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3年ぶり葉山開催。テーザースプリングレガッタ 本吉/松苗優勝

 4月23、24日、神奈川県三浦郡葉山町で「2022年テーザースプリングレガッタ」が開催されました。葉山港での開催は3年ぶりです。全20艇が出場し、軽風のコンディションで8レースを実施しました。葉山・江ノ島フリートをはじめ、稲毛、大阪、芦屋、浜名湖、琵琶湖と各地から参加となり今シーズンの幕開け、大いに盛り上がりました。(レポート・写真提供/日本テーザー協会)

葉山で開催されたテーザースプリングレガッタ

 初日は南の軽風、第1レース目のトップは本吉夏樹/松苗幸希(葉山F)、2位は植田泰平/植田典子(芦屋F)、3位は吉田工作/齋藤由莉(葉山F)、第2レースのトップは石川 櫻/石川光輝(大阪北港)、2位は伊藤一石/村岸恭明(江ノ島)、3位は紙聡/紙さおり(葉山F)となりました。

 2日目はシフティーな北から北東の風、午後からは、小雨が降るコンディションの中、本吉/松苗がオールトップを飾り、総合優勝は本吉/松苗、2位は吉田/齋藤、3位は伊藤/村岸となりました。Mクラス優勝は伊藤/村岸、GMクラス優勝は植田/植田、SGMクラス優勝は戸室宣房/山本 武(江ノ島F)となりました。

総合優勝の本吉夏樹/松苗幸希
Mクラス優勝、伊藤一石/村岸恭明
GMクラス優勝の植田泰平/植田典子
SGMクラス優勝の戸室宣房/山本 武
2022テーザースプリングレガッタ成績表

 これから紹介するのは、総合第2位の吉田さんからのレポートです。ディンギーのレースに参加するのは10数年ぶりで、子どもの頃に培った感覚がまだ残っていたことに驚きとうれしさを感じ、非常に濃密な時間を過ごしていました。

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◎2022テーザースプリングレガッタに参加して
──吉田工作

 私は、今大会優勝の本吉とHMYCのGaiaチームで一緒に活動している仲もあり、彼からの誘いを受け、今回の本吉のクルーである松苗選手と49erFXで五輪を目指しているペア、齊藤由莉選手を私のクルーとし、「全く未知の船をチャーターし、月曜日から金曜日まで練習し、土日の選手権に出場する。そのプロセスとタクティクスを間近で勉強して自分の活動に活かしたい」という彼女の要望に応えるべく、初めてテーザーの選手権に参加しました。

総合2位に入った吉田工作/齋藤由莉

 今回は私なりに参加してみての感想を大きく3つに絞ってお伝えできたらと思います。(1)テーザーという船について(2)レース展開(3)協会・運営の方々のホスピタリティ。

 まず、艇体重量が68キロなのでクルーウエイトとの比率を考えると非常に繊細な船であることは容易に想像できました。

 そして老若男女問わず、ハイスピードでエキサイティングなレースが楽しめるというコンセプトのもとデザインされている=ハイクアウトが全てではなく、リグチューンやセンターボードのトリム、ジブバーバーホーラーやサイドステイのトラックのポイント、それらがセールシェイプやヘルムのバランスを大きく変えさせ、フィジカルに自信のない方でも勝負ができるという面白さと奥深さを感じました。

 逆説的にいうと、何かひとつズレたことをするとレースを壊してしまうほどパフォーマンスを下げることになるという、どことなくずっと崖っぷちにいるようなハラハラ感があり、それがまた選手の方々を虜にさせているのであろう、と…。

 初日は南の軽風、シフトも時間をかけて動くので、まずはスタートを決め、1上までの順位を安定させることが重要になります。

 優勝した本吉・松苗ペアをはじめ、長年テーザーに乗る選手とは違い私はボートスピードに全くの自信がありませんでしたし、ふたりの体重は143キロと重量級であるため、とにかく1上を3番以内、以降は守りに徹する走りをするしかありませんでした。

 2日目はシフティーな北~北東で、午後からはしとしと雨が降ってくるようなコンディション。先ほども繊細なボートであることをお伝えしましたが、とにかく小さなパフを拾いながらなんとか繋いで、その間に決め手となるブローを見つけ、確信が持てるのであれば最後エッジに出る、という作戦でした。

 テーザーの場合はラルに捕まると一気に失速、パフに入ると一気に加速、なので北風のコンディションは遠慮なく刻んで走りたいが、タックでトラベラーを掴み損ねるとフルバテンは返らず地獄に落ちる……というなんとももどかしい、一つもミスをできない怖さがまた楽しく感じる2日目でした。

 そして、陸上においてはテーザーフリートのみなさんは本当にアットホームで、奥様方がサポートしてくださっている姿もあり、それでいながら海上運営は非常にスマートでいい距離、いい長さ、いい角度、本当に有難うございました。

 私は幼少にOP級からヨットを始めましたが、どことなく雰囲気が似ている、良い意味で手作り感があり、それでいてクオリティの高いレースが行われ、ボートもすごく繊細で、フィーリングと知識・理論の両輪が揃わないと前を走ることは難しい船であり、まさにオトナのOPのような印象を持ち、どこか懐かしさを感じる自分がいました。

 最後になりますが、会長をはじめ、温かく迎えてくださったフリートの皆様、そしてチームメイトに感謝をしたいと思います。レースが終わってからチューニングや展開についてあぁでもない、こうでもない、あの時チューニングをどう考えていた? とチーム分け隔てなくシェアし合っているみなさんの姿を見て、「早くこのご時世を乗り越え、レセプションとかできたらなぁ〜」と願ってやみません。また大会があればぜひ遊ばせていただければと思っております!

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 次は7月に西日本選手権を兵庫県芦屋で予定しています。テーザークラスは熱いレース&楽しい遠征をお約束します。われこそは楽しみたい!という方のご連絡をお待ちしています。

さあ、2022年テーザーシーズンが幕開けしました。今年も楽しいヨットレースを!
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