アルゼンチン沖、イザベル・ヨシュカ〈MACSF〉が走行困難に
南米大陸南端ケープホーンを回航し、最終の大西洋レグに入った世界一周ヴァンデ・グローブ。トップグループはフィニッシュまで6000マイルを切り、順調のように見えますが、選手たちはトラブルと戦っています。(BHM編集部)
1月9日、イザベル・ヨシュカ〈MACSF〉のキール油圧システムの故障(シリンダー破損)からボート制御が不能に。30から35ノットの荒れた海のなかメインセールをおろして避航しています。
ヴァンデ・グローブで使用される60フィート艇(IMOCA)は可動式のカンティングキールが設置されています。巨大なセールからくるパワーをたった一人で抑え込んで走らせられるのは、カンティングキール、ダガーボード、ラダーといった水面下のボードでバランス(揚力)を保っているからです。
イザベル・ヨシュカ〈MACSF〉は、キールの故障によりパワーバランスを保てなくなり走行はむずかしい状態となっています。現在アルゼンチン沖の〈MACSF〉は低気圧を避けるため進路を北東へ向けて走らせています。
〈MACSF〉は1月3日にキールの油圧シリンダーロッドが外れたため、カンティング(左右に移動させる)することができなくなりました。応急処置として垂直に固定させるロッドを取り付けましたが、このロッドが破損して船は不安定な状態にあります。
〈MACSF〉のレース続行は不可能で、大会組織委員会はイザベル・ヨシュカの安全を最優先に、彼女ができるだけ早く港に到着できるようにサポートしています。
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