大西洋横断ミニトランザット・スタート直前、鈴木晶友インタビュー
10月5日、ついに大西洋横断「ミニトランザット」がスタートします。約二週間待機して、ようやく荒天を避けられるコンディションになりました。スタート時間は10月5日10時30分(日本時間17時30分)。鈴木晶友選手の準備も万端です。完走めざしてがんばれ!(BHM編集部)
延期されていたミニトランザットがスタートします。参加87艇、アジアを代表して鈴木晶友選手(34歳)が挑戦します。上写真はスタート前におこなわれたプロローグレースより。photo by Junichi Hirai
◎ついにスタートが近づいてきました。いまはどんな気持ちですか?
「やっとここまで来た、という感じがします。この大会に出るのには誰にでもチャンスがあり、ひとつひとつのステップを踏んで、自分のやるべきことをやれば出られます(合計1500マイルのレース出場と1000マイルの単独無寄港航海)。予選を勝ち上がって出場するわけではりません。長い旅を終えてここへ来たな、という気持ちです」
◎9月上旬にロリアンから回航してラ・ロッシェルへ来ました。準備は順調でしたか?
「回航中にマストトップにあるウインドセンサーのパーツが壊れましたが、小さなトラブルでした。今回はサポートチームに恵まれて順調に準備できました。修理や船の準備もそうだし、食事や生活面もです。恵まれた環境で準備を進めてきて、いまは万全の状態です」
◎スタートが延期されましたが、レース委員会はどんな考え方で判断しているのでしょう?
「大西洋上の低気圧の影響でスタートからビスケー湾まで西の強風が予想されました。レース委員会の考えははっきりしていて、『選手を安全に(フィニッシュ地の)マルティニークへ連れて行くこと』と言っています。選手の多くは20代です。みんな若いのでブリーフィングも学校みたいな感じ(笑)。おもしろいレースですよね」
◎スペインのラス・パルマスまで走る第1レグ(1350マイル)ではどんなレースになるのでしょう?
「大事なのは船を無事にラス・パルマスへ持っていくことです。ビスケー湾を抜けて大西洋へ出るまでが重要です。西が吹けばアップウインド、東ならダウンウインド。大西洋上の低気圧が影響しますが、ビスケー湾を抜けて大西洋に出てしまえば追い風になる可能性が高く、順位変動もそれほどないと思います。スタートしてからビスケー湾を抜けるまでが重要で一番つらいところです」
◎ラス・パルマスからマルティニーク島までの第2レグで大西洋を横断します。
「第2レグは2700マイルの長丁場です。基本的には貿易風に乗って走るダウンウインドで、高気圧の縁(へり)を走りたいと考えています。ただ、高気圧の位置を知るのに短波ラジオを聞いて天気図を取るんですが、おおざっぱなもの。自分で予測しながら走らせることになりそうです」
◎レース中、ほかの船の位置を知ることはできるんですか?(出場艇は衛星通信の設備を持たないので情報を得られません)
「短波ラジオの放送の最後に、順位とフィニッシュまでの距離を発表してくれるので、自分が何位にいるのかわかります。他艇と出会うのはむずかしいかもしれません。船にAISを積んでいるけれどVHFの電波を使うから、実際10〜15マイルの距離にいないとわからない。もし、見えたらVHFで呼び出して、お互い興奮して話すと思います(笑)」
◎陸にいる人はトラッキングで位置を確認できるから、選手よりもレースの状況がわかるし、盛り上がって見られそうです(https://www.minitransat.fr/en/follow-race/cartography)。安全な航海を祈っています。元気にいってらっしゃい!
◎Mini Transat
https://www.minitransat.fr/en
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