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華やか春の相模湾!ニッポンカップ葉山スプリングシリーズ・レポート

 葉山マリーナヨットクラブ主催のキールボートチャンピオンシップ、「Audi NIPPON CUP葉山スプリングシリーズ」が、4月13、14日の2日間、葉山沖で開催されました。相模湾の今シーズンを占う、インショアレース開幕戦ともいえるこのレガッタに、ワンデザインのMelges20からハイパフォーマンスボートまで33艇が参加しました。(レポート/葉山マリーナヨットクラブ NIPPON CUP実行委員会)


春、秋の2大会おこなわれているAudi NIPPON CUP葉山スプリングシリーズ。今年で5年目に突入しました。photo by Junichi Hirai

 葉山は今、最高の季節を迎えています。新緑の山々や富士山、キールまでくっきり見える綺麗な海に彩られたフォトジェニックなレースシーン、美しい映像。NIPPON CUP葉山スプリングシリーズは天候と風に恵まれ良いレガッタとなりました。

 大会初日は雲ひとつない快晴となりました。数日前まで不安定な弱い風が予想されていましたが、朝は北寄りの風がしっかりと入り、大きな富士山をバックに2日間のレガッタがスタートしました。

 最初のスタートとなるMelges20クラスは、ディンギー出身の若いセーラーも多く、活気のあるクラスです。IRCクラスと同じコースを使用する工夫として、短い距離で少し手前に設置された色の違う上マークを回ります。

 続いてIRCクラスHP(ハイパフォーマンス)ディビジョンがスタート。今回は、ホストクラブHMYC所属のK36-SAMURAIの〈SPANK〉と〈Gaia〉が運営に回っていますが、それでも豪華な顔ぶれが揃い、NIPPON CUPの華として大会を盛り上げます。

 最終スタートは、ミドルボートを中心としたIRCディビジョンAと最大フリートのディビジョンBの19艇が同時スタートとなります。


IRC Division HP。KARASU (MILLS 41)


ESPRIT (CARKEEK 40 MK2 GP#1)


CENTURY FAST GP(GP33 N/M)

 第1レースは振れ幅が大きい陸風でしたが、順調に終了。続く第2レースは途中で風が弱く不安定になり、波乱の逆転劇などがありました。その後、予報どおりシーブリーズが入り、第3レースはマークを反転させ南寄りの風で実施しました。軽風ながらも予定どおり3レースを完了し初日を終えました。

 2日目は、心配された雨もなく15ノット前後の南風が入る絶好のコンディションでスタートしました。良い風に恵まれたおかげで接近戦が多く、マークごとに順位が入れ替わり、テールツーノーズでのマーク回航や僅差でのフィニッシュなど、エキサイティングなレースが展開されました。予定どおり2日間で5レースを完了しました。

 終わってみれば、各クラスとも接戦で、タイブレークの末に最終順位が決まるケースも多く、とても白熱したレガッタとなりました。

 Melges20クラスの優勝は、安定したスコアで〈TRINITY〉が勝ち取りました。2位は〈LE GARBI〉が、3位の〈CONTIOUS〉を僅差で振り切りました。

 〈LE GARBI〉は、HMYCが若手セーラーを支援する「U25 NEXT GENERATION PROJECT」の一環として結成されたチームです。HMYCでは今後もこのプロジェクトを通じて若手セーラーの活動を応援していく予定です。

 Melges20クラスでは、このNIPPON CUPが「Melges World League Asia Division」の第1戦に組み込まれていることもあり、今後の国内でも更なる盛り上がりが期待されます。


Melges20 Class。TRINITY


LE GARBI


CONTIOUS

 IRCクラス、ディビジョンHPは、〈KARASU〉(MILLS 41)が貫録の優勝を飾りました。2位は1ポイント差で〈ESPRIT〉(CARKEEK 40)が入り、3位は〈CENTURY FAST GP〉(GP 33 N/M)となりました。

 従来のオーソドックスなクルーザーレーサーに比べ、そのスピードや性能から競い方が異なる最新のHPR艇のために、IRCクラスは昨年から DLRと TCCを考慮したハイパフォーマンス(HP)ディビジョンを設けています。

 今後も日本のレースシーンをますます盛り上げていく華やかなクラスとして、引き続き多くの参加を期待しています。

 IRCディビジョンAは初日のDSQで出遅れた〈VOGUE〉 (JND 36)が劇的な逆転優勝を遂げました。沼津から遠征した2位の〈 MIWA〉 (SYDNEY 36 CR)は安定したスコアでまとめ圧勝と思われましたが、カットレース後のタイブレークで〈VOGUE〉に軍配が上がりました。

 3位は表彰台の常連艇〈KOUFU〉(FIRST 40)が入りました。トータルポイントのみならず、それぞれのレースが秒差の戦いとなり接戦が繰り広げられました。


IRC Division A。VOGUE(JND 36)


MIWA (Sydney36)


KOUFU(FIRST 40)

 IRCディビジョンBは、1日目を終えてトップだった〈FELLOWS〉 (YAMAHA 33S)が2日目にはスコアを乱しましたが、初日の貯金で逃げ切り優勝を勝ち取りました。

 2位以下は4艇が同ポイントでタイとなる大接戦となり、上位のレースが多かった〈HOBBYHAWK〉(YAMAHA 30 SN)が2位に、最終レースの1位で躍進した〈TRAVIES〉(A 31)が3位に入りました。

 元気で熱心なクラブレーサーが集まるディビジョンBは、実施した5レースすべて違う艇がトップをとっていて、性能差や実力差が少ない分、非常にエキサイティングなレガッタとなりました。


IRC Division B。FELLOWS (YAMAHA 33S)


HOBBYHAWK(YAMAHA 30 SN MOD)


TRAVIES(A31)

 ミドルボートを中心としたIRCディビジョンA、Bの盛り上がりは特筆すべきで、5月の関東ミドルボート選手権、そして6月の全日本ミドルボート選手権を控え、相模湾はにぎやかになりそうです。

 最新鋭ボートから元気なクラブレーサーまでが集まる活気に満ちた華のあるレースを開催したい、若手セーラーが目標にできるようなワンランク上のキールボートチャンピオンシップを開催したい、こんな思いで始まったこのイベントも5年目となり、そろそろ相模湾の定番レースの仲間に入れてもらえた頃でしょうか。

 今年はHMYC所属のK36-SAMURAIの〈SPANK〉と〈Gaia〉が運営に回っていますが、プレーヤー目線を大切にした自主運営は、クラブのDNAでもあります。葉山マリーナヨットクラブでは、今後も相模湾のレースシーンを盛り上げ、セーリングスポーツの発展に寄与する活動を続けていきたいと考えています。

 次回NIPPON CUP葉山オータムシリーズは、10月19日~20日に開催予定です。年間の総合優勝チームには 高級腕時計やチームウェアが提供され、また参加艇の中から抽選でエアチケット付き海外クルーズ船への招待など豪華な副賞が用意されています。年間成績での競い合いはもちろん、秋シリーズのみの参加も歓迎します。

 10月に葉山沖でお会いしましょう!


2019 AUDI NIPPON CUP SPRING 最終成績


2019 AUDI NIPPON CUP SPRING ハイライト映像

Audi NIPPON CUP葉山シリーズ 2019
https://hmyc.or.jp/nc2019/

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