五輪を目指してユースが活躍!49er、FX、29er全日本選手権
10月24日、葉山で開催された「第20回全日本49erクラス選手権」「第6回全日本49erFXクラス選手権」「第20回全日本29erクラス選手権」最終日は、北東の風10ノット前後の絶好のコンディションでレースがおこなわれました。(BHM編集部)

29erは市橋愛生/後藤凛子(玄海セーリングジュニアクラブ/SAILFAST)、49erは古谷信玄/高柳 彬(SPN)、49erFXは田中美紗樹/永松瀬羅(豊田自動織機)が優勝を飾りました。
ナイナー三種目同時開催でおこなわれた全日本選手権。オリンピック、そして五輪へつながるユースワールド種目でありながらも、国内の大型大会(インターハイや国体)で採用されていないことから、一部の選手しか経験ができない種目になっています。バルクヘッドを読んでいるみなさんも、乗ったことがない、という方がほとんどでしょう。
しかし、今回は「NF_HOPE育成プログラム」でトレーニングする10代セーラーも多く参加して、見ごたえのあるレースが繰り広げられました。世界のセーリングに追いつくためにはスキフ種目を避けて通ることはできません。興味のある方は、ぜひナイナー種目の門を叩いてほしいと思います。






東京五輪に向けて八山慎司と組んでいた古谷は、昨年3月から470級の高柳 彬と新チームを結成。古谷は全日本6連覇、高柳は初優勝を獲得。ふたりは来年から国際大会、アジア大会、そしてパリ五輪の出場を目標に舞台を世界に広げて活動する予定です。
「コロナ禍で思い通りに活動できない1年でした。東京五輪のため相模湾の練習が難しい時期もあり、主に和歌山で合宿形式(スキフ合宿)で集中的に練習することが多かったです。(この全日本を振り返って)艇数が増え、若手も増えてきたのが、すごく印象的な大会でした。まだ、実力差はあるけれど、来年には優勝を争うような戦いができればと期待しています」
「49erに乗るため体重を10キロ以上増やしました。これから筋力をあげ、肉体改造をしていきたい。1レースだけ高校生に負けてしまった。1位取ったレースもミスがあったりしている。内容をしっかり見て改善していきたいです」(高柳)


470で活動した田中と早稲田大の3年先輩の永松と組んだ新チーム。今年4月から活動を開始して、パリ五輪を目指して本格的に活動を開始しました。夏から山田 寛がコーチ、石嶺 忍がトレーナーに付きチーム体制も整ってきました。
「コロナで遠征ができずレース経験を積めないのが厳しいことでしたが、蒲郡でもひたすら乗り込んだり、JSAFが主催するスキフ合宿に参加できるときは参加して皆とトレーニングしています。今年は基本動作練習に集中できたので、良かったのかなと思っています。ただ、いまの実力はまだゴールドフリートに絡めるかどうかのレベル。これから強風でもしっかり走れるように経験を積んでいきたい」(永松)
「470と勝手が違うし、最初はコケたり、落ちたりのオンパレードでした。いまはだいぶ様になってきたと思います(笑)。レース練習は合宿でやっていたので変わらないと思っていたけれど、全日本となると失敗できない気持ちが強くあり、いまの自分では反復練習のようなものが足りてないと感じました。失敗しないを意識すぎてミスすることもあった。レース(大会)の重要性を再確認しました」(田中)


ジュニア時代から活躍する高2コンビ。市橋(早稲田佐賀高)はシングルハンドでも活動し、今年のインターハイでは4位を獲得。後藤(横浜市南高)とは遠距離ながらも12月にオマーンで開催されるユースワールドを目標に、週末を利用して活動しています。
「レースの感触はとてもよかったです。前を走れたのはとても良かったけれど反省点もありました。上マーク回航やタックジャイブやいろんなところでミスしていた。ユースワールド前に気づけてよかったです」(後藤)
「速い船が好きなので楽しく乗っています。今回は振れる海面で、ヘッダーを長く走る場面がありました。スピードでカバーして優勝できたけれど、ユースワールドはそうはいかない。もっと周りを見てコースを学ばなければと実感しました」(市橋)


- バルクヘッドマガジン・フォトギャラリーhttps://junhirai.photoshelter.com/archive
- 葉山で開幕。49er、49erFX、29er合同2021全日本選手権https://bulkhead.jp/2021/10/85861/