灼熱の和歌山JOCジュニアオリンピックカップ最終日
8月14〜16日までの3日間、和歌山セーリングセンターでおこなわれた「JOCジュニアオリンピックカップ 兼 JSAFジュニアユースセーリングチャンピオンシップ」。コロナ禍で多くの制約のあるなか、高校生のために何としても実現したいという願いから実現した大会は、安全・無事に終えることができました。(BHM編集部)

セーリング競技として今年最大規模となった本大会。今年は、インターハイ、国体が中止・延期となり、高校生たちが思い描いていたセーリングができない年になってしまいました。特に高校3年生は、この大会が高校生活最後の大会になる、という気持ちで挑み、限られた期間で練習を重ねてきました。
大会が開始された3日間は35度を超える猛暑日となり、熱中症も心配されました。実際には、暑さ対策をしっかりおこなっている選手よりも運営側の大人たちが先に参ってしまう状況で、高校生のパワーをあらためて思い知りました。
大会は軽風シリーズで6レース実施。特に風が不安定だった大会2日目は、海上待機が長くなることからハーバーバックを二度おこなうなど疲労する内容でしたが、最終日には12ノット前後まで風があがり、バランスの良いライトコンディションで大会を終えることができたと思います。
レースの内容は、コロナのため練習不足感は否めませんが、選手たちは久々のビッグフリートのヨットレースを楽しんでいる様子でした。大会を実現してくれた和歌山県セーリング連盟の尽力に感謝いたします。これは日本ナンバーワンの施設を誇る和歌山セーリングセンターだからできたことであり、日本にこうした環境があることを誇りに思います。
また、諸般の事情から出場できず、複雑な心境でいた高校生も多かったはずです。理由はさまざまでしょうが、今できることをやることが最善の方法です。この状況は好転していくでしょうし、きっとチャンスは巡ってきます。みなさん、また海でお会いしましょう。

和歌山工業高は女子4名、男子20名程で活動。赤松は和歌山ジュニア出身。山本は中学までテニス。「地元開催だし出たからには勝ちたいと思っていました。軽風は得意な方なので今回は条件が良かったです。以前より練習時間が減りましたが、自粛中はミーティングをするなど気持ちを下げずにやってきました」(赤松・左)「今年に入ってから組んだペアです。今回はコミュニケーションもうまく取れ、うまくセーリングできました」(山本)

ジュニア(OP)時代から活躍するコンビ。「自粛中は自主練が中心でした。今回、軽風のスピードがないので心配していました。それに吹いたらみんな速い。そのなかでも良いレースができたと思います。課題はスタートでもっと積極的になることです」(池田・左)「クルーを始めてまだ日が浅いので覚えることが多い。霞ヶ浦と違って波もあり、バランスを取るのが大変でした」(重松)。池田/重松は本大会MVPも獲得し、ノースセールジャパンよりセールフルセットが授与されました

服部は昨年度のJOC、インターハイ、国体、ラジアルユース全日本で優勝した実力選手。「今年はこの大会を目標に決めて練習してきました。この和歌山は軽風が予想されたので、江の島で軽風のダウンウインドを重点的にやりました。高校3年なのでこれが最後の大会です。優勝できてうれしい。課題としていたのはリスクを取らないコース取り、順位のキープ。大学ではヨット部に入ってセーリングを続けていきたいです」(服部)

「得点の近い戦いが続いていたので、毎レース緊張していました。得意な風域は6メートル以上で、軽風はあまり得意ではありません。今回のシリーズでは苦手な軽風戦で耐えて、最終日の中風で思い切り走れたのが良かったです。緊張するところがあるので、もっと余裕を持ってレースできるようになりたい。将来は先生になるのが夢なので、進学したら部活でヨットを続けながら教員になるための勉強をします」(須永)








- 和歌山セーリングクラブ(レース情報、成績等)http://www.wakayama-sailing.org/newsailingclub/joc/index.html
- バルクヘッドマガジン・フォトギャラリーhttps://bit.ly/30VRGIr