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外洋学連セーラーの祭典「ANIORU’S CUP 2022」を振り返って

 日本学生外洋帆走連盟(外洋学連)には、キールボートを中心に活動する9大学が加盟しています。それぞれのクラブによって艇種はさまざまですが、大学の枠にとらわれず、合同練習会や安全講習会といったイベントを企画・運営しています。(レポート/前田真穂 ANIORU’S CUP 2022実行委員長、神戸大オフショアセーリング部4年)

三河湾の奥、三河みとマリーナ沖で開催されたANIORU’S CUPは外洋学連に所属する9大学によるキールボートレースです。J/24はチャーター艇で毎日に乗りかわってレースしました

 そのひとつである「ANIORU’S CUP(外洋学連杯=アニオールズカップ)」は、毎年3月に開催している当連盟主催のレースです。各校の部員のほとんどが大学からヨットに乗り始め、さらにそれが稀有なキールボートであるということもあり、本大会はホームのような存在です。

 また、この大会の企画・運営は4年生が行い、3年生以下が選手として出場するため、引退した先輩から現役の後輩へのプレゼントとも呼ばれています。

 本大会は3年ぶりの開催となりました(コロナ禍で2020年、2021年は中止)。3月12日、13日の2日間、愛知県三河みとマリーナのJ/24をチャーターし、最大8レースの予定でワンデザインボートによるレースを実施しました。

 出場校は、神戸大、東京大、慶應大、部員数が少ない大学による合同チームの学連選抜(オープン参加)、2021年大会に出場予定だった神戸大OB(オープン参加)の5チームです。

 初日は強風、2日目は微風の予報だったたので、1日目に1日の最大レース数の5レースを実施。選手たちは強風のコンディションの中、最後まで集中力を切らさずに帆走り切りました。

優勝を飾った神戸大(写真赤艇)。本大会は3年ぶりの開催で、この期間出場できなかったOBチーム(黄艇)、大学単位で出場できなかった選手による学連選抜チームもオープン参加しました

 2日目は、予報通りの微風のコンディションで、風の振れもかなりありました。最終レースの時点で、神戸大が東京大を1点リード。ここでコース設定を失敗してはレース結果も変わってしまうと、運営側にも緊張が走り、第8レースは長いAP掲揚の後にスタートしました。

 圧倒的なボートスピードを持つ神戸大と確実なコース選択をする東京大は、回航のたびに順位が変わる白熱したレースを展開。第4レグはまるでマッチレースのようでした。

 また、トップ2艇の争いはもちろんですが、レースごとにボートスピードをどんどんあげていった慶應大、合同チームにも関わらず見事な連携を見せてくれた学連選抜チームも競り合うなど、見ごたえのあるレースが繰り広げられました。

 2日間のレガッタで8レースを消化しましたが、レースごとにボートスピード、スタートの精度、クルーワークの正確さが上がっていく後輩たちの成長を見て、やはりワンデザインかつ2日間のレガッタにこだわって開催した意義があったと実感しました。

 この大会を通じて、選手同士の交流も深まり、大会終了後にさっそく合同練習の計画をしている選手がいたのも見逃せません。また、学連選抜合同チームは、コロナ禍で新歓がうまくいかない大学においても、活動方法の一例になったかと思います。

神戸大と接戦を繰り広げた東京大。東京大クルーザー班〈仰秀〉は普段J/24で活動しています(写真緑艇)
ANIORU’S CUP 2022 最終成績
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