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フランス・ロリアンのオフショア基地、ラ・バースへ潜入!

 みなさん、こんにちは。スペイン・マヨルカ島で取材を終えたバルクヘッドマガジン編集長は、いそいそと次の目的地へ移動しました。いま編集長はフランスのロリアンという町にいます。ここはヨーロッパ外洋ヨットレースの本拠地で、ハーバーにはこれから始まるシーズンに備えてレース艇が準備を進めています。(BHM編集部)

フランス・ロリアンにあるセーリング博物館でひとりウキウキしている編集長。ここロリアンは外洋ヨットが一大産業になっていて、世界一周、大西洋横断レースに出場する船の活動拠点になっています

 このロリアンという町は興味深い場所で、第二次大戦ではドイツに侵略され、ここでUボート(ドイツ軍の潜水艦)が建造されていました。戦争が終わりフランス海軍が使用していましたが、その後廃止に。

 要塞のような建物だけが残っていましたが、約10年ほど前から再開発がはじまり、また大型ヨットを受け入れる施設にピッタリだったことから、フランスの外洋ヨットレースチームが活動拠点として使い出したのです。

 世界一周レースのヴァンデ・グローブ、大西洋横断のルート・デュ・ラム、ジャックヴァーブル、世界一周最短記録を狙うジュールベルヌ・トロフィーに出場するモンスターヨットの基地となっていて、入居(船を置く)するにも毎年審査が必要ほど人気のヨットハーバーです。

 今回はロリアンのLa Base(ラ・バース)と呼ばれるハーバー施設、それと編集長がめちゃくちゃおもしろかった「セーリング博物館」を紹介したいと思います。こんな施設が日本にあったらいいなぁ。

ラ・バースはまさしく潜水艦の建造基地で海軍の要塞。要塞マニアだったらよだれがでると思われるムードある場所です。
要塞にはたぶんここから潜水艦が出ていたのであろう水路もあり。いまは船の係留場所にもなっています。この水路の奥行き感、そそりません?
ラ・バースにはマスト、船の建造、セールメーカー、艤装品メーカーなど外洋レースで必要なあらゆるものが手に入ります。ロリアンにはライフジャケットやコンパスで日本でもおなじみのプラスチモの本社があり、敷地内には巨大な工場・倉庫があります
おもむろに潜水艦が展示されています(潜水艦博物館)。ラ・バースはかつてドイツ軍のUボート建造工場でした。その工場施設の一部は外洋レースチームのメンテナンスヤードにもなっています
DMG MORI セーリングチームもチーム専用ヤードがあり、ただいま初レースを終えたばかりの新艇Mini6.50がメインテナンスしていました
その大きさにド胆を抜かれた32メートル(102フィート/ウルティムクラス)トライマラン〈バンク・ポピュレール〉。この船で世界一周最短記録を狙います。
この〈バンク・ポピュレール〉はフォイル付き。つまりフルで飛びながら世界一周をしちゃおうという怪物マシンなのです
前回のヴァンデ・グローブではリタイアしましたが、最新装備を備えた〈HUGO BOSS〉はスイスの〈HUBLOT〉(スキッパー:アラン・ロウラ)へ。どこからの乗り込むの?といわんばかりの密閉されたキャビンで、すべて船内で操船する仕組みです(外の様子は設置されたカメラの映像で確認します)。まじ宇宙船
DMG MORI セーリングチームは今年2月に日本からフランスへ船が戻り、整備が終わってようやく進水。セールを取り付けてこれからテストセーリングがおこなわれます
新メインセールを運ぶDMG MORI セーリングチーム。重量はなんと111キロです!
ヴァンデ・グローブ2020-21の優勝艇〈Maître CoQ IV〉は〈Groupe APICIL〉(ダミアン・セギャン)となり次回大会へ出場します。ダミアン・セギャンは片手のないハンディキャップセーラーでパラリンピックの金メダリストです
要塞の壁にどどーんとフランス・カマスの顔が。フランク・カマスはフランス外洋ヨットのスター選手で、アメリカズカップ〈Groupama〉、リオ五輪ではナクラ17級にも挑戦しました。編集長はどこかでエレベーターが一緒になりましたが意外と背が低い
顔を拡大してみると人間の顔でコラージュされていました
こちらがラ・バースにあるセーリング博物館。正式名称はCité de la Voile Eric Tabarlyといって、エリック・タバリー・セーリング館というのが正しいようです。エリック・タバリー(1931-1998年)とはフランスのオフショアヨットレースに大きな影響を与えた伝説のセーラーです
セーリング博物館の展示室はこんな感じです
館内はセーリングに関するエキシビジョンがいくつも。ビジュアルで楽しく見られるように工夫されています。この場所はキールやフォイル、ハル形状の展示室です
施設内では遊びながらセーリングを学べます。大きなプールがあってラジコンヨットで船を動かすことができます(写真左側に大きなファンがあって風を作っています)
コントローラーはラダー操作とセールの出し入れ。7艇のラジコンヨットを使って遊べます
こちらではラットによるヨット操船を体験できます。モニターの船の動きと連動して、表示される指示に従ってラットを操船。タイムを競ったりできるようです
ここも子供向けの場所でクルージングヨットのキャビンをぶった切って展示。子どもたちが船の中に入る感覚で遊べます
近くに立つとアルメル・レ・クリーチ(ヴァンデ・グローブ2016-17大会優勝)がケープホーンを回航した当時のメッセージが流れました。フランス語なので何を話しているかわかりませんが
一般的なクルーザーヨットの艤装品が紹介されています
タッチパネルに触れて風の来る方向と船の関係を学べます
おもりを乗せてヒールバランスについて学ぶおもちゃ
こちらはバッテリーコーナーで水力発電、ソーラー発電が紹介されていました。水力発電のwatt&seaはヤニック・ベスタベン(ヴァンデ・グローブ2020-21大会優勝)が考案した商品です
こちらは日本でも人気のeSailing(ヴァーチャルレガッタ)コーナーでヨットレースをゲーム感覚で学ぶことができます
eSailingのコーナー。6人で対戦できるようです。eSailingのバーチャルレガッタはフランスが発祥です
こちらは船体構造の素材。結構詳しく紹介されていて、セールの素材コーナーもありました
番外編:DMG MORI セーリングチームでは毎週2回フランス語を学んでいて、白石康次郎、國米 創、三瓶笙暉古の3選手が出席しています。先生はクララ先生といって、英語とフランス語で進んでいきます。おもしろそうなので編集長も授業に参加してみましたが、ぜんぜん分かんなかった