相模湾ミドルボート本格始動!ゴールンデンウィークレガッタ
5月2〜4日まで相模湾で「ゴールンデンウィークレガッタ2021」が開催されました。初日は荒天によるレース中止、2日目は強風で4レース、最終日は軽風3レース。合計7レース実施され、Aクラス/SAMURAIディビジョン〈GAIA〉(K36SAMURAI)、Bクラス/ミドルボート〈VOGUE〉 (JND 36)が優勝を飾りました。(BHM編集部)
夏休みとゴールデンウィークは全国的にヨットレースイベントが盛り上がる時期です。しかし、今年は新型コロナによる首都圏の緊急事態宣言、まん延防止措置の適用で多くの大会が中止・延期になりました。本大会では十分な感染拡大の防止をすることで神奈川県等に許可を得て実施された経緯があります。
今年に入って多くのヨットレースが軒並みに中止されている現状です。「ゴールンデンウィークレガッタ」はクルーザーオーナー有志が議論を重ね、表彰式・パーティをおこなわず、人との接触を最低限にすることで開催に至りました。
参加したのは関東で活動する33〜42フィートのクルーザーレーサーを中心に福岡〈ENTERPRISE LILY〉(K36SAMURAI)、関西〈GRAN Desse〉(X35)を含めた17チームです。今年、主だったレースがおこなわれていないため、シリーズレースとしては2021年初のレガッタとなりました。
◎7月全日本を目標に活動するミドルボート勢
本大会で編集部が注目したポイントは2つありました。関東ミドルボートの現状と新展開を見せるSAMURAIグループの動きです。
約30〜36フィート(LH=8.90m以上11.00m未満)のカテゴリーとなる日本独自の「ミドルボート」は日本で最も人気の高いクルーザーレースです。20代のセーラーも多く参加し、船をチューンナップしながら選手権やシリーズ大会を目標に腕を磨いています。
選手たちの目標は全日本選手権で、今年は7月に三河湾で開催されます。前回大会(2019年)は初めて相模湾で開催され、総合成績は、1位関西〈NATSUKO〉(X35)、2位関東〈PROPAGANDA〉(A35)、3位関東〈VOGUE〉 (JND 36)の結果になりました。
関東ミドルボート勢は打倒〈NATSUKO〉を内に秘め、毎週の動作練習に加えて、蒲郡に向けて軽風対策を熟考しているという現状です。
「これまで練習を積んできたので、風が吹き上がった時の動作は問題ないし順位も安定しています。課題は風が弱い時で、どうしてもパフォーマンスが落ちてしまう。夏の蒲郡の風がそれほど期待できないとすれば軽風レースが勝敗を分ける。全日本には可能な限りの軽風対策をして挑みたい」(三部泰誠 VOGUEヘルムスマン)
全日本ミドルを制覇した歴代成績は別表の通りです。上位が三つ巴の戦いを繰り広げているのがわかるでしょう。今年の全日本ミドルボート選手権は7月16〜18日、ラグナマリーナ蒲郡で開始される予定です。
◎相模湾に集まったSAMURAI36によるレガッタ
また、今年に入ってSAMURAI36の動きが活発化してきました。金井亮浩(ACT)設計によるSAMURAIは、現在全国に5艇進水しています。
昨年、関東で活躍する〈LUCKY LADY〉チームが購入し、福岡の〈ENTERPRISE LILY〉が相模湾に船を移動させことで、かねてから企画されていた同型5艇によるレースが実現する流れにあります。
遠方のクルーザーレースに出場するには、船を回航しなければなりません。福岡の〈ENTERPRISE LILY〉は約1年間を相模湾でレース活動することに決め、関東のSAMURAIグループに合流。全国のSAMURAIが揃い、今後の相模湾のクルーザーレースでは新規カテゴリーが設けられることになりました。
「同型で戦うレースはおもしろく盛り上がっています。ENTERPRISEは大学ヨット部を卒業して社会人になったばかりの選手も多いので、練習時間をとるのは大変ですが楽しくやっています。相模湾のレースはチームが成長する良い経験になりそうです」(吉岡岳史 ENTERPRISE チームキャプテン)
ミドルボートクラスにも所属するSAMURAIは、6月19、20日に5艇による「SAMURAIレガッタ」を開催する予定です。ミドルボートクラスには、五輪選手、470/スナイプ全日本の上位入賞者、インカレ出身選手が多くチームに所属しています。ディンギーとクルーザーレースを並行して活動するセーラーにも注目です。
- 初夏の風を受けゴールデンウィークレガッタ開催。2日目成績https://bulkhead.jp/2021/05/82551/
- 全日本ミドルボート選手権2021(公式)https://japan-mba.net/zen_midd2021/