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ようこそキールボートの世界へ! 第3回和歌山カップ・レポート

 12月19、20日、和歌山セーリングセンターで「第3回和歌山カップ」が開催されました。この大会はJ/24を使ったフリートレースとマッチレースによるキールボート大会で、学生選手、社会人選手12チームがエントリー、コロナの影響で2チームキャンセルされ合計10チームが出場しました。(BHM編集部)

和歌山で開催されたJ/24による和歌山カップ。10チームが参加、初日はフリートレース、2日目はマッチレースでおこなわれました

 この大会は和歌山で活動するシエスタチームの企画で実現した若手キールボート選手育成を目的にしたレガッタです。今年で3回目を迎えますが、人づてに広まり、エントリー開始6時間で上限の12チームの申し込みがあり締め切りとなったという人気ぶりです。

「J/24和歌山世界選手権の時に集めた船を使って、若いセーラーにキールボートを経験してもらおうと始めた大会です。船を持ち込まないでカラダひとつで参加できるし、エントリー費が無料(デポジット有)の気軽な大会です。レース前日に練習をして、初日にフリートレース、最終日にマッチレースを経験します。和歌山カップを経験してマッチレースやキールボートに進んでいってもらえたらうれしいですね」(今井信行・和歌山カップ実行委員長)

◎東京大、京都大、ヨット部OBらもキールボートを体験

  大会初日は冷たい風が吹く北西15ノット前後で5レース実施。決勝は上位6チーム、下位4チームに分かれてラウンドロビンがおこなわれ、ファイナルの順位決定戦で決まりました。

 参加選手の多くはキールボート未体験です。慣れないキールボートの操船に手こずりながらも楽しんでセーリングしているのが印象的でした。

東京大・仰秀
「普段はJ/24で活動しています。今年は大きな大会が自粛され、全日本選手権がなくなり、練習する時間が限られていました。この大会は2年前に先輩が出場して、無料で参加できることもあり、ぜひ出場してみたいと思っていました。今回は世代交代となってはじめての大会出場で、初日の波の悪いコンディションは大変でしたが、普段乗っている小網代とも違って良い経験ができました」(中野 陽 クルーザー班主将)

京都大ヨット部
「先輩がJ/24に乗っているのを見て楽しそうだと思っていました。ヨット部を引退してこれからセーリングから離れることになるけれど、いろんなヨットに乗ってみたいという気持ちはあります。来年3月の大学対抗&U25マッチにヨット部を引退した4年生で出場します。その練習も兼ねてエントリーしました。今回、キールボートに乗るのはみなはじめて。これから大学対抗&U25マッチを目標にトレーニングしていきたいと思います」(村上大介)

 上位6チームによる決勝ラウンドロビンでは、出道耕輔、加藤文弥、牧野碧依が3勝1敗で同率首位に。タイブレイクにより順位決定戦は、出道対牧野の優勝争いとなりました。

 ファイナルマッチでは、スタートで出道が先行し、そのままのリードを保って出道有利でレースが展開します。しかし、牧野はダウンウインドで追い上げ追いつきに成功。フィニッシュ手前で有利位置についた牧野はジャイブ後、ポートの出道をスターボードで蹴ろうとしますが、ここでアンパイアからホイッスル。

 15条(航路権。相手に避けるためのルームを与える)違反となり決着。出道は辛くも逃げ切り、第3回和歌山カップ優勝を飾りました。

「今回はタクティクス兼トリマーの市野を中心にみながそれぞれの役目を担当してくれたので、集中して走らせることができました。牧野選手とは接近戦になりましたが、なんと勝つことができました。エンジョイ優先のチームだったので楽しく乗れました」(出道)

 第3回和歌山カップはコンディションに恵まれ2日間の大会を終えました。和歌山カップを経験した選手たちが、キールボートに挑戦していくことを楽しみにしています。

優勝の出道チーム。左から出道耕輔、市野直毅、宇田川真乃、中川大河、児玉洋輝
1位2位決定戦は出道vs牧野。牧野は追い上げフィニッシュ手前で逆転したかに見えましたが15条違反でペナルティ
初日は10艇によるフリートレース。波の悪いコンディションで選手たちを悩ませました
大会会場となった和歌山セーリングセンター。コロナ禍で不確実だった2020年のセーリングの中心地となりました
使用するJ/24は和歌山セーリングセンターに保管されているボートがほとんど。シエスタチームが準備を担当しました
本大会はフリートレースでもオンザウォーター・ジャッジを採用。抗議する場合はマッチレースと同様にフラッグを揚げ、その場でアンパイアボートがジャッジします
第3回和歌山カップ 成績
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