仲間を助けて勝つ!キールボート・チームレースで世界を目指そう
みなさん、ヨットレースにいろいろな種類があるのをご存知ですか? オリンピックやインターハイ、国体、インカレ、種目別選手権大会では、数十艇が決められたコースを走り着順を競う、フリートレースが採用されています。日本で開催されているほとんどのヨットレースはフリートレースです。(BHM編集部)
◎アメリカやイギリスのインカレで採用されるチームレース
また、アメリカズカップを代表とする1対1で競うマッチレースがあります。マッチレースは相撲やボクシングにも似ていて、ルールや戦術を駆使して戦う格闘技系ヨットレースと言えます。ヨットレースでは珍しく賞金レースがあるのも特長です。
もうひとつ、味方チーム、敵チームに分かれ、2対2、3対3で戦うチームレースがあります。いま日本でいちばん関係のあるチームレースはオプティミスト級でしょうか。世界選手権のような国際大会では、必ず国別対抗のチームレースが大会期間中におこなわれています。
アメリカやイギリスでは大学生のヨットレース(インカレ)でチームレースが採用されているので、ご存知の方もいるかもしれません。また、国際的にはワールドセーリング主催によるチームレース世界選手権が開催されています。
日本では、毎年広島・観音マリーナでオプティミスト級、スナイプ級を使った全日本チームレース選手権がおこなわれ、2015年には社会人チームがチームレース世界選手権に出場しました。
◎2021年グローバル・チームレース・レガッタを目標にトレーニング
いまキールボートを使ったチームレースが世界で注目されています。9月27日、神奈川県三浦市油壷(油壷ヨットハーバー)で、J/24を使ったチームレースのトレーニングがあると聞き、バルクヘッドマガジンが取材しました。
参加したのは、普段J/24で活動する〈月光〉、〈リップル〉、〈ピンクキッス〉の約20名。彼らが、目標としているのは、世界のヨットクラブ対抗でおこなわれる国際大会「グローバル・チームレース・レガッタ」です。
「第1回グローバル・チームレース・レガッタは、2018年にニューポートで開催されました。この大会に日本チームとして出場して、チームレースのおもしろさ、難しさを知りました。第1回大会は8位、2019年の第2回大会は11位。出場した感想は、チームの体制を整え、しっかり練習して挑めば勝てるという手応えをつかみました。いまはチームレースの練習をして、そのなかから日本チーム(2チーム)を作りあげ、メダル獲得を目標に活動しています」(小島広久・月光)
ニューヨークヨットクラブ(NYC)の提案ではじまったグローバル・チームレース・レガッタは、ヨットクラブ対抗のチームレースです。出場クラブは大会主催のNYCから招待状が送られて参加することができます。
第1回大会は2018年アメリカ東海岸ニューポート、第2回は2019年にイギリス・カウズで開催され、2020年はイタリア・サルディニアで予定されていましたが、新型コロナウィルスにより中止になってしまいました。
「チームレースは、マッチレースと似ていて、ルールと戦略を駆使して戦います。違う部分は、同じチームを助けるということ。2対2のチームレースは、1着を競うのではなく相手を4着にするゲームです(4位のいるチームが負け)。自分だけ速くてもだめで、マーク際やフィニッシュラインでは、先行艇が一旦戻って、後ろの仲間を助けるために戦術を仕掛ける。学生セーラーが、船の扱い方やヨットレースのルールを覚えるに最適なレースだと思います」(市川航平・月光)
チームメイトを助けるという図式はフリートレースやマッチレースにはないものです。チームレースには、学校単位やチームで戦うおもしろさがあり、勝利したときの喜びも倍にふくらみます。
油壷では、グローバル・チームレース・レガッタを目標に、J/24を使ってチームレースの練習を月イチで開催しています。興味のある方はぜひ参加してみていかがでしょう。
- 月光セーリングチーム・フェイスブックhttps://www.facebook.com/GEKKO-Sailing-Team-430562354054717
- 2019 Global Team Race Regattahttps://www.rys.org.uk/events/event-details/2019-09-25-global-team-racing-regatta-j70s
- 2018 Global Team Race Regattahttps://nyyc.org/2018-global-team-race