に分けて紹介します。総合優勝チームはどんな準備をしてレースに挑んだのでしょうか?(BHM編集部)

〈KLC HORIZON6〉は約30年前に活躍したIOR艇YOKOYAMA30をチューンナップして外洋レースに挑んでいます。5月に開催された外洋ダブルス日本選手権でも優勝を飾りました

◎準備編
 台風やコロナの影響で5年ぶりの開催となった今年のパールレース。みなさまはいかがでしたでしょうか? 「たら、れば」がつきないと思います。運よく今回も総合優勝することができました。

 邨瀬オーナーがおっしゃる「努力をしたものほど運を呼び込める」まさに今回もそうだと思います。私が乗った〈KLC HORIZON 6〉はスタートまでにどんな準備をしてきたのか。全部は書ききれないので少しだけ紹介させていただきます。
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1 レース展開予想
2 レースコースで使用するセールインベントリー
3 各セールのポテンシャルを100%発揮させるギア
4 レースコース上で行われるセールチェンジとタイミング
5 レースクルーの選抜と招集
6 ショアクルーとデリバリークルーの重要性
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【1 レース展開予想】【2 レースコースで使用するセールインベントリー】
 ここ10年ぐらいのレース展開は、スタート〜神の島は微風の片上りアップウインドなのでJ1。神の島〜利島は南系の微風でA0→A1(A1.5かA2)スピンの場合はS1(S1 5かS2)。時折カームに捕まりウィンドシーカなんてこともありますね。利島〜江の島はアップウィンドやダウンウィンドの可能性がありスタート前の天気に左右されます。

【3 各セールのポテンシャルが100%発揮させるギア】
クイックリーフシステム
ウィスカーポール
トップダウンファーラー
撚りに強い高強度トルクライン
スピンシートフィドルターニングブロック(2連)
オープンスナッチ
ツイーカー
などなど

【4 レースコース上で行われるセールチェンジとタイミング】
事前練習でアクションで必要クルー人数の把握
ワッチのタイミング

【5 レースクルーの選抜と招集】
優秀なヘルムスマンとセールトリマーは必要不可欠
レースクルーの役割分担

パールレースの大会会場となった志摩ヨットハーバー

【6 ショアクルーとデリバリークルーの重要性】
 レースクルーがレースだけに集中できるように現地での送迎、食料調達、宿の段取り、積まないセールや回航荷物のピックアップ、個人荷物(必要最小限をオンボード)の移動などなど

 ターゲットレースへの準備は早ければ早いほどいいですね。今年はGWに開催された「オフショアダブルス日本選手権」をターゲットに準備してきたのでパールレースへの準備も比較的順調に進められました。

 セールの新調、改造、セーリングギアのトライアンドエラー、クルーワークなどやることは盛りだくさんです。時間はいくらあっても足りませんがコンディションや季節的なことも考慮して優先順位を設けて「これはここまでにはやっておく」という感じで期限を設定するといいかもしれません。

 準備編はここまで。次回は実際のレースをどう走ったのかをレース編でお伝えします。

第63回パールレース IRCクラス総合成績
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