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WASZP/ワスプでフォイリング対決!第3回 SAILFAST CUP

  11月27、28日、葉山港で「SAILFAST CUP for WASZP」が開催されました。本大会は中学生から新社会人までの若手中心の選手12名が集い、主催者の用意した6艇のWASZPで乗員交代を繰り返しながら、全24レースを行いました。(レポート/後藤大志 葉山町立南郷中学校2年)

6艇のWASZPを使って開催された第3回SAILFAST CUP。参加12名が2日間で24レース実施しました。24レースも?と思われる方がいるかもしれません。早いテンポで効率よくできるものもWASZPならではです

 選手の中には東京オリンピック49erFX代表の山崎アンナ選手や、SAIL GPターラント大会に参加した中村大陽選手など、日本を代表する選手が多くいました。

 初日は北風の微風から強風まで、フォイリングできたりできなかったりのコンディションで、風をよくみて常にブローをつかめた選手が上位をキープしていたように思います。後半に差し掛かると、初めタイムリミットにかかっていた選手もフィニッシュできるようになり、選手たちの技術向上が目に見えるようでした。

レース海面は葉山港近くでおこなわれました。スタートはリーチング(写真)。トップスピードで第1マークへ向かってくる様子は迫力満点です
コース図。リーチング・スタートから1マーク回航〜ダウンウインド、2マーク回航〜アップウインド、そして1マーク回航〜リーチングでフィニッシュゲートを通過。1レース10分程度の超高速レースです
中学2年生、後藤大志選手(大会レポート筆者)。普段はオプティミスト級に乗っていますがフォイリングの姿もきまってます

 初日は山崎選手が1レース目以外6レーストップの好スタートを切り、2位の小柳選手、3位の岡田選手を含めた上位3名とそれ以外の選手には技術面に差が出ていたと思います。特にタックジャイブができるかどうかは勝負の命運を分けたようで、最初の風下レグのフォイリングジャイブで大きな差が生まれました。

 2日目は、ガスティーなコンディションでフォイリングを続けることが難しく、ラルに入ったときや、パフが入ったときの瞬時の対応ができる選手が上位に入りました。

 2日目となると、フォイリングに慣れてきたり、感覚を取り戻したりした選手が増えてきて、よりハイレベルなレースになりました。またフォイリング技術だけでなく、スタートする技術も上達し、後半は混戦のスタートも多かったように感じます。

 結果は上位3名の顔ぶれは変わらず、山崎アンナ選手の優勝となりました。予定の24レースが終わると、エキシビジョンマッチとして、普段他のフォイリング艇に乗っている大人たちによるガチ対決や、SAILFAST CUP 上位3名とエキシビジョンマッチの上位3名によるグランドチャンピオンシップも行われ、大会は大盛り上がりでした。

 僕は、この大会に参加できることがとても幸せでした。フォイリングによって、別次元の船を体感することが、自分にとってとても良い刺激であり、リフレッシュになるからです。まだフォイリングを体感できていないセーラーの方には、ぜひあの爽快感を味わってもらいたいです。

 また、すでに乗ったことのある方には、その楽しさを広めていってほしいです。WASZPにチャレンジできる機会はこの先少なくないと思うので、次回にはフォイルジャイブを習得して大会でも上位に食い込めるように頑張っていきたいです。

第3回SAILFAST CUP for WASZP成績
第3回SAILFAST CUP優勝の山崎アンナ(日体大)。東京五輪49erFX日本代表選手で、2016年葉山モスワールドにも出場した実力選手です
総合2位。エキシビジョンレースでトップフィニッシュを飾った小柳倫太郎(日本大3年)。2021年は全日本インカレ470クラス優勝を牽引しました
3位入賞の岡田爽良(藤沢総合高校3年)。高校時代は主にレーザーラジアル級で活動。10月の葉山モス級全日本選手権にも出場しました。いま国際的な外洋レースに興味がある、とのこと
レース後におこなわれた上位3選手とベテラン3選手によるエキシビジョンレース。風はなくなりましたが、フッと入る風で確実にフォイリングを決めた小柳選手が勝利しました
オリンピアン(ロンドン五輪470代表)、日本SailGPに所属する梶本和歌子選手もエキシビジョンに出場しました
海上運営は3艇のRIB。乗り換え制なので毎レース選手が交代する仕事も兼ねました
宮野 鴻(日本大4年。スナイプクルー)
田原瑠華(高校3年。葉山町セーリング協会。420クルー)
本多佑基(日本大4年。470スキッパー)
池田隼太(日本大2年。470クルー)
中山由菜(日本大3年。470スキッパー)
第3回 SAILFAST CUP参加選手12名。2日間のレースで急激にフォイリングが上達しました
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