2021年開幕、第36回アメリカズカップを学ぼう。基本編(3)
アメリカズカップについて学ぶ企画第3弾。今回から数回に分けて次回アメリカズカップに出場するチームを紹介します。エントリーしているのは、前大会で優勝したエミレーツ・チームニュージーランド(防衛艇)、チャレンジャー(挑戦艇)4チームの合計5チーム。チャレンジャーの中から1チームが選出され、2021年に開催される決勝でエミレーツ・チームニュージーランドとカップを掛けて戦います。(BHM編集部)
第36回アメリカズカップ
防衛艇
チーム名:エミレーツ・チームニュージーランド
出場国:ニュージーランド(NZL)
ヨットクラブ名:【ニュージーランド・ヨットスコードロン】
挑戦艇
アメリカン・マジック(USA)【ニューヨーク・ヨットクラブ】
ルナ・ロッサ(ITA)【チルコロ・デラ・ベラ・シシリア】
イネオス・チームUK(GBR)【ロイヤル・ヨットスコードロン】
スター&ストライプス(USA)【ロングビーチ・ヨットクラブ】
※スター&ストライプスは参加費(1万USドル)の支払いが確認されておらず、まだレース第1号艇を進水させていませんが、出場辞退は発表されていません。
本来アメリカズカップはヨットクラブによる戦いです。132年に渡ってカップを防衛したニューヨークヨットクラブはその代表格ですが、近年ではアメリカズカップに出場するためだけにヨットクラブを作るチームもあり、幾度となく裁判沙汰となって、大会進行を遅延させる原因となりました。
特に2010年第33回大会では、挑戦者代表を巡って裁判(ニューヨーク州最高裁判所)が長引き、2年8カ月も大会が停滞してしまいました。結局、第33回大会は、防衛アリンギ(SUI)とBMWオラクル(USA)のたった2艇の戦いとなり、しかも2レースで終了し、アメリカが15年ぶりにカップを奪還する結果となりました。
ヨットクラブを代表して出場するという贈与証書(プロトコール)にある規則は今も変わりませんが、この要素が薄れてきているのも事実です。そのためチームの呼称は、スポンサー名が入ることもある名前で記されることが一般的になっています。
アメリカズカップの規則は、贈与証書と防衛者と挑戦者代表により決められたクラスルールに定められています。グローバル化する選手の国籍にも規則があり、クルー(船員)の20%はその国のパスポートを所持していなくてはならず、残りのクルーは2018〜2020年9月1日まで380日間、そのチームの国に移住する必要があります。
さて、次回は第36回アメリカズカップに出場するチームについて、個々に紹介していきます。
◎第36回アメリカズカップイベント
ワールドシリーズ(前哨戦)
2020年4月23〜26日 イタリア・カリアリ大会 ── 中止
6月4〜7日 イギリス・ポーツマス大会 ── 中止
12月17〜20日 ニュージーランド・オークランド大会
プラダカップ(予選・挑戦艇決定)
2021年1〜2月 ニュージーランド・オークランド
アメリカズカップ・マッチ(決勝・防衛艇対挑戦艇)
2021年3月 ニュージーランド・オークランド
- 2021年開幕、第36回アメリカズカップを学ぼう。基本編(1)https://bulkhead.jp/2020/03/72160/
- 2021年開幕、第36回アメリカズカップを学ぼう。基本編(2)https://bulkhead.jp/2020/07/74525/