歴史的快挙!全日本インカレ総合優勝慶應大、スナイプ優勝京都大
国内最大級のヨットレース「全日本学生ヨット選手権」が終わりました。第84回大会の成績は、慶應大が470優勝、両クラス制になってから初となる総合優勝を獲得。京都大が1982年以来のスナイプ優勝、国立大ヨット部で最上位となる総合5位。新時代到来を感じさせる鮮烈な大会となりました。(BHM編集部)
最終レースフィニッシュ直後、勝利を確信する柳内航平/出本稜太。「春は実力不足もあって悩んだ時期もありました。夏以降、コーチの指導で成長でき、それが自信につながりました」(柳内470チーフ)photo by Junichi Hirai
大会を振り返ると、軽風でおこなわれた初日2レースのあと、2日続けてノーレースとなる波乱の展開でした。11月にも関わらず日中上昇する気温により風が不安定で、両日ともスタートしたものの途中でキャンセルされ、なかなかレースができません。今年の全日本インカレは、初日2レース、最終日2レースで決着がつきました。
最終日もトリッキーな風で、トラピーズに出ていたかと思えば下デッキに座るようなイレギュラーなコンディションです。順位は変化しましたが、そのなかで際立つ活躍を見せたのは慶應大470でした。第3レースを1-2-11位、第4レースを2-3-4位という驚異的なスコアを見せ、前評判の高かった日本大470陣を逆転し、クラス優勝を獲得しました。
慶應スナイプ陣は初日第1レースの出遅れ(17位)から立て直し、最終的にはクラス5位へ浮上。ついに慶應大が総合優勝を手にしました。慶應大は戦前戦後のA級ディンギー時代に8回の優勝があるものの、2クラス制になってから総合優勝経験はありません。近年では、平成25年(2017年)の福井県若狭和田大会で470クラス優勝を果たし、今年ついに念願の総合優勝を手にしました。
「最終日は、ぼくたちのレースをして、スコアをしっかりとまとめることを意識しました。470チームのワンツーフィニッシュは出来過ぎでしたが、2、3日目の中止になったレースでも順位は悪くなく、良いムードで最終日を迎えられました。今年のチームは、セーリング以外の部分でも選手同士がすごくぶつかったし、すべてが上手くいった代ではありません。でも最後は一丸となって戦うことができました。慶應は、長い間、勝てないチームでした。毎年「なんで勝てないのか」を考え、涙を流して引退する先輩方をぼくたちは見てきました。その積み重ねがあって総合優勝できたと思っています。いまは、言葉でいい表せない気持ちでいっぱいです」(慶應大学 樫本達真主将)
フィニッシュ後、握手をかわす長塚正一郎/長浜拓哉。スナイプチーム、京大ヨット部を牽引しました。photo by Junichi Hirai
スナイプ級は前年度クラス準優勝の京都大が、その勢いを受け継いだままスナイプ優勝。主将の長浜拓哉(4年)、スナイプリーダーの長塚正一郎(4年)を核に、ヨット経験者の豊富な私大強豪校を抑え、革命的な勝利を収めました。
「個性的な京大生をまとめるのはむずかしいことでした。規律を作るよりもみんなの個性を認めて、陸ではゆるく海上では厳しく、という雰囲気を大切にしました。最終日、緊張はしていないと言っても、みな緊張していたと思います。スナイプの優勝は本当にうれしく、さらにチームの目標としてきた総合入賞を5位の成績で達成できたことに満足しています」(長浜拓哉主将)
「順位を気にせず、いつも通り自分たちの走りをできたのが良かったと思います。京大生の強みは「考える力」だと思います。普段の練習も各自で考えることを基本にしていました。スナイプ3艇は、ビルダーが全部違うし、バングシーティング、トラベラーシーティングの選手がいますが、速ければどんな違いがあっても良いと思っています。リーダーの役割は最後の目標を示し続けることでした」(長塚正一郎スナイプリーダー)
ヨット部史上初となる総合優勝を決めた慶應大、そしてセーリング未経験者が多数の京都大のスナイプ優勝にわいた第84回全日本学生ヨット選手権。来年も慶應大が王座を維持するのか。京都大をはじめ、堅実に実力をつけてきた国立大がさらに躍進するのか。来年の全日本学生ヨット選手権も西宮で開催されます。
470級最終成績
1. 慶應大 95p
2. 日本大 120p
3. 早稲田大 252p
4. 関西大 265p
5. 同志社大 271p
6. 明治大 278p
スナイプ級最終成績
1. 京都大 241p
2. 同志社大 275p
3. 早稲田大 279p
4. 九州大 291p
5. 慶應大 326p
6. 広島大 338p
総合成績
1. 慶應大 421p
2. 日本大 477p
3. 早稲田大 531p
4. 同志社大 546p
5. 京都大 647p
6. 明治大 648p
◎第84回全日本学生ヨット選手権 公式ウエブサイト
◎TracTrac(ライブトラッキング)
◎バルクヘッドマガジン・全日本インカレフォトギャラリー
◎全日本学生ヨット選手権の記録
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