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470大量DNFで波乱の幕開け。全日本学生ヨット選手権初日

 11月1日、和歌山セーリングセンターで「第85回全日本学生ヨット選手権」が開幕しました。出場するのは全国予選を勝ち抜いた470級24校、スナイプ級24校。大会は3日間おこなわれ、470級、スナイプ級のクラス優勝、そして両クラスの合計得点による総合優勝を競います。(BHM編集部)

和歌山で開幕した第85回全日本学生ヨット選手権。写真は第1レース上マークトップ回航を決めた近畿大

 本大会はコロナ禍でおこなわれる異例の大会となっています。マリーナへの入場制限、無観客試合、日程短縮、艇長会議をリモートでおこなう等、新型コロナウイルスに十分配慮したヨットレースです。

 マリーナへ入場するにも段階的にゲートが設けられ、選手、関係者は、必ず検温ゲートを通り、さらに今回はじめて導入された全身を次亜塩素酸水で消毒できるクリーンゲートを通って会場に入る流れになっています。

特別に用意されたクリーンゲート。次亜塩素酸水の霧で全身を消毒します。このゲートをくぐらないとマリーナへ入場できません
コロナ対策が設けられているため入場時は長蛇の列。しかし「今年は仕方のないこと」と理解して、みなが協力し合っています

 このような対応でおこなわれる全日本学生ヨット選手権は85回を迎える歴史の中ではじめてのこと。本大会がコロナ禍の「異例で特別な大会」であることを再認識します。

 コロナの影響は参加大学にもあり、たとえば四国470予選を勝ち抜いた徳島大は学校からの遠征許可がおりず、参加を断念することになりました(四国水域は準優勝の高知大が出場しています)。

 ほかにもヨット部の活動制限につていは大学や学科によってまちまちで、元通りの活動ができてない大学は少なくありません。そして、現在も活動できない大学もあるようです。

 本大会は「異例で特別な大会」ですが、出場する選手たちの熱気は例年と変わりません。制限があることは百も承知です。そのなかで最善を尽くし、2020年度の大学日本一を決める戦いがはじまりました。

 大会初日は、午前中から風が弱く、安定して吹き出すまで陸上待機。昼から海上に出てレースがはじまりましたが、残念ながら風が不安定です。一度、レースがキャンセルされ、仕切り直して再スタートしましたが、またしても風は落ちる傾向です。

 スナイプ級はコース短縮、470級はフィニッシュできたのがわずか16艇のみ(56艇がDNF)という波乱の幕開けとなりました。470級首位は慶応大、スナイプ級はワンツースリーを決めた早稲田大が暫定首位に立ちました。

 大会2日目は低気圧の影響で雨になり、風コンディションは不安定になる予報です。

◎第85回全日本学生ヨット選手権 初日 暫定成績
470級上位 1R終了時
1 慶応大 26p
2 早稲田大 77p
3 日本大 91p
4 関西学院大 95p
5 近畿大 148p
6 福岡大 153p

スナイプ級上位 1R終了時
1 早稲田大 6p
2 鹿屋体育大 26p
3 日本大 57p
4 中央大 77p
5 同志社大 78p
6 東京工業大 97p

大会初日は風が予報よりも弱く、北西風で1レースのみ実施しました
470級は52艇がDNFとなる大波乱です。写真は初日470トップに立った慶応470。この初日の結果が最終日にどう影響してくるのか。。。
関東水域予選で他校を圧倒した早稲田大スナイプが1、2、3位を独占しました。
全日本インカレは144艇が集まるビッグイベントです。和歌山セーリングセンターの敷地を十分に使って出場艇が配置されています
和歌山の海を知り尽くす岩出レース委員長。毎年インターハイのレース委員長を務めますが、キールボートセーラーにはJ/24〈シエスタ〉で何度も全日本優勝経験を持つ岩出選手といった方が早いでしょう
出艇前のブリーフィングも選手は集合することなく、自分たちのバースでマイクによる放送を聞きます。ハーバーにはヨット部独特の掛け声や円陣、エールを切る声も聞かれません。出場選手数が変わらないため人は多いと感じますが、例年のインカレとは違ってとても静かです
日没時は空一面に雲が広がり、低い位置だけに夕日が。大会2日目は雨になる予報です
第85回全日本学生ヨット選手権初日・470暫定成績
第85回全日本学生ヨット選手権初日・スナイプ暫定成績
第85回全日本学生ヨット選手権初日・総合暫定成績
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