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万全のコロナ対策で実施。オプティミスト級「SAILFAST CUP」

 1月9〜11日の3日間、葉山沖を舞台に「SAILFAST CUP」が開催されました。昨年夏のスナイプクラスに続き、第2回目はOPクラスが対象です(レポート・写真/SAILFAST)。

昨夏のスナイプ級に続いて開催されたOP級による第2回SAILFAST CUP。SAILFAST社が「コロナ禍でも安全を十分配慮して、ジュニア・ユース選手にヨットレースをやらせてあげたい」という思いから、同社が企画運営するヨットレースです

 SAILFAST CUPはクラス協会公認の大会ではなく、あくまでレース形式のマーク練習会ではありますが、運営体制は「本気モード」です。限りなく公式レースに近い緊張感をもって進行しています。加えてコロナ禍の中でも安全かつ効率的にレースができるように以下の点に特に配慮しました。

1 エントリー、支払い、公式掲示、健康チェック、出着艇申告の完全オンライン化
2 密を避けるため陸上本部はなし
3 レース中にも予告時刻やUFDの有無、回航の写真や動画をオンラインで即時に共有
4 毎レース終了後すぐに暫定成績を出し、上位3艇のカラービブスもレース毎に交換
5 最終レースのフィニッシュ後、そのまま海上で賞品を授与
6 開閉会式やブリーフィングなど、陸上でのイベントは一切なし

 神奈川近郊を中心に39艇がエントリー。昨年11月の全日本選手権トップ10のうち6名が参加し、初日から熱いレースが展開されました。

 相模湾では珍しい真西の風だったこともあり、霊峰富士をバックにOPのセールが丸々隠れるほどの高波が押し寄せる様子は、まるで北斎の版画のよう。4レースを1-3-1-2と圧巻の走りでまとめた菅澤選手が暫定首位で初日を終えます。

 2日目は打って変わって北東からの微風コンディションです。第5レースは順調に第3レグまで進行していましたが、ゲートマークのアンカーが流れてゲートが閉じてしまい、残念ながらノーレースに。

 その後は時間の経過に伴って風が落ちていき、結局この日成立したのは1レースのみ。ただこのレースで1カットが入り、第5レースが痛恨のUFDだった堤選手は暫定2位を守ることができました。

 最終日はできるだけレースを消化するため開始を30分早め、終了も30分延ばし、果たしてその狙い通り北東のフルパワーコンディションで5レースが成立しました。

 選手たちも勘を取り戻してきたのか、スタートはすべてオールクリアで、序盤のような極端な出遅れも減り、レガッタを通じて徐々に全体のレベルが上がったように見えます。

 特に3位争いは熾烈で、赤いビブスは毎レースごとに違う選手に渡りました。第9レースで自身初トップフィニッシュを飾った上野選手が、最終レースでタイブレークの激戦を制して3位入賞。

 初日から1-2位を譲らなかった菅澤・堤両名とあわせ、上位3名のみに与えられるワスプチャレンジ権を獲得しました。また上位6名にはZhik製品が海上で手渡されました。

 終わってみれば全10レースで2カットに到達し、選手たちのレース経験不足を補うという当初の目的は達成できたと思います。2月の選考会でNT入りを目指す選手たちは、上位陣と何が違うのか、
自分のどこを伸ばせばさらに上に行けるのかがこの3日間で明確になったのではないでしょうか。

 緊急事態宣言が発令されている中での開催となり、大会趣旨を理解していただいた方々に、あくまで自己責任で参加していただきましたので、成績表にはあえてクラブ名を記載しませんでした。

 政府が発令した宣言を確認したところ、ヨットレースは自粛の対象に含まれていません。上記のように陸上での接触を減らし、オンラインツールをうまく活用することで、日常生活よりも感染リスクの低いヨットレースを実現することは可能です。

 ジュニア・ユースのセーリング機会がこれ以上奪われることのないよう、大人たちが知恵を出し合っていきましょう。

第2回 SAILFAST CUP OP級 成績
CATEGORY:  DINGHYINSHOREJuniorNEWS
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