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予選が終わっていない五輪セーリング。東京五輪はどうなる?

 いま世の中のキーワードは、中止、延期、自粛、控える。拡大する新型コロナウイルス感染の影響で、セーリング界も停滞ムードが続いています。日本国内では、相模湾をみている限り、いつもと変わらないセーリングの風景があります。しかし、日本だけでなく世界でもほとんどのヨットレースが中止、延期になっています。

東京五輪セーリング競技の開催地、江の島ヨットハーバー

 3月から5月に予定されていた世界選手権や欧州選手権、アジア選手権、アメリカズカップ、SailGP、プリンセスソフィア杯、ワールドカップ・ジェノバ大会、スナイプ・マスターズワールドの中止、延期がアナウンスされました。

 東京五輪はどうなるのでしょうか? 予定どおり開催する、年内延期、1・2年延期等さまざまなうわさが飛び交い、選手たちは気が気でないでしょう。セーリングファンならだれもが気になる話題ですが、世界、特にセーリングの中心であるヨーロッパの感染拡大をみると、進展できないのも無理はありません。

 イタリアでは世界最多の4825人(21日時点)が亡くなり、スペイン、フランス、ドイツなど欧州の国では、全国民に対して外出禁止令が出ています。また、アメリカは20日に全世界でビザ発給を停止しました。

 パンデミックの収束はだれもが願うことですが、五輪セーリングも他競技と同じようにオリンピック予選が終わっていません。東京五輪までのプロセスが途中で頓挫している状況です。

 4月に開催予定だったワールドカップ・ジェノバ大会は、ヨーロッパ、アフリカ、アジアの五輪出場国枠の最終選考でしたが、代替大会はまだ発表されていません。

 また、日本もセーリング10種目のうち男子1人乗り重量級種目のフィン級だけが代表選考を終えていません。フィン級は、5月にスペイン・マヨルカ島で開催されるゴールドカップ(世界選手権)が日本代表選考を兼ねています。大会の開催判断は、3月末までに発表されるとのことです。

 本来、セーリング競技は6月6日までに全ての予選を終える予定でしたが、選考が開催できない(代表選手が決まらない)ため、セーリング競技を統括するワールドセーリングは、IOC(国際オリンピック委員会)へ6月末までの期間延長を申請しました。しかし、パンデミックとなってしまっては、安全を確認できるまで変更計画の発表は難しいかもしれません。

 セーリング競技の場合、レース艇や道具、サポートボートの運搬という問題もあって、同じ地域で行われるならまだしも、大陸を越えてしまうようなら船積みでの移動となり、数週間から1カ月以上かかる場合があります。ほかの競技に比べて道具の多いセーリングは準備期間を必要とします。選考(大会)を開催するまでの猶予がなくなってきているのが現実です。

 オリンピックまで残り4カ月。残念ながら現状が好転する確かなニュースは聞こえてきません。いまは、健康・安全を第一に考えて行動し、あせらず、惑わされず、正しい情報をキャッチして、1日も早い収束を期待したいと思います。(BHM編集部)

◎東京2020セーリング競技・プログラム
男子1人乗り レーザー級
女子1人乗り レーザーラジアル級
男子2人乗り 470級
女子2人乗り 470級
男子スキフ 49er級
女子スキフ 49erFX級
男子1人乗り重量級 フィン級
男子ウインドサーフィン RS:X級
女子ウインドサーフィン RS:X級
男女混合マルチハル ナクラ17級

五輪日程 7月24日〜8月9日
セーリング競技 7月26日〜8月6日

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