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【コラム】夏の江の島で東京五輪470日本代表候補が決定します

 ついに8月がやってきます。ついに、でも、ようやくでもあり、いろいろな気持ちが入りまじる8月がはじまります。東京五輪日本代表選考は佳境を迎え、470級男女は江の島2大会を経て日本代表候補が決定します。この夏、江の島でオリンピック本番以上に魅力的な戦いが繰り広げられるでしょう。(BHM編集部)


決戦の地、江の島で日本代表選考を兼ねた470級世界選手権がはじまります。photo by Junichi Hirai

◎江の島で開催される国際大会
8月4〜9日 470級世界選手権(470代表選考)
8月17〜22日 東京2020テストイベント
8月27〜9月1日 セーリングワールドカップ江の島(470、RS:X代表選考)

 東京2020テストイベントは、来年開催される東京五輪のリハーサルで、各国1艇/1チーム・選手が出場します。オリンピック本番を想定しておこなわれ、日本は2019年度ナショナルチームが出場します(本大会は代表選考ではありません)。

 最大の注目は470男女の代表争いとなる世界選手権とワールドカップ江の島大会です。ここで選考のプロセスを復習してみましょう。選考方法は種目により異なりますが、基本的に指定大会で好成績を上げた場合に与えられるポイントの合計で競われます。

(1) 2019年世界選手権で五輪出場国枠獲得同等の順位を獲得する(470男子19カ国以内、女子21カ国以内)
(2) 指定された3つの国際大会で、国枠内の順位を獲得した場合に規定のポイントが与えられる
(3) 3大会合計得点のもっとも高いチームが日本代表に内定する

 また、特別推薦として、世界選手権で3位以内の日本人最高順位のチームは、その時点で日本代表に選ばれることになります。2018年度の世界選手権で女子金メダル、男子銀メダルを獲得した日本470は、この特別推薦の可能性もあるといえるでしょう。

 470級の第1回選考は4月スペイン・マヨルカ島で開催された「プリンセスソフィア杯」でした。日本セーリング連盟オリンピック特別委員会より発表された各チームの獲得ポイントは次のとおりです。


第1回日本代表選考終了時の獲得ポイント。獲得ポイントの計算方法はJSAFオリンピック強化委員会の解説を御覧ください

バルクヘッドマガジン編集長が見てきた日本代表選考

 もう何度目の代表選考を見ることになるのでしょうか。バルクヘッドマガジン編集長は、これまで数々の代表選考の様子をみなさんに伝えてきました。あらためて思うのは、選考が公平な内容でおこなわれて欲しいということです。

 最終選考の雰囲気をお伝えするのは、非常にむずかしいものです。選考に出場する選手は長い年月を、オリンピックに出場すること、メダルを獲得することを目標に活動してきました。その覚悟は、彼らの人生でもっとも大きなものであるはずです。

 よくひとから「だれが勝つと思いますか?」と質問されますが、そのたびに「分かりません」と答えてきました。編集長は、10年以上、日本代表選考を取材していますが、レースが終わるまで本当にわからないのです。

 前評判の高かったチームが不調で、三番手のチームが代表に選ばれたこともありました。ほとんど手にしかけた日本代表の座を、最終レースで逆転される場面もありました。

 勝利する選手がいれば、敗れる選手がいます。敗れた選手にかける言葉は見つかりません。ある選手は日本代表選考に敗れてから3カ月間、外出できなかったと話していました。選考に敗れて1年後に聞いた話です。

 それだけの覚悟を決めた選手たちの戦いなのです。日本代表選考は張り詰めた空気が漂い、技術力以上に体力、精神力が試される戦いになるでしょう。タフなヨットレースで勝ち取った、真の日本代表が決定することを願います。

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