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仲間を助けて勝つ!キールボート・チームレースで世界を目指そう

 みなさん、ヨットレースにいろいろな種類があるのをご存知ですか? オリンピックやインターハイ、国体、インカレ、種目別選手権大会では、数十艇が決められたコースを走り着順を競う、フリートレースが採用されています。日本で開催されているほとんどのヨットレースはフリートレースです。(BHM編集部)

2対2、3対3、4対4でも戦われるチームレース。ディンギー系は3対3、キールボートでは2対2で戦われることが多いようですが、開催地が用意するチャーターボートの数で異なります

◎アメリカやイギリスのインカレで採用されるチームレース

 また、アメリカズカップを代表とする1対1で競うマッチレースがあります。マッチレースは相撲やボクシングにも似ていて、ルールや戦術を駆使して戦う格闘技系ヨットレースと言えます。ヨットレースでは珍しく賞金レースがあるのも特長です。

 もうひとつ、味方チーム、敵チームに分かれ、2対2、3対3で戦うチームレースがあります。いま日本でいちばん関係のあるチームレースはオプティミスト級でしょうか。世界選手権のような国際大会では、必ず国別対抗のチームレースが大会期間中におこなわれています。

 アメリカやイギリスでは大学生のヨットレース(インカレ)でチームレースが採用されているので、ご存知の方もいるかもしれません。また、国際的にはワールドセーリング主催によるチームレース世界選手権が開催されています。

 日本では、毎年広島・観音マリーナでオプティミスト級、スナイプ級を使った全日本チームレース選手権がおこなわれ、2015年には社会人チームがチームレース世界選手権に出場しました。

チームレースの基本的なコース図。左から右へ流れていくN字型のコースでベルトコンベア式にレースが進んでいきます。1レース約10分で終わるので、1日何十レースもできます
スタート前のマニューバから戦いは始まります。相手チームを抑えながら味方を有利にするチームレース独特の戦い方です
ルールは、ルールブック(RRS)にあるチームレース・ルールが適用されます。ちなみに英語版ルールブックはワールドセーリングのサイトから無料でダウンロードできます
同じレグなら後ろに戻って攻撃を仕掛けることもできます。マーク際やフィニッシュライン直前は戦術を仕掛ける絶好の場所で、シバーをして相手を待ち伏せたり、大回りでタックして味方艇を先に行かせたり、将棋の定跡のような勝利パターンがあります

◎2021年グローバル・チームレース・レガッタを目標にトレーニング

 いまキールボートを使ったチームレースが世界で注目されています。9月27日、神奈川県三浦市油壷(油壷ヨットハーバー)で、J/24を使ったチームレースのトレーニングがあると聞き、バルクヘッドマガジンが取材しました。

 参加したのは、普段J/24で活動する〈月光〉、〈リップル〉、〈ピンクキッス〉の約20名。彼らが、目標としているのは、世界のヨットクラブ対抗でおこなわれる国際大会「グローバル・チームレース・レガッタ」です。

「第1回グローバル・チームレース・レガッタは、2018年にニューポートで開催されました。この大会に日本チームとして出場して、チームレースのおもしろさ、難しさを知りました。第1回大会は8位、2019年の第2回大会は11位。出場した感想は、チームの体制を整え、しっかり練習して挑めば勝てるという手応えをつかみました。いまはチームレースの練習をして、そのなかから日本チーム(2チーム)を作りあげ、メダル獲得を目標に活動しています」(小島広久・月光)

 ニューヨークヨットクラブ(NYC)の提案ではじまったグローバル・チームレース・レガッタは、ヨットクラブ対抗のチームレースです。出場クラブは大会主催のNYCから招待状が送られて参加することができます。

チームレース練習会に集まった選手たち。油壷で活動するJ/24チームを中心に、470級の市野直毅選手、木村直矢選手も参加しました。ほかにもインカレで活躍した選手たちがたくさんいます。目指すはチームレース世界一!
今回はJ/24を使用していますが、採用されるボートは開催地が決定します。2018年のグローバル・チームレース・レガッタではソナー級、2019年カウズ大会ではJ/70が使用されました
船をクイックにコントロールする技術が学べるのもチームレースの利点です(サイドステイを持ってヒールを掛けるのは、J/24のルールでは違反になりますので注意しましょう)

 第1回大会は2018年アメリカ東海岸ニューポート、第2回は2019年にイギリス・カウズで開催され、2020年はイタリア・サルディニアで予定されていましたが、新型コロナウィルスにより中止になってしまいました。

「チームレースは、マッチレースと似ていて、ルールと戦略を駆使して戦います。違う部分は、同じチームを助けるということ。2対2のチームレースは、1着を競うのではなく相手を4着にするゲームです(4位のいるチームが負け)。自分だけ速くてもだめで、マーク際やフィニッシュラインでは、先行艇が一旦戻って、後ろの仲間を助けるために戦術を仕掛ける。学生セーラーが、船の扱い方やヨットレースのルールを覚えるに最適なレースだと思います」(市川航平・月光)

 チームメイトを助けるという図式はフリートレースやマッチレースにはないものです。チームレースには、学校単位やチームで戦うおもしろさがあり、勝利したときの喜びも倍にふくらみます。

 油壷では、グローバル・チームレース・レガッタを目標に、J/24を使ってチームレースの練習を月イチで開催しています。興味のある方はぜひ参加してみていかがでしょう。

練習後のミーティングは、月光チームのクラブハウスで撮影したビデオを見ながら振り返りました。熱気あふれる若者たちを並木さんが見守ります
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