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80日間世界一周レース、ヤニック・ベスタベンが大逆転!

 ヴァンデ・グローブの決着は大方の予想をくつがえす劇的な幕切れとなりそうです。1月27日、現地時間20時35分47秒に〈APIVIA〉チャーリー・ダリンがフィニッシュ。11月8日のスタートから80日6時間15分47秒のタイムでした。(BHM編集部)

ベスタベンのフィニッシュは28日3時19分でしたが、海上が荒れているためにライブ中継できず。のちほど落ち着いた場所でライブが始まる予定です

 運命を分けた1月27日はドラマの連続でした。〈APIVIA〉のトップフィニッシュ後、優勝の行方は救済時間を持つボリス・ヘルマン〈SeaExplorer – Yacht Club de Monaco〉 ヤニック・ベスタベン〈Maître CoQ IV〉、ジャン・ル・カム〈Yes We Cam!〉に絞られました。

 ヘルマンはダリンよりも6時間以内、ベスタベンは10時間15分以内、ル・カムは16時間15分以内にフィニッシュすれば逆転する図式です。

 一時、順調に船足を伸ばし優勝圏内につけていたヘルマンは、信じられないことに100マイル以内で漁船(トロール船)と衝突。アウトリガー、バウスプリット、フォイル破損、ジェネカーが破れたい状態のままセーリングせざるをえず、艇速も16ノットから8ノット弱に落ちてしまいます。

 一方、ダリンと逆の西側からアプローチしたヤニック・ベスタベンは猛烈なスピードで追い上げ、前方のトーマス・ルヤント〈LinkedOut〉の追い抜きに成功しました。

 ベスタベンは現地時間28日3時44分46秒にフィニッシュ。救済時間を含めたタイムは80日3時間44分46秒となり、2時間31分1秒差でベスタベンの逆転が決定しました。

 ベスタベンはラ・ロッシェルで活動する(48歳)のベテランで、ミニトランサット、ジャックバーブル、ルートドラムで活躍しました。ヴァンデ・グローブは2008-09年大会(リタイア)以来2度目の挑戦で、2015年進水の旧世代IMOCA(旧SAFRAN2)を改造して出場しました。

 本大会ではインド洋で遭難したケビン・エスコフィエの救助活動にレースを一時中断して協力し、その後、南氷洋レグでトップに立ち1位でケープホーンを通過。しかし、それから荒天の中でバウ部分を損傷(バウスタンション、ジブ・ファーリング)。いくつかのセールを使用できず順位を5位まで下げることになりました。

 フィニッシュ前日までのベスタベンは10時間の救済時間を含めても逆転ボーダーラインで、優勝の可能性はヘルマンの方が高かったといえます。

 80日間世界一周レースの幕切れは、だれも予想できない筋書きとなりました。ベスタベンの勝利はル・カムとの時間差がなくなり、逆転される可能性がなくなった時点で確定します。

◎ヴァンデ・グローブ上位成績 1/28 時点
1 Yannick Bestaven〈Maître CoQ IV〉80日3時間44分46秒
2 Charlie Dalin〈Apivia〉80日6時間15分47秒
3 Louis Burton〈Bureau Vallée 2〉80日10時間25分12秒
4 Thomas Ruyant〈LinkedOut〉80日15時間22分1秒

着順1位 チャーリー・ダリン
着順2位 ルイス・バートン
漁船との衝突の様子を報告するボリス・ヘルマン
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